宗也は答えた。「信じるよ」「夏川美咲さん、ご同行願えますか」美咲の顔色がさっと変わった。彼女は本能的に一歩後ずさり、すがるような目で宗也を見た。「宗也、助けて……私、こんなにあなたのこと愛してるのに、どうしてこんなことするの……」「愛してくれたことには感謝する」宗也は表情ひとつ変えずに遮った。「だが、お前の愛は毒が強すぎる。重すぎて、俺には受け止めきれない」「宗也、ごめんなさい……」「謝る相手が違うだろう。一番ひどい目に遭わされたのは美月だ」美咲は悔しさを噛み殺したが、迫りくる刑罰を思えば逆らう余裕もなかった。美月の方へ向き直り、頭を下げる。「お姉ちゃん、ごめんなさい。私が間違ってた」「ねえ美月、美月だって反省してるのよ。どうか許してやって」八重が美月の前に駆け寄って膝をつき、スカートの裾にすがりついた。「美月、母さんの躾が足りなかったわ。こうしてお願いしてるの、どうか……」「結構よ」美月がその手を払いのけた。「あの頃、あなたが私の家庭を壊して母を追い詰めたことはまだ何も清算してないのよ。自分の心配でもしたら?」八重は言葉を失った。顔から血の気が引き、両手が力なく落ちた。この話になると、長義もさすがにばつが悪いらしい。彼は八重と美咲を見やった。どう見ても、今回は逃げようがない。わざとらしく咳払いをひとつして、警察官に促した。「連れて行ってくれ。早く頼む」「あなた……」「お父さん……」八重と美咲は一瞬で取り乱した。一番身近な人間にまで見放された――もう終わりだ。二人は口々に許しを乞いながら、連行されていった。廊下がしんと静まり返った。音が足早に歩み寄り、美月に声をかけた。「美月さん、まだお体が本調子じゃないんですから、早くベッドに戻ってください」「そうだ美月、早く横になりなさい」長義が調子を合わせるように言った。「安心しろ。あの二人のことは、絶対にうやむやにはしない」「そうであることを祈るわ」美月は素っ気なく一瞥だけくれると、病室へ足を向けた。長く立ちすぎていたのだろう。一歩目で膝が崩れ、そのまま倒れかけた。咄嗟に支えたのは宗也だった。「気をつけろ」「……ありがとう」美月が感謝の目を向ける。「気
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