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All Chapters of BL小説短編集: Chapter 171 - Chapter 180

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〇〇しないと出られない部屋!?

久しぶりに、ふたりの休日がそろった前日の夜、仕事終わりに一杯引っかけようということになり、陽さんと待ち合わせをした。(いつもは遅刻ばかりする俺が、こうして先に来てるなんて、陽さんは思いもしないだろうな) 待ち合わせ場所に指定したコンビニの雑誌売り場で、車関連の本を手に取りながらニヤニヤしてしまう。頭の中で笑い皺を目尻に作った陽さんが、俺に微笑みかけながら褒めるところを妄想していた。「車のパーツを見ながら、イヤラしい顔ができるとは、雅輝はマジですげぇのな」「げっ!」 背後からかけられた声に、両肩が自然と竦み上がる。「残念。やましい雑誌を読んでたら、ここぞとばかりにツッコミを入れてやろうと思ったのに」「よよよ、陽さんっ!?」「おまえ、驚きすぎだろ。それとも頭の中で、やましいコトでも考えていたのか?」 小さく笑いながら顔を寄せられただけで、いやおうなしに胸がドキドキした。(大好きな陽さんの格好いい顔が傍にあるだけで、痛いくらいに胸が高なってしまう。未だに慣れないなんて)「雅輝、図星なんだろ?」「違いますよ。そうじゃなくてですね……」「うん?」 照れまくる自分の顔を、どうしても見られたくなかった。持っていた雑誌で、目元の下まで覆い隠しながら、しどろもどろに話しかけてみる。「珍しく、俺が先に来ていたでしょ?」「そうだな。変なことがおこらなきゃいいけど」「陽さんにその――。褒めてもらえたら嬉しいなんて思っちゃって」 俺のセリフを聞いた陽さんが、パチパチと瞬きをしたのちに、すっと顔を遠ざけた。「なーんだ、そんなことかよ」「そんなことなんて……」 車の運転以外で陽さんに褒められることがない俺にとっては、そんなことではなかった。「じゃあこのあと飲みに行ったあとは、何もせずにそのまま就寝でいいんだな?」 形のいい口角を意味深に上げた恋人が、さっさと背中を向けて、コンビニから出て行く。「待ってくださいよ。これ買っていきたい!」 慌ててレジに向かった俺を、陽さんは店の外から呆れた顔で眺めたのだった。
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〇〇しないと出られない部屋!?2

☆☆☆ コンビニで買い物をしている恋人を置き去りにしないように、橋本はゆっくり歩いた。何の気なしに空を見上げると、さっきまでキラキラ瞬いていた星がまったく拝めない状況を目の当たりにして、眉根を寄せる。(なんとなーく空気が湿気ってるっつーことは、ひと雨くるかもしれないな)「陽さん、お待たせしました。わっ!?」 隣に宮本が並んだ途端に、バケツをひっくり返すような雨が降りだした。橋本は慌てて、着ているジャケットを頭にかぶった。 買ったばかりの本で雨をしのいだ宮本が、とあるところに指を差しながら大声で話しかける。「あのビルの下まで、ダッシュしませんか?」 雨宿りするのにちょうどいいひさしがあったので、頷く間もなく走った。「いやぁ参ったな。ゲリラ豪雨かよ」「さっきまで、雨の気配はなかったのに。すぐに止むといいですね」 頭にかぶっていたジャケットを腕にかけてから隣を見ると、宮本がじっと何かを見つめているのに気がついた。「雅輝、どうした?」「陽さんの横にある真っ黒い扉、何のお店なのかなって。金のドアノブだし、黒い扉もちょっとした彫り物がお洒落に施されているから、隠れ家的な飲み屋さんみたいなお店だったりして」 その言葉を裏付けようと、辺りをきょろきょろ見渡してみたが、看板らしきものは見当たらなかった。「看板が出せない、アダルトグッズの店だったりしてな」 橋本のセリフに、宮本が生唾を飲んだのがわかった。「冗談だって、真に受けるなよ」「とりあえず、なんのお店か確かめてみましょう」 橋本が止める前に、宮本の手がドアノブを掴んで扉を開けた。中から光が溢れて、ふたりを照らした次の瞬間――。「「うわっ!!」」 後ろから誰かに強く押されて、扉の中へと強制的に入れられてしまった。 強引に押し込まれたことで、このまま閉じ込められることを想定し、素早く身を翻した橋本の手が、すんでのところでドアノブを掴み損ねる。扉が閉まると同時に、ガチャンと鍵がかけられた音が耳に聞こえた。「くそっ、誰の仕業なんだ……」 言いながら橋本が室内に視線を飛ばすと、宮本が「陽さん、あれ」と震え声で話しかけつつ、どこかに指を差す。「……マジかよ」 真っ白い壁に垂れ幕が掲げられていて、そこには『ふたりがイくまで出られません』と、布地に大きなピンク色の丸文字がプリントされていた。
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〇〇しないと出られない部屋!?3

