「あー……。相性が悪すぎるから、か。いざというときに殴り合いでも始められたら困るもんな」「いえ、俺はそんなに粗暴じゃないので。こいつじゃあるまいし」 小野寺に悪し様に言われても、加藤は言い返さない。「まあ、粗暴でも性悪でも、ぼくの前で取っ組み合いをしないなら、別にいいんだ。今のところ君たちはきちんと仕事してくれているわけだし」「性悪って、もしかしてそれ――」 短く噴き出したのは加藤だった。小野寺がカッとしたように詰め寄ろうとしたが、寸前で和彦は腕を引っ張る。「よし、欲しいものは選んだからレジに行くぞ」 小野寺を引きずってレジカウンターに向かうと、むっつり顔で加藤もついてくる。 欲しいものを買ったあとは帰るだけだが、それも味気ない。広い施設内を歩きながら辺りを見回した和彦の目に、ひときわにぎわっている店が飛び込んでくる。何かと思えばアイスクリーム店だ。「今日は特に天気がいいからなー」 ぽつりと洩らすと、怪訝そうに小野寺が振り返る。加藤は、和彦の斜め後ろをついて歩いている。「何か?」「ちょっと休憩をしよう」 二人の返事も聞かず、和彦はアイスクリーム店に突入する。 気温も高めということもあって、客が多いのもう頷ける。少し列に並ぶことになったが、無事にアイスクリームを買うと、休憩スペースに移動して腰を落ち着ける。基本的に無表情の加藤はともかく、小野寺はなんとも不本意そうな顔をしている。「――佐伯先生、俺たちをからかって楽しんでます?」 チョコレートミント味のアイスクリームを一口食べた小野寺が問いかけてくる。ちなみに加藤はコーヒー味だ。「ぼくはそんなに性悪じゃない。つき合ってもらったささやかなお礼のつもりだ。ぼくも食べたかったし」「俺も性悪じゃないです。……男三人並んでアイスを食うって……」「ぼくが一人で食べて、君らが側でじっと眺めているほうが、周りから注目を浴びると思うぞ」 不承不承といった様子で小野寺はもう一口食べる。和彦は抹茶味のアイスクリームを
Huling Na-update : 2026-10-02 Magbasa pa