両手を使って胸元を隠すその姿に、橋本は真顔になる。「そうか……。これがそんなに嫌なのか」「嫌に決まってるじゃないですか。陽さんを感じさせるために、わざわざ持ってきたというのに!」 橋本は喚き散らした宮本の言葉を聞くなり、頬を緩ませて笑いかけた。「よ、陽さん?」「俺は感謝してる。こうやって雅輝を感じさせることができるなんて、思いもしなかった」「やめてくださいよ、本当に」 うんと眉根を寄せながら文句を言いつつ、肩を竦めてこれ以上責められないように、躰を小さくする。「普段俺ばっかり感じさせられて、ひーひー言わされてるんだ。たまにはいいだろ」「よくないですって。それに俺は陽さんに、きちんと感じさせられてますから」「俺だって男なんだ。好きなヤツをとことん感じさせたいって、思っちゃ駄目なのか?」「うっ、それは――」 いつものようにやりこめてから、橋本は責める部分をしっかり見極めながらタイミングを計る。やるなら油断している今だろうと思っても、責めたいところが多すぎて、なかなか手が出せなかった。「ヤバい。久しぶりすぎて、狙いが定まらないなんて」 ローター片手に、視線を右往左往させる。そんな橋本を、困惑を露わにした眼差しで宮本は見つめた。「久しぶりって、なんですか。その嬉しそうな口ぶりは……」「だってそうだろ。こんな機会めったにないし」「俺だって……」「なんだよ?」「もっともっと陽さんを感じさせようと思って、楽しみにしてたのに」 初心な乙女のように胸元を隠しながら、他にもブツブツ文句を言い続ける宮本の唇を、橋本は迷うことなく塞いだ。片手に持ってるローターを手放して、大きな躰をぎゅっと抱きしめる。「んっ、ぁあっ」「雅輝、感じてくれ。俺のこの唇や手や俺の全部を使って、しっかり感じさせてやるから……」「陽さんの声や言葉だけでも、充分に感じてますよ」「ホントかよ?」「本当です。直接触れて、確かめてみてください」 言いながら橋本の顔を、両手で包み込んだ宮本。その顔は見るからに幸せそうで、橋本の心まで幸せになる気がした。「雅輝、愛してる」 何度も告げている言葉なのに、いつも以上に心が満たされているためか、囁きに甘やかさがプラスされる。「陽さん、俺も愛してる」 力強く抱きしめている躰が、呟きと同時に反転させられた。この日はふたり揃って
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