Semua Bab 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした: Bab 81 - Bab 90

92 Bab

仕事が決まった夜

「で、サフィーはそれを引き受けたと?」 夜に宿屋でアプリルから問い詰められていた。 当たり前かもしれないけれど……事実上怪しいことを引き受けている状態だから。 二週間不在となる露店の店番って。 その人が逃げたと思われても、仕方ないし。「うん……」 私は肯定するしかなかった。 下手をすれば、学院でアプリルを陥れようとした以上に危険な事だから。「確かに仕事よ。頼まれたことを引き受けるって」「もうお金も貰っちゃったから」 私はニコラさんから貰ったお金を見せる。 そこそこ纏まった金額。「結構大金じゃない。どうするのよ」「引き受けたからには、店番をするしかないよ」 これで逃げたらそれこそ信用を失う。 なら、戻ってくると信じて居るしかない。「ええ、そうね。こうなったら、するしかないわね」 呆れながらアプリルはため息をついていた。 どうしようもないのだから。「ロータス、どんな感じだったの? その人って」「ちょっとだけ怪しい感じもありましたが、信用はある程度出来そうでした」 ロータスの話を聞いて、少々訝しんでいる表情をしたアプリル。 直球に近いけれども、私としてもそんな感想。「そうだったの。まあ……頑張って」 ちょっとだけ微笑みながら、エールを送ってくれた。 喜んでいるのか分からないけれど……「ねえ、借りた部分を返してもいい?」 これだけ貰っているから、アプリルから立て替えてもらったのを返したくなった。「そのお金は、その人物が帰ってきてからにしなさい。下手したら返すハメになるかもしれないから」 でもアプリルは受け取らなかった。 手を付けないようにって言っているかのように。「分かった。アプリルは仕事、決まったの?」
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初日の失敗

 翌朝、まだ街が動き始める前。 私は少し早めに宿を出た。 石畳には朝露が残り、空気はひんやりとして気持ちが良い。 緊張で胸がざわついていたけれど、なんとか足は前へ進んだ。「ここ……だよね」 昨日、ニコラさんと話した露店。 布で作られた簡易的な天幕に、木箱がいくつも並んでいる。 乾燥果物、香辛料、小さな工芸品…… いかにも”旅の商人”という感じの品揃えだ。「えっと……札を出すんだっけ」 昨日教えてもらった通り、”臨時店番中”の小さな木札を看板の隣にかける。 朝の光が差し込んで、文字が浮かび上がる。「よし……」 少し深呼吸して、店の前に立った。 気分は少しだけ文化祭に出ている模擬店のようだった。「おや、この店は……ニコラのところじゃないかい?」 最初に来たのは、小柄な老婆だった。「あ……はい! ニコラさんが不在で、今日から私が店番を……」 この方は私が王国で破滅した事を知らない。 やっぱり隣国までは届かないのかな。 だから安心出来るかな。この国で働いていたら。「へぇ……若い子なのに大変だね。じゃあ、この香辛料をーー」 そう言われて、私は慌てて香辛料の袋を取り出した。 けれどーー。「……あれ? 値段、いくつだっけ……」 昨日、ニコラさんに『これはこれね』って説明されたけれど…… 緊張で全部飛んでしまっていた。「あの、ごめんなさい! こっちが……えっと……」 焦る私を見て
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一日目の仕事

 日が昇るにつれて、客も増えていった。「この干し果物、試食出来るのかい?」「はい、どうぞ!」「お、うまいじゃないか! 二袋くれ!」 毎回おどおどしていたけれど、少しずつ慣れていくのが分かった。 子供が駆け寄ってきて、売り物の石を手にしていた。「このキラキラした石、きれい! いくら?」「それは……えっと……これくらいだよ」「おこづかいで買える!」 そう言って笑った子供に、私の胸も温かくなった。 ーーああ。 断罪とか、破滅とか、あの舞台の冬みたいな世界とは全然違う。 ここではただ人と話、人と笑い、人から必要にされている。 それだけで、夢が救われていくようだった。「どう? ちゃんと出来ていますの?」 夕方、店仕舞いの準備をしていると、アプリルが仕事終わりに様子を見に来た。「うん……午前はちょっと失敗しちゃったけれど、でも、ちゃんと売れたよ!」「そう。よく頑張ったわね」 アプリルは珍しく、ほんの少し目を細めて微笑んだ。「サフィー、貴女……”誰かのために動いて、誰かに認められる”ことが好きなのね」「え……?」 まるで私のことが分かるみたいに、話していた。「学院ではあれほど空回りしていたのに、今日はとても自然に見えるもの」 胸がくすぐったくなり、思わず目をそらした。「う、うん……だって、嬉しいんだもの。誰かが笑ってくれるのって……」「ええ。その気持ち、大切にしなさい」 アプリルの声は、砂漠の夜の風よりも柔らかかった。 今日の店番は何とか終わった。「ふぅ……ちょっと疲れたね」 宿に戻り、ベッドに腰を
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ギルドの検査