「この部屋、そういうことをするために用意されているみたいですよ。ベッドの傍に、いろんな道具が置かれていますし」 部屋の中央に、キングサイズのベッドがどどんと置かれていて、その横には長机が設置されていた。「どれどれ。箱ティッシュにゴム、ローションとエロ本、真っ赤な蝋燭と鞭に……。うわっ、他にも使い方がわかんねぇアダルトグッズが用意されてるとか、笑うに笑えない状況だな」 橋本は腕にかけていたジャケットを、無造作に足元に放った。「陽さん、まさかこのまま……」「やるわけねぇだろ。これは言わば監禁だ、思いっきり犯罪なんだよ雅輝」 首を軽く揺すりながら屈伸をはじめた橋本を見て、宮本は思いっきり顔をひきつらせた。「監禁されたのは理解するけど、だからってそれは駄目だってば」「このまま大人しく、黙ってイイコトするわけにはいかねぇな。あの扉をぶっ壊して、絶対外に出てやる」 鼻息を荒くしながら、勇んで扉に向かいかけた橋本の肩を宮本が強引に掴み、遠心力を使って後方に投げ飛ばした。力まかせに引っ張られた躰が、ベッドに飛ばされる。「おい雅輝、なにすんだ!」 宮本は起きかけた橋本の上に跨り、上半身をぎゅっと抱きしめた。「あの扉に喧嘩を売っちゃ駄目だよ、陽さん」「は?」「普通の扉じゃないと思う。だって、すごく重たかったんだ。蹴ったりしたら、陽さんの足が壊れちゃうよ」「そんなに、重たかったのか?」 トラック運転手の宮本が言うせいで、妙な説得力があった。「うん。金属でできてると思うレベル」 意気消沈したようなセリフに、橋本は脱力して身をまかせた。「だったら、ここからどうやって脱出すればいいんだ? 俺は嫌だぞ、こんなところでイくなんて」「でもイかないと、出られないじゃないですか」 正論を言った宮本を宥めるために、橋本は大きな背中を撫でながら口を開く。「いいか、イかないとここから出られないということは、誰かが俺たちを監視してるってことなんだぞ」「確かに……」「野郎のまぐわってるところが見たいなんて、悪趣味にもほどがあるだろ」「うんうん。陽さんのイく顔は、俺だけのものですしね!」 くしゃっと瞳を細めて笑みを浮かべる宮本の危機感のなさに、呆れ果てそうになって、どうにも返事ができなかった。「とはいえ、イかないと出られないんですから、いっそのことオナってみま
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〇〇しないと出られない部屋!?4

