All Chapters of 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜 通: Chapter 131 - Chapter 140

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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第伍話 力の針金

130. 第伍話 力の針金  私達はまず牌山を作った。 カシャン!カシャン!  私とミサトはあっという間に山を完成させる。 「はや……!」カシャン! 続いてヨシエさんも山を作った。「あ、そうやってやるのか。手が小さい僕には難しいよ~」「手が大きい必要はあまりないの。ヨシエさんの手も小さいでしょ。ユキなんかクリポンよ? どうやってんのあれって思うけど、ようは小指の使い方次第よ。小指から小指へと力の針金を通すつもりでやってみて」「針金を通す……」 ミサトの説明は正直言うとよく分からなかったが、ただその教え方でなぜだか今まで全員できるようになったので教え方としては正しいんだろうと思う。けど、針金通すってどーゆーこと? とは今でも思う。 「よっとと、あーー!」ガシャン! キュキュの山は崩れてしまった。「まあ、練習しないと最初はね」「大丈夫大丈夫」 ひっくり返った牌山を4人で手分けして作り直す、そして山を完成させ、サイコロをふり配牌を取ろうとする段階になって私はあることに気付いた。 「私、対面に届かないかも」  そうなのだ。ミサトは人間に戻っているが私はクリポン体のままである。これでは背が低すぎて対面の山に届かない。「エル。この子、もう人間に戻そうよ。このあたりはシン族も多くいるから人間も目立つことないしいいでしょ」「仕方ないですね。あーあ、可愛いかったのにナア~」 パッ 「おっ! 戻った! 久しぶりだなこの身体!」「ユキ! やっと会えた! わたしのユキだ!」そう言って思わず対面から
last updateLast Updated : 2026-01-21
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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第六話 三色を探せ

131. 第六話 三色を探せ 「さて、じゃあ改めて。ゲーム開始と行きますか」 座順 東家 スノウ南家 キュキュ西家 ミサト(空気椅子)北家 ヨシエ  とりあえずエルはスノウの後ろで見てみることにした。 「スノウの背中おっきいね~」「スノウ?」「あ、『スノウ』はこの世界での私の名前よ。ユキっていう名前だとこの世界に無い名前なんだって」「まー、この世界なんつーか名前自体あんまりないもんね。あれ、とか、これ、で済ますっていうか」「そーそー。そうなのよ」 などと話しながら配牌を並べる。 スノウ手牌 切り番二二六八②③④④④⑤469西 ドラ六 (ずいぶん長いナ。麻雀って本当はこんなに枚数使うんダ)とエルは思った。 打9 (これはなんで9索を切ったノ?)(多分いらなくなるから先に処分したの)(ふうん、でも西はジハイってやつでしょ。シュンツにならないなら西の方がいらなくナイ?)(鋭いね、エル。うん、西はいらないよ。でもね、それと同時に安心安全いつでも切れる。それに9索は7索8索引いても6索持ってるからケアできるし)(ハー……ナルホド) たった一打の選択でさっそく違いを見せつけられたエルは(これはしばらく見学ダナ……)と後ろに張り付くことにした。  ――数巡後 「ツモっ!」 スノウ手牌二二四伍六②③④④⑤⑥46 5ツモ 
last updateLast Updated : 2026-01-22
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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第七話 予想

132. 第七話 予想  エルはそれからもスノウに張り付いて勉強することにした。 スノウ手牌 切り番 ドラ①二二四伍六六七①②③78西西 (これは、安全に西を落としていくのカナ……) とエルはまず予想をした。だが。 打二 (アレッ?) スノウ次巡ツモ三 「リーチ」 打六 スノウ手牌二三四伍六七①②③78西西 (そうかア。二萬を1枚外すことで三萬引きもテンパイになるのカー。面白イナー)  キュキュがおそるおそる6索を捨てる。一発目である。 「ロン! メンピン一発ドラ…12000」 「うわ! やられた」 「その6索はちょっと甘くない? どんな手だったの」 キュキュは手を開ける キュキュ手牌一一一三三三①①②③③88 「あっ、一手変わりスーアンコウのイーペードラドラをテンパイか……それは勝負するしかないわ」 「スーアンコウっテ?」「このマージャンという遊戯において最も打点が高いとされる形のひとつよ」「それじゃあ仕方ないネ」「そういうこと」「でもね、こうなる事を予想して先に捨てておくということも出来なくはなかったんだ。僕のミスなのかもしんない」「へぇ。仕方ない
last updateLast Updated : 2026-01-22
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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第八話 技を決める競争

