Все главы 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜 通: Глава 31 - Глава 40

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第1部 二章【闇メン】その5 第伍話 工藤の勘違い(後編)

30. 第伍話 工藤の勘違い(後編)  一回戦はヤシロが何回もアガってトップ。工藤はなにも出来ずラス。  続く二回戦、三回戦、お客さんが来てメンツが変わり四回戦、五回戦、工藤にも勝負手が来る時もあったがそのほとんどがヤシロによって潰された。  そして六回戦。トップ目はやはりヤシロだったが満貫ツモを決めればラス目が飛んで念願の初トップという条件が工藤に出来ていた。千載一遇のチャンス。  そんな南2局親番中の手がこれ。 工藤手牌 親番 ドラ二四赤伍六六六⑤⑥⑦34678  これを6巡目にテンパイしてリーチしていた。トップ目のヤシロとは15000点差なのでツモれば逆転だ。ラス目は北家で1200点。するとラス目から5索が打たれてしまう。  瞬間、身体がピクッと反応してしまったが(いや、見逃しでいい。ツモればトップなんだ。焦らずとも三着目とだってそう簡単には逆転されないだけの点差があるし。何よりこの待ちはまだまだ山にある!)と言い聞かせてこれをスルー…… が! なんとヤシロの両手が動いている! 「ロ…「ロン!」  ヤシロが和了るなら見逃しの意味がない。それなら12000と祝儀1枚貰っての二着がいいから咄嗟にロンをかける工藤。 「あらー、アタマハネかあ」「へへ、悪いねお嬢さん。トップはおたくだからいいだろ」「もちろんいいわ」  アガっておきながら次の自分のツモが気になる工藤。2-5索は山にゴッソリいる読みなのだ、ここで上家が放銃さえしなければあるいは―― 2索  次をめくるとそこにいた次のツモは2索だった。
last updateПоследнее обновление : 2025-11-02
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第1部 二章【闇メン】その5 第六話 工藤、自分を知る

31. 第六話 工藤、自分を知る 「どっ、どういうことだ……」「何がかしら?」「いやだって今の手、明らかに字牌を絞ったノーテン……」「あら、そうだったかしら。覚えてないわ」  やられた――  つまり、このお嬢さんはオレの満ツモ条件を把握して、ラス目から出たら見逃しするだろうと読み、おれの一瞬の身体の反応から(いま見逃したな)と看破して、ノーテンからロンしたんだ。そうすれば、じゃあ倒すしかないと考えてオレがロンして二着終了させると踏んで。これはダメだ。どうやっても勝てない。ギャンブラーとしてのその器があまりにも違う――  「悪い、オレ抜けていいですか。ちょっともう無理だわ」「大丈夫ですよ。次からはラスハンコールのご協力をお願いしますね」「あらあ。残念。もうやめるの?」「ああ、もうこれからは麻雀は遊びでやる。今日限りで(職人として打つのは)やめだ」「うん? じゃあ遊びじゃなきゃ今日のはなんだったのかしら?」 (稼ぐつもりで打ちに来てたなんて恥ずかしくて言えるわけねえや……) 「まあ、またくるよ。おつかれ」「またねー♡」 ────  こうして、麻雀職人だった工藤ツヨシは引退した。自分では超えられない存在をほんの短期間の間にあまりにも多く見てしまったから。  工藤は帰り道を歩きながら色々な事を思い出していた。 仲間内で最強だった頃の事。 プロ入りして先輩達をも負かした話題の新人だった頃の事。 代表や理事長と揉めて、こんな団体の看板なんか無くてもオレはプロフェッショナルとして生きて行ける
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第1部 二章【闇メン】最終話 おれは闇メン