宮本の発言に、橋本がうんと嫌そうな表情を浮かべた。「あれ? 俺ってば、間違ったこと言っちゃいました?」「俺が誰かに盗撮されてると言った時点で、カメラの存在をまったく意識しない、雅輝の考えが信じらんねぇよ」 宮本の背中に回していた両手を肩に移動させて、静かに押しのける。すると素直に橋本の躰の上から退いてその場に立ち尽くすと、きょろきょろしはじめた。「この狭い部屋の中のどこに、カメラがしかけられているんでしょうね」「イくまで出られないところを考えると、ベッドが映るように設置されていると思うんだ」「むぅ? するとあの辺りになるのかな」 橋本が目をつけた場所に勇んで行く宮本を見、慌ててベッドから起き上がって追いかけた。「どこかな、どこかな?」「おい雅輝、楽しんでないか?」 口元を綻ばせながらカメラを探す宮本に、橋本は心底呆れながら問いかけつつ、隠されてるっぽい場所に手を伸ばす。「あっ、陽さんってば、そこ俺が次に探そうと思ってたところなのに」「ひとりで探すよりふたりで探したほうが、早く見つけられるだろ。いちいち文句を言うなって」 肩を寄せ合い、わいわい言いながら探しているときだった。横にある扉から、ガチャンという音が聞こえてきた。「……今の音、なんだ?」 探す手を止めて扉に視線を飛ばした橋本の質問には答えず、神妙な面持ちをした宮本は立ち上がり、ドアノブを握って扉を引いてみる。「鍵を開けてくれたみたいっス」 すんなり開いた扉を見せながら宮本が答えると、橋本は首を傾げながら口を開いた。「俺たちがカメラを探すのを見て、諦めてくれたんだろうか」 床に放ってあったジャケットを拾い上げ、肩を竦めながら扉に向かった橋本とは対照的に、なぜか宮本は室内の中央に戻り、あちこちに視線を飛ばす。「おい雅輝、さっさと出るぞ。じゃねぇとまた、閉じ込められるかもしれないだろ」「あっ!」 壁に貼ってある紙に指を指すなり、走りよって紙の下のほうに顔を寄せた宮本の行動を止めるべく、橋本は扉を大きく開け放ってから、渋い表情で近づいた。「雅輝ってば、人の話を――」「俺たちが解放された原因は、きっとコレっす!」 興奮気味に言うなり、小さく書かれている文字を指でなぞった。
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〇〇しないと出られない部屋!?5

「あ~? なになに。『ただし異性のカップルに限る』って、確かに異性のカップルじゃねぇから、さっさと退出しろってか。だったらなんで俺らを閉じ込めたんだ?」「ゲリラ豪雨のせいで、俺たちの姿がちゃんと確認できなかったんじゃないですかね」 うんざり顔をした橋本に、宮本はカラカラ声をあげて笑った。「それよりも残念でしたね、陽さん。誰かに見られながらイケなくて」「アホか。そんな趣味、持ち合わせてねぇって。さっさと出るぞ!」 ノロノロしている宮本を置き去りにした橋本は、変な部屋から飛び出すように外に出た。さきほどまで降りしきっていた雨はあがり、雲の隙間から星が見え隠れする。「ま~さ~き~、置いてくぞ」 無理やり監禁されたというのに、名残惜しそうに振り返る宮本の頭を、橋本が思いっきり殴った。「痛っ!」「また閉じ込められたいのかよ?」「そうじゃなくてですね、たまには違う場所で、陽さんとエッチがしたいなぁと思いまして」 煌びやかな繁華街のネオンに向けられた足が、その言葉でぴたりと止まった。「なんだそりゃ?」「ねぇ陽さん、お酒とかコンビニで買って、ホテルで一泊しましょうよ」「そんなの別に、家でもいいだろ」「言ったでしょ、たまには違う場所でシたいんだってば」 橋本の耳元に顔を寄せた宮本が、誘うように吐息をかけて煽りはじめる。しまいには双丘の微妙なラインに、宮本の片手が触れる始末。「おい、こんなところで変なことやめろよ」 お触りする悪い手を掴み、ギリギリと捻りあげたというのに、宮本は痛い顔をまったくせずに、眉根を寄せた橋本に語りかける。「陽さんがエッチになってるとこ、今すぐ見たいんだけどな」「家に帰るまで我慢しろ」「我慢できないから、こうやって交渉してるんだよ。お願いっ!」 宮本の空いた片手が橋本の後頭部を掴み、逃げられないように固定する。あっと思ったときには、目の前に顔が迫っていた。
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〇〇しないと出られない部屋!?6