133. 第八話 技を決める競争 「ずっと考えながら見てたんで、完全に基本は把握しまシタ。……多分」そうエルは言った。実際には麻雀の基本把握などそのような数時間で出来るものではないからこれはエルの慢心であるのだが、まあどうやら基本の基本くらいはわかったようである。「まずひとつ、自分はまだ教えてもらってないけど麻雀には『技』があるようネ。技を決める競争なんだと思っタ」「わざ……『役』のことね。するどいねエル。その通りよ」「へへ、当たってたデショ? で、ふたつめは自分の勝てる番じゃないと思う時は撤退するコト。ムダな散財をしないようにスル。これも大切な気がシタ。ただその方法がまだ全然わかんないけどネ」「へー、あたまいいわねぇ。この子」とミサトは感心する。「にへへ、一応この世界の神なんデ」「神さまっていたのねぇ」そう言うと無神論者のミサトはまじまじとエルを見つめた。 「あ、あと、気付いたことがもう1つあって。たまに他の人が捨てたのをもらってるよネ。『ポン』とか、なんだか間の抜けた発声しながらサ。あれはたぶんだけど、諦めてるんでしょ。あれをどう使うかもコツなんだと思ったヨ」 エルはさすがとしか言いようのない学習能力だった。手役を作ること、無理な手は降りること、要所要所で鳴くこと、この3つの重要性に自分の力で気付くのは本当にすごい。そして、言われてみれば『ポン』ってちょっと間抜けな発声かもしれない。パピプペポのポだ。いい大人が真剣な顔して『ポン!』って。ねえ。「他の人から出たら『ロン』デショ。それは知ってるノ。でも、ロンって発声があるのにポンもあるなんてややこしいわね。もっと全然違う発声にしたらいいのにネ」 確かにエルの言う通りだった。さすが、星を統治する者は着眼点が素晴らしい。「なんかもっと絶対に聞き間違えない発声に変えちゃうのもありだね」とミサトが言う。「まあ、とりあえずエルさんにはポンで覚えてもらって。その後そこの
last updateLast Updated : 2026-01-23
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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第九話 美しいから残す

134. 第九話 美しいから残す 「ホンロートーの価値とかどう思います?」とヨシエさんが言った。「役の難易度と評価のバランスの件ですね」「あ、私はリャンペーコーと三色同刻をもっと高くしてほしいなあ!」「そのテの話はわりとよく言われることですけど、でも私は……これはこのままがいいと思っています」とミサトは意外なことを言い出した。「えっ、それはなんで?」「考えてもみて、役の価値が難易度に対して適したファン数になってしまったとしたら。どの役も作る価値が同等にあってしまったとしたら」「そっか! 読めなくなるんだ!」とキュキュが気付く。「さすが仙人」「どう言うコト?」「つまり、今の配分なら狙って得な役が限られているからそれを作っているだろうなという前提で考えればだいたい読みは当たるわ。ところがこれを全ての役が難易度に見合った価値とされたら?」「そうか! 色々な役を狙うようになり何を狙ってるか分からなくなる! なるほどねー」 「あくまで想像だけどね、私はそうなると踏んでる」「アンバランスになっていることで実はバランスをよくしていたってことか」「ワケがわからナイ」とまだ素人のエルは混乱している。「そういうのじゃなくて、もっと変えるべきものがきっとある」 するとスノウが一言「……山とか?」「それ! それよ! あれは重ねたりしてるからこぼれ落ちるのであって、そもそも積み上げなければいい」 言われてみれば牌山は必要なかった。裏返しになってさえいればどこから引こうが確率は一緒である。しかし――「あのーー、ちょっとすいません」とヨシエさんが割って入ってきた。「なんでしょう?」「山は積み上げなくていいかもしれませんが列は作った方がいいです。私もかつてやったことがあるんです。伏せただけで山を作らず適当に自由な場所から取る麻雀。するとどう
last updateLast Updated : 2026-01-24
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第1部 四章【スノウドロップ】その5 第十話 麻雀は奥が深い