32. 二章 最終話 おれは闇メン  近頃『ラッキーボーイ』に闇メンが呼ばれる回数が減った。 (常連の誰かに嫌われちゃったかな? だとしたら工藤さんかな?)  椎名はそんなことを想像した。  今は卓割れ中でお客さんはいないし従業員には買い物に行って貰ってるから現状オーナーの日吉さんと2人きりだった。なので椎名はこの隙にレジに置いてあるシフト表を見てみた。すると最近呼ばれる回数が減ったのがなんでなのか納得した。知らぬ間に新人が入っていたのだ。それも女の子。聞くと麻雀も打てるらしい。それじゃあ高い給料払って闇メンを呼ぶよりずっといい。  「椎名くんゴメンねえ。今は人が足りてるしそれに……」「それに?」「うん、それにこの建物は老朽化が進んでて、もうあと2ヶ月後には取り壊しなんだ」「えっ! ていうか、取り壊しなのに新人雇ったの?」「まだ、移転するかもしれないし、すごい可愛い子なんだよ。そんな子が突然履歴書持ってきたら雇わないオーナーとかは居ないだろう」  椎名は履歴書の写真を見せてもらった。 アイドルみたいに可愛い子だった。これは雇って当たり前だ。下心とかそういうのがなくても普通に採用してしまうだろう。(これは看板娘になるぞ)と思ったはずだ。 「こりゃあ可愛いや。花岡縁(ハナオカユカリ)? なんだか名前までアイドルみたいじゃないか」「身長も高くて目立つんだよ。性格もまっすぐで真面目ないい子でさ」「なら、どうにか閉店じゃなくて移転にしたい所ですね」「だといいけど、まだ移転する先が見つからなくてね。まあ、そう都合良くは行かないかもね。なるようにしかならんさ…… そうそう、今日来たらしばらく渡邉さんとこへの依頼をする予定はないから…&
last updateПоследнее обновление : 2025-11-03
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第1部 二章【闇メン】エピローグ そして伝説へ

33.闇メン エピローグ そして伝説へ 結局『ラッキーボーイ』は閉店し、移転することは無かった。椎名は次第に仕事が減ってきたので渡邉さんに頼んで長期休暇を貰い旅打ちでもしようと思い立った。 たまにはこういうのもいい。ヤシロが鼻歌でよく歌っていた『戦場の足跡』という曲を聴きながら、気ままな旅をする。カバンには日吉オーナーから貰ったキーホルダーをつけて。 しかし、その行き先でキーホルダーを落としてしまう。すぐに気付いて引き返すと中学生くらいの少女がそれを拾ってとても興味ありげに眺めていた。「綺麗……」(これ、麻雀牌ってやつかな。真っ赤で宝石が付いてて。素敵だな)「あ、あった! ゴメンそれ僕の!」そう言う椎名の外見は細くて清潔感がありシャキッとした服装の真面目な好青年という印象を受けたので麻雀牌を落としたのが彼だというのが少女にはちょっと意外だった。(なんか、ギャンブラーとか、チンピラとかとは真逆みたいな印象の人だな。麻雀ってこういう人もやるんだ……)「キーホルダーだったんだけどとれちゃったか。気に入ってたんだけどな」 牌の上部にはネジ穴のようなものがあいていた。「お嬢さん、さっきそれじっと見てたけど、気に入ったのかな? 壊れちゃったので良ければあげるけど」「えっ、いいんですか!?」「うん。それがきっかけで麻雀に興味を持つ子が増えたりしたら僕も嬉しいし。一応とれたチェーンもあげとくね。大事にしてあげて」「ありがとうございます」「うん、いいよ。やっぱり宝石は男が持つより女の子にこそ似合うしね。きみに貰って欲しいってきっと牌も言ってるさ」 こうして、その少女は麻雀に興味を持ち、その後の麻雀界を変える程の歴史的な発見、新戦術を生み出す伝説の人物となる――◆◇◆◇牌神話テーマソング【戦場の足跡】作詞:彼方味方のいないはずの世界に味方のような顔をする奴がいる支えのないはずの場所に支えてくれそうな人がいるそんなはずはないそれは罠だ期待するな、信じるな安心するな、警戒を解くなヤツらの口をよく見てみろお前を喰らうための牙があるだろ私たちは戦士なんだ自分だけが頼りなんだ気を抜いたヤツから喰われる世界味方であるはずの男が味方ではなかったように支えてくれた人たちが全部おためごかしだったように それが世界だそこが戦場だ
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第一話 打倒! 財前姉妹!