「よし、今日も頑張ろう!」 翌朝、私は昨日と同じ時間に、宿を出た。 露店の布をめくって、木箱を並べながら深呼吸をした。 昨日よりも人が多い気がする。 緊張で喉が渇くけれど、逃げるわけにはいかない。 ニコラさんの代わりに店番をすると言ったのは、他でもない私なのだから。「今日も……頑張ろ」 朝の日差しに、店先の金属製の飾りがきらりと光った。 今日から店先にはもう一つ看板を置いて。 昨日アプリル達の仕事を聞いて、焦ったから置いてみたものだったり。 少しして、最初のお客さんが来た。 干し果物を手に取りながら。「嬢ちゃん、あのお兄さんは今日も居ないのかい?」「はい。用事でしばらく不在だそうです」「へえ、珍しいねえ。まあいいや、これ三つちょうだい」 思ったより自然に返事が出来て、自分でも驚いた。 どこか、胸の中があたたかい気分になる。 でもその安堵を破る出来事は、突然やってきた。「失礼。商業ギルドの者だ」 影を刺すように、青い外套の男が三人。 胸には商業ギルドの紋章が光っている。 彼らを見た露店街のざわめきがすっと引いた。(……ギルド!? こんな早く来るの!?) 喉の奥がひゅっと縮む。 客だったおじさんが気まずそうに離れていく。「この店の主は?」「えっ……えっと……私が今、代わりを……!」「代理? では”代理人承認書”を見せてもらおう」 承認書なんて……そんなの、もらってない。 ニコラさん、何も言っていなかった。 胸がぎゅっと痛む。「あ、あの……書類は……」「まさか無許可の店番ではない
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マッサージ、最初のお客さん

 ギルドの人達が去った後、昨日と同じようにお客さんがやってきて、品物を買っていく。 お客さんは昨日よりも多いような。 ニコラさんが居なかったから悩んで来なかった人も来ているのかもしれない。「あら、この干し葡萄、前より袋が綺麗ね。あなたが詰めたの?」 主婦らしい女性がやってきた。 私が袋詰めした果物を手にして見ていた。「はい、少しでも美味しく見えるようにしてみました!」 これはちょっと工夫してみたもの。 売れるためには、ちょっとだけ工夫した方が良いと思ったから。「そうなのね、じゃあ二袋ちょうだい。手が丁寧だと信頼できるわね」「ありがとうございます!」 この人からそう言われて嬉しく感じる。 様々な人が買ってくれて心が満たされるようだった。「この香草袋、良い香りがするね」 隣のお店の邪魔にならないけれども、この露店の前を通りかかった人達の足を止めるくらいには、この香草からは良い香りが出てくる。 この女性も立ち止まってくれた。「そうなんです! これって癒されるんですよ」「貴女の雰囲気もあって、買いたくなるのよ」「嬉しいです!」 私は微笑みながら買ってくれた女性に感謝する。「嬢ちゃん、干し肉はまだ残っているのか? 昨日買ったのが思ったより旨かったからさ」「ありますよ! 固いですけれど、長旅にはちょうど良いと思います」「そうそう、それそれ。三つ頼む」 私は干し肉を袋に包んで渡す。「お買い上げありがとうございます!」 旅人が旅の準備として買っていったりしてくれる。 あの砂漠を越えたり、別の場所へ向かったりするから。 お昼までこんな調子で時間が過ぎていった。 少しお客さんが少なくなった時間では、在庫整理を行ったり、香草袋を並べ直したりする。「……肩もみ? 頭のマッサージ? へぇ……珍しいわね」
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次々来るお客さん