135. 第十話 麻雀は奥が深い  その日は近くの宿に泊まり一晩中語り明かした。なにせ長い事離れ離れだったのだ。スノウもエルもお互いの相棒に久しぶりに会えたことを喜んだ。 「私ね、生成の魔法使えるのよ。牌も点棒も作ったんだから」「へえええ! すごいねミサト」などと、朝方になるまでここまでの旅路のこと麻雀のこと今までのことこれからのこと様々な話題で語り合うと陽が登るタイミングでついに全員眠くなり、その日は昼まで寝ていた。自由な連中である。 「ファァアよく寝た」  まず最初にミサトが目覚めた。 (太陽的なのが真上ってことは正午なのかしら。7時間くらい寝たのかな)  マージの1日が何時間なのか正直わからない。だが体感的には地球と同じくらいだと感じていたので24時間だと思うことにした。 「なに、全員まだ寝てんの? もう昼なのに。仕方ないわねえ」  自分だって今起きたくせにミサトはまだ寝てる連中をだらしないみたいな事をひとり言っていた。確かに、7時間以上寝るのは寝過ぎかもしれないが今起きた人間が偉そうにするのは違うだろう。(……起こすのも悪いし、1人で麻雀でもしてようかな)  ミサトは自分で生成した麻雀牌を持ってそーっとベランダに出た。さすがに室内で牌を使っていては起こしてしまうだろう。 ジャラ……  持ち運ぶ時に少しだけ音が出たがまあ、大丈夫だろう。そう思ったが 「あら、麻雀牌だけ持ってベランダに出てどうするの? マットが必要でしょう」と言って起きてきたのはヨシエさんだった。 「あ、起こしちゃいましたか。うん、マットは借りた
last updateLast Updated : 2026-01-25
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第1部 四章【スノウドロップ】その6 第一話 手役図鑑を作ろう!

136. ここまでのあらすじ  この世界(マージ)には麻雀の伝道師が必要ということから異世界に飛ばされた飯田ユキと井川ミサト。彼女たちは別々の場所に飛ばされたためお互いに探し出すための旅をしていた。そして異世界に飛ばされて1ヶ月が過ぎたあたりでやっと2人は出会い、本格的に麻雀の伝道師としての活動を開始する。   【登場人物紹介】 飯田雪(スノウ)いいだゆき主人公。井川ミサトと旅をしている最中に気付けば異世界へと飛ばされていた。本作品内ではスノウと名乗る。 井川美沙都いがわみさと飯田雪の親友で麻雀の師匠。異世界に飛ばされてしまった。頼れるリスを相棒にして異世界を放浪し、ついにスノウたちと合流する。 エル異世界の神様。世界をもっと良くするために麻雀の伝道師となる人物を地球から連れてきた。 キュキュ異世界の仙人。知識豊富で使える魔法も多い少年。だが魔力を使い過ぎるとたちまち少年からリスになってしまうという欠点がある。最近はミサトの肩の上がお気に入りの場所。 財前よし江ざいぜんよしえマージに転生した地球の巫女。麻雀が好きで高校生の頃は麻雀部だった。         その6第一話 手役図鑑を作ろう! 問1三三②③③④12234567 「この手からエルは1索切りだと思いました
last updateLast Updated : 2026-01-26
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第1部 四章【スノウドロップ】その6 第二話 練習をしよう

137. 第二話 練習をしよう 「ねえ、ミサトさん。とりあえずこの『イッキツウカン』というのは覚えたけど、これはレア技なんでショウ? もっと他にも教えていただきたいのデスガ」「うんうん、そしたらね次に教えるのはイッツーよりは出現頻度が高いやつにするわね。そーね、じゃあコレ」  そう言ってミサトは牌を並べ始めた。 三四伍③④⑤345888西西 「次に教えるのはこれよ」「全部のスートが345になっテル……」「そ、コレ。この345の部分が今回の役『三色同順(さんしょくどうじゅん)』よ」「345じゃないといけないノ?」「いいえ、別に123~789どれでもいいわ。各色で同じ並びを作ればOK」「それならイッキツウカンよりはできそうでスネ」「そう、これはイッツーより作りやすいから。出現頻度は倍以上のイメージね。三色は打点作りの基本だから」   手役図鑑【その2】 三色同順《さんしょくどうじゅん》通称サンショク2ハン手役 一一六七八⑥⑦⑧678999  同じ数字の並びをマンピンソー各色で揃える。部分手役の代表。鳴きも可能だがその場合は力が2から1に下がる。   「おはよ~。みんなして外でなにやってるのー?」  スノウがやっと起きてきた。 「おはよう、もう午後だけどね。今ね麻雀の手役をエルに説明してたの」「あー、まだ手組みの基本しか教えてなかったもんね。なるほど、イッツーとサンショクを教えたのね。
last updateLast Updated : 2026-01-27
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第1部 四章【スノウドロップ】その6 第三話 エルの練習麻雀