34.  井川美沙都を(いがわみさと)は守備力で右に出る者はいないとまで言われた一流の女流雀士だ。 その実力は誰もが認める所だが、しかし大きな勝負で優勝するのはいつも白山詩織(はくざんしおり)か財前姉妹(ざいぜんしまい)だった。そのことがミサトは悔しくてたまらない。 自分の麻雀に限界を感じ。今のままを繰り返した所でナンバーワンにはなれない。そう悟ったミサトは自分の殻を破るための冒険の旅に出ることを決意した。 これは【財前姉妹】の後の世界をミサトを主役として書いた冒険の物語!     三章 護りのミサト!~女流雀士冒険譚~   その1第一話 打倒! 財前姉妹! 『優勝は井川美沙都プロ!』 ワアアア! ワアアア! ワアアア!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!  大歓声と拍手の雨だ、とても誇らしい。私は優勝したんだ。  (ん? 優勝した? そうだっけか? 何で優勝したんだっけ。思い出せない……)  ────── 「ハッ!」 「あっ、ミサトおはよう」 「……あーー……ユキ、おはよう……夢、か……」 ────  私は井川ミサト。デビューして即で新人王戦優勝。その後も数々の大会で決勝
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第二話 麻雀のメッカ

35. 第二話 麻雀のメッカ 「最初の行き先は新宿歌舞伎町よ」「ええ!? 最後に行き着く先みたいなイメージあるけど!」「だからこそよ。私たちの麻雀は最高峰クラスのものでありその技術は歌舞伎町ですら通用する。それでも私たちはノーレートや低レート、競技麻雀をする。なぜならレートに関係なく麻雀を愛しているから。そう主張するには最初に歌舞伎町制覇するのがいい」 「なるほど、ハイグレードなステージから逃げて初心者講座やってるというのでは説得力がないということね。たしかにそうだ」 「……ふふふ、できるかな? 言うのは簡単だけど、実際問題新宿歌舞伎町は麻雀のメッカ。レベルが高いに決まってる」  最初の行き先は歌舞伎町という事で決定となった。 「ねえ、ミサト。せっかく車も買ったけど新宿は電車で行かない? 駐車場代も高いだろうし……」 「そうね、じゃあ最初の旅は都内をぐるぐる山手線の旅にしましょうか」 「えー面白そう」 「とりあえず、1週間! 1週間の雀荘巡りで収支をプラスして帰ってくる。これが最初の目標にしましょう。できる? ユキ」 「私だって強くなったんだから。やってみせるわ。ミサトにだって負けないんだから!」 「おーおー、大きく出たな。頼もしい限り! よーし、じゃあ明日の朝10時に駅に待ち合わせでいいよね。そしたら今日はよく寝ること! 明日から修行の旅だかんね!」 「オッケー」   まずは新宿歌舞伎町! ──────  2人は
last updateПоследнее обновление : 2025-11-05
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第三話 これが井川ミサトの麻雀です

36. 第三話 これが井川ミサトの麻雀です  対局開始してものの数分で井川ミサトはその高い技術を見せつけてきた。 東3局4巡目 ミサト手牌四伍④④④12345北北北 6ツモ 「リーチ」 打北 (あれっ? てっきり④筒切りだと思ったけど)鉾田がユキと一緒になって後方から眺めている。(ポコタさんの言いたいことは分かります。④筒も北もまだ1枚残っているからアンカンして※テンパネのことを考えたら北残しの方が高くなるってことでしょ)(そうそう、僕なら絶対に符が高い方にとるけど。あとホコタね)  すると2巡後に下家からもリーチが飛んでくる。 「リーチ」 下家手牌三三六七八⑤⑥456678 2巡後ミサトツモ番 ツモ④ 「カン」  そう、ミサトは後々引いてきた時危険な④筒をアンカンで出ないようにするために北を捨てていたのである。 (見ましたか? これが井川ミサトの麻雀です) ユキが自分の事のように自慢する。(まいったな、僕ならここで放銃だ。さすが『護りのミサト』と言われるだけはある)   しかし、その後…… ミサトのツモ番 ツモ⑦ 「ロン」  
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第四話 新宿のゴールデンコンビ