 女性が出ていった後、少し様子を見ていた人が話しかけてきた。「さっきの……肩もみ? 結構、気持ちよさそうだったわね」 気になっていたんですね。 この街では、見知らぬ相手にも気軽に声をかける風習があるらしい。「は、はい……良かったら、お試しできますよ」「……今日はやめとくけど、また来るかもね」 女性は行っちゃったけれども、来てくれるのかな。 期待しておこうかな。「すみません、干し葡萄を二袋ください!」「はい、ただいま!」 私は露店の商品を売っていく。 そこからしばらく、商品が売れていく感じになっていた。 まあ、そんな次々と来るわけじゃないですよね。 干し肉を売りながら思いました。 看板を何人かが見ていて、気になっている人が居ない訳じゃないから。 ”気にしてくれている”という事実だけで、胸の奥が温かかった。(うまくいくかも……?) そう思い始めた時だった。「おい、嬢ちゃん。その看板……本気なのか?」 旅人らしい大柄な男性が立ち止まっていた。 結構な装備だから、砂漠を歩いてきたのかな。「はい、ちゃんとやっています!」「昨日の砂漠歩きで肩が死んでいるんだ。ちょっと頼むわ」「どうぞ、こちらへ!」 椅子に案内して、肩に触れた瞬間、固く張り詰めた筋肉が伝わる。 部活でやった時でもここまでは、そう居なかった気がした。「うわ……これは結構……」「おぉ、そこだ! そこが痛ぇんだ……!」 まずは肩をさすって温めたあと、最初の女性よりも強めに揉んでいく。 揉みほぐすたび、旅人の表情がみるみる変わっていく。「&
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夕方の露店

 太陽が斜めに傾き始め、露店通りに長い影が伸びる頃だった。 今日もだいぶ売れた商品を整えながら、私はほっと息をついた。(……こんなに売れるなんて、思わなかったな) 干し果物の箱はもう底が見えているし、干し肉も半分以上無くなっている。 香草袋も、午前は全然出なかったのに、午後に入ると立て続けに そこへーー「……これは、想像以上ですわね」 聞き慣れた、芯のある気品を含んだ声が背中から届いた。「アプリル……!」 振り向くと、淡い旅服の裾を揺らしながら、アプリルが立っていた。 仕事の疲れがあるはずなのに、その赤い瞳は驚きと嬉しさで輝いている。「サフィー、随分と繁盛しているじゃないの。まさか……ここまでとは思いませんでしたわ」「え、えへへ……ちょっと頑張っただけで……」 と言いながらも、褒められて胸がくすぐったい。「サフィーさん! 本当に……すごいです!」 息を弾ませながら、ロータスも駆け寄ってきた。 ワインレッドの髪を揺らし、手には自分の帳簿道具が抱えられている。「見てください、在庫……! もう半分以上減っていますよ!」「う、うん……売れちゃった」「売れちゃった、ではありませんわ。これは立派な”成果”ですわよ」 アプリルは棚の上をざっと確認し、頷く。「商品がなくなり始めたということは、客がついた証です。しかも見てくださいな、通りすがりの人が何度も看板を見ていますわ」 確かに。 看板の前で立ち止まって、覗き込む人が増えている。 午前とは比べ物にならない反応。(すごい……こんなに見られてるんだ)
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三人で見る売り上げ

 宿に戻る頃には、街はすっかり夜の顔になっていた。 石畳の通りには橙色の灯りがともり、昼間の喧騒が嘘のように落ち着いている。「ふぅ……」 部屋に入った瞬間、私は思わず息を吐いた。 身体は疲れているはずなのに、どこか心地よい。「お疲れ様です、サフィーさん!」 ロータスはそう言いながら、窓を少し開けて夜風を入れる。 アプリルは椅子に腰を下ろし、静かに手袋を外した。「さて……本日の成果を確認しましょうか」 その一言で、空気が少し引き締まる。 私は露店で使っていた布袋を、そっと机の上に置いた。 一瞬だけ、私達は言葉を止める。「じゃ、じゃあ……これが、今日の売り上げ」 袋の口を開くと、銅貨と銀貨が控えめな音を立てて転がった。 思っていたよりも、ずっしりとしている。「……思った以上ですわね」 アプリルは一枚一枚、丁寧に貨幣を数えていく。 その手つきは、メイドとして学院で書類を確認していた頃と同じくらい落ち着いていた。「干し果物が一番出ていますね。次が干し肉、香草袋も、伸びています」 ロータスは帳簿を開きながら、素早く計算していく。 こんなに能力があるなんて、一緒にいて頼もしいね。だから学院のメイドとして働いていたのかもね。 紙の上で数字が整っていくたびに、私の胸が少しずつ高鳴った。「……合計すると、日銭としては十分すぎるくらいです」「え、そんなに……?」「そうね。二日目としては、かなり良い売り上げですわ」 アプリルは顔を上げ、はっきりと言い切った。 その声には、評価と安堵が混じっている。「サフィー、貴女はちゃんと”商い”をしていますわよ」 アプリルのその言葉に、胸の奥がじんと熱くなった。 この街の人達に顔を覚えてもらった、この事に私は嬉しくなる。「私、失敗すると思ってた」 ぽつりと零れた本音。 二人は何も言わず、続きを待ってくれる。「ギルドに止められて、怒られて……何も出来ずに終わるんじゃないかって。ニコラさんの露店を潰してしまう事になるのかなって」「でも、終わらなかったですよ! 続いています!」 ロータスが、ぱっと笑顔を向ける。 本当に元気ね、ロータスって。「むしろ、始まった感じです!」 その明るさに、思わず笑ってしまう。「ええ」 アプリルも小さく頷いた。「貴女は今日、”誰かの役に立つ”ことを
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仕入れ先