138.第三話 エルの練習麻雀「はい、ではこれよりエルの練習麻雀を行います。ルールは簡単。タンヤオとサンショクとイッツーだけしか使わずに麻雀をする。以上」「えっ、私たちもなの?」「トーゼンよ、練習とは言え勝負は平等にやらないとね!」「せめてリーチは許可してよぉ」「ダーメ。リーチ可能にしたらリーチに頼りきりになるでしょ」「なるほどね」 特殊な縛りルールによる練習麻雀が始まった。「ノーテン」「ノーテン」「ノーテン」「の、のーテン?」エルはなんとなくでノーテンということの意味を(たぶん、ブタってことダナ)と察した。さすがは神である。「ノーテン」「ノーテン」「ノーテン」「のーテン」「ダメじゃんこれ! 誰も張らないじゃん!」「せめてイーペーコーくらいはありにしませんか?」とキュキュが提案した。「いーぺーこーッテ?」手役図鑑【その4】一盃口《いーぺーこー》通称イーペー1ハン手役一一二二三三②②②34599 一色で同じ並びの数字面子を2つ作る。鳴き不可。「あ、なんだ。簡単そうなのあるんじゃナイ」「や、まあ、そうなんだけど。でも、後々教えるけどコレばかり狙うようにならないようにね。たいした手じゃないからコレ」「ま、とりあえず今回はイーペーコーもありにしよう。じゃないとキツいって」「あと、ドラについての説明はまだいらないと思うから次からドラ開示なしでやろう」「まって、字牌が全く役にならないのはどーなの」「んー。それなら三元牌だけアリにしよっか。風牌はややこしいから」「それがいい、そうしよう」手役図鑑【その5】三元牌《さんげんぱい》通称サンゲンパイ1ハン手役六七八九九九123西西中中中 白(はく)か発(はつ)か中(ちゅん)のどれかを3枚集める。鳴き可能。それぞれ1枚ずつ集めても面子にならない。「『はく』ってドレ? そんな絵柄ありましたっケ」「あー、なんにもかいてないやつあったでしょ。あれが『白』なの」「あー、アレか~」 かくして使用可能な役が決定した。 イッツーサンショクタンヤオイーペーサンゲンパイ 以上の5種類のみしか使えない。この練習方法はどう出るのか。麻雀知識皆無のエルのための特殊麻雀があらためて開始される!
last updateLast Updated : 2026-01-28
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第1部 四章【スノウドロップ】その6 第四話 アガリを探す旅

139.第四話 アガリを探す旅「ロン」キュキュ手牌伍伍六七七八八八12366 六ロン キュキュがイーペーコーのみをアガる。やっとアガリが出たかと思うとそこからみんなもアガリが出るようになってきた。「ツモ!」スノウ手牌①②③④⑥⑦⑧⑨11122 ⑤ツモ「おおー! 一気通貫。レアだ」「確率がどうとか言ってたけど、それはイッツー狙いが無理そうな手とかも含めてのパーセンテージだから。出来そうな手が来ればイッツーくらい割と簡単にできるもんなんですよ」 そしてついにエルも初アガリをする!「つ、つもッ!」エル手牌一一一二三四66788中中 7ツモ「お、イーペーコーか! すごいじゃん! エル、おめでとう!」「うん、アリガト。でもね、これ…… この少し前に出てきてるキュキュが捨てた『中』これをポンした方が良かったのかも。わかんないから声が出なかったんだけど。どうなんでショウ」エル手牌一一一二三四66788中中 中出る「これはポン……だね」とスノウが言う。「そして打8索と」「打6索じゃない理由はなんなんですか?」とキュキュが質問してきた。「うん、時には6索が正しいケースもあるけど、基本的にはこの手なら6678に受けて9索を拾う方がいい。6788だと赤5索をロンあるいはツモというケースに対応しているという良さはあるけど5索を4枚と8索を2枚の受けにするより6索を2枚と9索を4枚の受けにした方が格段にアガリ率は高くなるわ」「そうか、外側に近いからネ!」エルはポンと手を叩いた。「その通り! やっぱりエルは賢いわね。それに加えてこの手はまだ変化するからやはり中のポンはすべきだと思う」「と言うと?」「僕わかりました。マンズ変化のパターンですね」「正解!」一一一二三四6678(中中中)「ここに例えば伍萬を引いたとしたら? キュキュ、何待ちになる?」「えっと、二-伍……三?」「惜しい。11.12.345と111.2345に分けちゃったのね」「違いましたか?」「これはね六萬も当たりになるの。11.123.45にも分けれるからね」「本当だ!」「これがこの手の究極理想待ち変化。赤で変化したら更に良いわね」「他にも二萬を引いたら一一一二二三四の二三伍待ち。三萬を引いたら一一一二三三四のこれも二三伍待ち。六萬を引いたら一一一二三四六の伍
last updateLast Updated : 2026-01-29
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