「あっ、あっ、千尋っ、も、う……、ドアを閉めて、くれ――」 「三田村の仕事を奪ったらダメだよ。その男は、何があっても先生を見守る仕事をオヤジから与えられたんだ。俺が先生に危害でも加えない限り、そうやってただ見守るだけだ」 これが千尋なりの、父親への反抗であり、執着心の表し方なのかもしれない。 バカなガキだと思いながらも、和彦は千尋に対して怒りは覚えないのだ。 和彦は三田村から目を離さないまま、内奥を強く抉られて絶頂に達する。 「うっ、うぅっ、い、い……、あっ、イクぅっ……」 ふっと一瞬、意識が遠のきかける。それぐらい、よかった。恥知らずな声を上げて、勢いよく精を迸らせる。多分、ドアにも精がかかったはずだ。少し遅れて千尋に背後からきつく抱き締められ、若々しい欲望が内奥でビクビクと脈打ち、熱い精をたっぷりと注ぎ込まれた。 「んっ、んああっ……」 不快さと快美さを同時に味わい、和彦は鳴かされる。荒い息をつきながら、千尋が耳に唇を押し当ててきた。 「……いっぱい出しちゃった。先生の中、相変わらずよすぎ」 しっかりと和彦を抱き締めた千尋が次の瞬間には、ふてくされたような声で三田村に言った。 「オヤジに言っておけよ。――先生は、俺がしばらく預かる。あんたの好きにはさせないって」 三田村は何も言わなかったが、和彦に視線を向けてくる。息を喘がせながら和彦は、小さく頷いて見せた。今の千尋は、三田村の説得になど耳を傾けないと思ったのだ。それどころか、ますます意固地になる可能性がある。 和彦の意図を察したらしく、三田村はドアとの隙間に差し込んでいた爪先をスッと引いた。 「――先生に傷はつけないでください。うちの組の経営活動に関わる方ですから」 「バカ息子の俺より、よほど価値があるよな、先生は」 三田村の言葉にそう皮肉で応じた千尋は、片腕で和彦を抱き寄せながらドアを閉めた。**** 今の自分は軟禁状態といっていいのだろうかと、テレビのリモコンを手に和彦は首を傾げる。それにしては、あまりに緊迫感がない。 キッチンに視線を
Last Updated : 2025-10-23 Read more