37. 第四話 新宿のゴールデンコンビ  新宿エリア4日目。ホテルや漫画喫茶で休憩などしながら雀荘で戦う生活にも慣れてきた2人にとある人物の情報が入ってきた。 『新宿のゴールデンコンビ』  という通り名の2人組がいるらしい。詳しい話はその情報提供者のおじさんにも分からないが新宿で強い雀士といったらその2人なんだそうな。  噂話をもとに聞き回っていたらその2人はどうやら低レートの雀荘に出入りするらしいと判明した。 「なーんだ、低レートなら私でも大丈夫かな」とユキはホッとして聞いていたが。 「いや、油断したらダメだぜ、とんでもない強さなんだからよ。だいたい、この2人がなんで低レートを好むか聞いたら戦慄するぜ」と情報を提供してくれた方が言う。 「なぜですか?」 「低レート雀荘なら上限値なしで点数叩けるからなんだよ。60000点終了が好きになれない。それだけなんだ」  この頃、一般レートの店には『60000点終了』というルールが普及していて、60000点持ちが出てしまうとゲームが途中で終わるようになってしまった。回転率を上げるための新ルールだ。 「それじゃ、低レートでやるのは、ただゲームを最後まで楽しみたいだけ?」 「そうなるな」 「新宿の最強コンビと噂されるに相応しい2人組ね。面白い!」 「あと、その2人。コンビと言われてるけど一切コンビ打ちはしないって噂だ。まあ、アンタたちもそれは同じか」 「ますます面白いわね。手始めに麻雀アクアリウムの靖国通り店でも見てみようか」とミサトが提案した。今いる場所から近いのでそう言ったが。 
last updateПоследнее обновление : 2025-11-07
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第伍話 椅子の高さ

38. 第伍話 椅子の高さ 「いらっしゃいませー! あれ、トキオさん今日は四名様(セット)ですか?」「いや、こちらのお2人とは今エレベーターで偶然一緒になっただけです。オレらはいつも通りフリーで」「そうでしたかぁ、失礼ですがお2人は当店初めてのご利用ですか?」「はい」「はい」「ではルール説明だけ先にしちゃいますねぇ。ちなみにドリンクサービスは当店では行っておりませんので、お飲み物をご希望の方はそちらの自販機でご購入下さぁい」(タダじゃないんだ……)(まあ、飲み物屋ってわけじゃないんだからコレでいいのかもね)(それは一理ある!)  おしぼりの提供も希望された方にのみ渡す方式をとっており、そのような雀荘はミサトもユキも初めて見た。とにかく経費を節約している。新しいスタイルの雀荘だった。 ────── 「……はい、ルール説明は以上です。これ以外でご不明な点がございましたらご質問をよろしくお願いしまぁす」(まぁ、ないかな)「大丈夫です」「では、ゲームお待ちの四名様。お待たせ致しました! こちらの卓へご移動下さぁい」 (ついてるわ! いきなり最強との対決じゃないの)(私も足を引っ張らないように頑張るね!) 「井川プロ。お手柔らかにお願いします」「いや、こちらこそ。よろしくお願いします」  そう言って席に座ったゴールデンコンビの椅子の高さが2人の雀力の高さを表していた。 (! この2人…… 椅子が高い)  強いプレイヤーは椅子の高さひとつから違いが分かる。自分の手などは常に
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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第六話 TKOのトキオと隠密ミカゲ

39. 第六話 TKOのトキオと隠密ミカゲ  初戦はトキオの見せ場だった。「ロン」「ツモ!」「ツモ」「ロン」「ツモ!」(これは強いわ。圧倒的ね)「調子いいわね、トキオ」「そういう時は大抵ミカゲが調子悪いからあとでメシおごらされて結局チャラで終わるんだけどな」  たしかに、ミカゲさんは今回ダンラスで飛んでいた。 (差し込みとかはしてるのかな?)(この人たちはそういうのはやらないんじゃない? だいたい低レートでそんな反則をわざわざやるとも思えないし) 「優勝は金田さんです! おめでとうございます! それでは次回ゲーム代よろしくお願いします!!」 (トキオさんはカネダトキオっていうんだね、覚えとこう) 「トキオの見せ場というか、はじめましての挨拶は終わったから次回は私の出番ってことでいいわよね」「よくねーよ。また勝ちに行くからな」  この店には上限点数での途中終了は無い。今回トキオは62000点トップだった。60000点終了のルールがあれば上限点数で飛びやオーラスを待たずにもっと早く終わっていたのだ。  チャンスとみたら最大得点を作り出し突き抜けたトップとなる攻めの麻雀。それをトキオは得意とした。それゆえついた通り名が名前をもじって『TKOのトキオ』と呼ばれていた。 テクニカルノックアウトのトキオとはなんとも強そうな名である。さすが、新宿最強と言われるだけのことはあった。  ちなみに、情報提供してくれたおじさんの話によるとミカゲの二つ名は『隠密ミカゲ』だったはずだ。ダマテンを得意とし、サッとアガリを拾っていくらしい。 ――すると次の瞬間! 「ロン…」&nbs
last updateПоследнее обновление : 2025-11-09
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