「亜美、里美(さとみ)とはただの遊びだよ。あんな見栄っ張りで俗物な女、俺が好きになるわけないだろう」 「好きじゃないのにイチャイチャして、ジュエリーまで買いに行ったじゃない」 「買ってないよ。あれは彼女を騙すためのフリだったんだ」 翔太は亜美の両手を強く握りしめた。 「亜美、男なら誰でも一度はやらかすような過ちを、俺もやっちまっただけだ。二度としないと誓うよ。だからさ……頼む、許してくれない? 俺が結婚したいのはお前だけだ。お前と子供を作って、一生添い遂げたい。本当だ」 音には、それを聞いた亜美がどう思ったかは分からなかった。 ただ、自分自身はもうこれ以上、一言も聞いていられなかった。 彼女はきびすを返し、仕事部屋に戻った。 だが、亜美はやはり翔太というクズ男に惚れ込みすぎていた。 喧嘩をしても、少しご機嫌をとられればすぐにほだされる。あんな決定的な浮気でさえ、言いくるめられてしまったようだ。 翌日。 音は亜美の晴れやかな顔を見て、二人が完全に仲直りしたのだと悟った。 彼女は呆れ果て、無力感と共に首を横に振った。 何か言おうとしたが、言葉が出てこなかった。 亜美も、自分が音を呆れさせていることに気づいていた。 多少の気まずさを感じているようだ。 彼女は音の袖を小さく引っ張り、上目遣いで言った。 「音、嫌いにならないで。あの時、職場の嫌な奴らを翔太が追い払ってくれた時から、私、彼にすっかり惹かれちゃったの。本当に彼が好きなの。もう一度だけ機会をあげたいの」 「もしまた同じことをしたら?」 音は諭すように言った。 「亜美、人の本性はそう簡単に変わらないわ。一生に関わることよ、本当にそんな大きな賭けをしていいの?」 「賭けてみたいの」 「後悔しない?」 「しない。もし彼に裏切られたら、その時は自分の運が悪かったって諦めるわ」 音は彼女の瞳に、真剣さと揺るぎない決意を見た。 もういい。 人の縁は天が決めるものだ。ただの他人にすぎない自分が、とやかく口出しできることではない。 「分かったわ。あなたがそれでいいなら」 「ありがとう。やっぱり音は優しいね」 亜美は嬉しそうに笑った。 「じゃあ、行ってくるね」 「どこへ行くの?」 「翔太が内見に連れて行
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