「在庫《ざいこ》なんだけど、足りるのかしら?」 アプリルは帳簿《ちょうぼ》の内容を確認しながら、私に問《と》いかけた。「分からない。でも難しいかも」 どこで仕入《しい》れたら良《い》いのか分からない。 このままだと在庫切れになるのは、目に見えている。「干し葡萄《ぶどう》も干し肉も、かなり減っていますね」 ロータスは帳簿を見ながら、呟《つぶや》いていた。「だよね」 追加はしていないし。「嬉しい誤算、ですが」「……このままだと、三日も持たない」 売れすぎて、在庫が足りない。「えっ」 ロータルが驚く。 思ったよりも短いから。「ニコラさんが戻ってくるまで、二週間はあるから……」 このままでは、持たせられないということ。「棚、空いちゃう」 私達に沈黙《ちんもく》が流れた。「売れているのに、続けられない……?」「うん。それが、今の現実」 じゃあ仕入れればいいって思うけれども、あの商品がどこから仕入れているのか分からない。「勝手に仕入れをすれば、揉める可能性もありますわ」 そう、私は代わりにしている。 マッサージはともかく、元々の商品を別の場所から仕入れれば、質とかも違うことになる。 いつも買ってくれるであろう人から、クレームになるかもしれない。「だよね」「でも、何もしなかったら、露店は止まりますわよ?」 アプリルに言われ、悩んでしまう。 私自身、商売経験が無かったし。「…………」 少しだけ言葉が出せない。「悩むのは正しいですわ。でも、情報が足りませんわよ」 アプリルはそう述べた。「情報…
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北街道の倉

 夕方、店仕舞《みせじま》いをした後に私は言われた北街道の共同倉へとやってきた。 隣の店主から貰った紹介状を貰って。 街道に面して作られた大きな石造りの倉庫、夕方だけれども。「ここで仕入れているのね」 アプリルがそう訊いてきた。 仕事が終わったから、一緒に来ていた。「そうみたい」 この倉庫は荷車や商人、帳簿係などこの時間においても、ある程度の賑《にぎ》わいがあるようだった。 私はそこへ向かって歩く。「用件は?」 倉庫番らしき男性が訊いてきた。「干し葡萄と干し肉などの補充をお願いしたくて……」「登録番号は?」 私が用件を伝えた途端、即答するように問いかけてきた。 そんなもの、私は持っていない。「……ありません」 私はそう答えるしかなかった。 一気に空気が冷えたような気がする。 アプリルはこの様子をじっくりと見ていた。「登録商人か、正式代理でなければ卸せん」 倉庫番はそう答えた。「私はニコラ・コロシェツの代理です」「証明は?」 言われたから、紹介状を出すことにした。「隣の露店の署名か」「はい。短期ですが店を預かっています」 紹介状を見るけれども、態度は変わらなかった。「……紹介状? 露店主の私文書では通らん」 突っ返すような態度だった。「責任は誰が取るんだ?」 それに対して、私は一瞬だけ言葉に詰まってしまった。「……私が払います」 でも言葉を絞り出す。「焦げついたら、あんたが全財産をはたいても払うのか?」「足りなければ、どんなとこで働いてでも返します」 私は本気でそう伝える。「&helli
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