賢吾が場所を移動し、裸となった千尋がのしかかってくる。ちょっと待てと言いたかったが、当然のように腰を密着させてきて、舌なめずりせんばかりのしたたかな表情を目の当たりにして、言葉を呑み込む。止めたところで無駄だと、一瞬にして悟ってしまった。長嶺の男がこんな顔つきになったとき、和彦は捕食されるしかないのだ。 賢吾に愛されたばかりで、物欲しげにひくついている内奥の入り口に、千尋の欲望が擦りつけられる。興奮しきったそれを押し込まれたが、なんなく受け入れていた。 深々と繋がってから、千尋が大きく息を吐き出す。「まだ和彦の中、ビクビク震えてる……。刺激強すぎ」「俺のおかげだな」 傍らで余計なことを言った賢吾に、簡単に千尋は煽られる。「抜け駆けしやがって」「されるほうがマヌケなんだ」「……人の上に乗りかかりながら、父子ゲンカなんてするなよ」「しないよ。それより――」 耳元に顔を寄せてきた千尋にあることを囁かれ、和彦は素直に従う。千尋の背に両腕を回すと、賢吾の大蛇にしたように、犬を撫でる。犬っころなどと呼べるような可愛い存在ではなく、犬の身で人間の姫を自分のものにしてしまった執着の化け物ともいえる物騒な犬だ。 もし稜人と一緒に風呂に入るとき、この背のものをどう説明するのだろうかと、つい余計な心配をしていると、千尋にぐいっと顔を覗き込まれた。「和彦、誰のこと考えてる?」「心配しなくても、お前のことだ」 露骨に疑いの眼差しを向けられたので、和彦は千尋の髪を手荒く搔き乱す。何をやっているんだかと言いたげに、賢吾が呆れた顔をしている。 じゃれ合うようなやり取りはここまでで、急に表情を改めた千尋に唇を塞がれる。側にいる賢吾が最初は気になっていたが、千尋のしなやかな筋肉の躍動を体全体で受け止めているうちに、和彦はそれどころではなくなる。「ああっ、あっ、あぅっ、千、尋っ――」 内奥深くまで穿たれた欲望が、大胆に円を描くように動かされる。中からの刺激によって、再び和彦の欲望も勃ち上がり、反り返っている。先端から悦びの涙を垂らし始めると
Last Updated : 2026-09-22 Read more