唇の隙間から強引に差し込まれた舌が、橋本の舌にいやらしく絡み、卑猥な水音をたてた。 バコンっ!「いった~!」 宮本はしゃがみこみながら、橋本に殴られた頭に手をやり、うんうん唸った。「夜とはいえ、人目のあるところでのスキンシップはやめろって、いつも言ってるだろ!」 橋本の激しい怒声が闇夜の街中で虚しく響き渡り、宮本は眉根を寄せながら肩を竦める。「だって……」「中坊じゃあるまいし、理性のコントロールもできないのかよ」「陽さんが、可愛すぎるのがいけないんだ……」「なんだって!?」 顔を逸らしながら呟いた宮本の言葉は、橋本に聞こえなかったらしい。その後も糠に釘のようなやり取りが、数回続いたのちに――。「雅輝、反省したのかよ」「しました、一応……」「一応だと?」「きちんとしました、ですっ!」 痛む頭を撫でつつ立ち上がり、涙目でじっと見つめる宮本に、橋本は明後日のほうを向きながら口を開いた。「反省したのなら、おまえの言うことをきいてやってもいい……」 蚊の鳴くような小声に目を輝かせながら、マッハで反応した宮本。橋本の右手を握りしめるやいなや、ホテル街と思しき場所に引っ張る。「やっぱり陽さんは優しいな」 弾む足取りの宮本とは裏腹に、橋本は引きずられるように歩いた。「コンビニに寄ることを忘れるなよ。日頃の憂さ晴らしを兼ねて、飲みまくってやる!」「分かってますって!」 当初の目的とは違うデートになったふたり。さてさて、このあとはどうなるのでしょうか!?
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〇〇しないと出られない部屋!?7

***(雅輝のヤツ、何を考えているのやら。どうにも嫌な予感しかしねぇ……) コンビニに寄ってから、ホテルにチェックインしたふたり。一緒に風呂に入ろうと誘いをかけた橋本の言葉を「見たいテレビがあるので、お先にどうぞ」と言って堂々と断った宮本に、不審感がつのってしまった。「自宅とは違って風呂が広いのによ、せっかくの機会だっていうのに」 宮本が見たいテレビといえば、アレしかない。「アニメが一番、俺二番ってか。笑うに笑えねぇ……」 足が伸ばせる広いバスタブ。橋本は腕を組みながら、なぜか正座の状態で浸かっていた。 自宅以外で久しぶりにおこなう行為に、自ずといろんな妄想をした。普段しないような体位で感じさせられ、卑猥な喘ぎ声をあげる自分――。「いっそのこと、俺が雅輝を掘ってやろうか」 時間が経つごとにムラムラする気持ちが、イライラに変化した。ひとりきりの大きな風呂は、無駄にだだっ広く感じられてしまい、マイナス感情に拍車をかける。(くそっ! これだったら、家に帰って寝たほうがいいだろうよ!) 苛立ちまかせに立ち上がり、怒り心頭のままバスルームから出る。すると入れ替わるように、宮本が中に入っていった。「ちっ、なんだよ。声くらい、ひとことかけろってんだ」 宮本がさっさとバスルームの中に消えたため、橋本の呟きは聞こえていないというのに、うだうだと文句を言ってしまう。ホテルに着いてからというもの、宮本と微妙な距離を感じてしまい、言い知れぬ寂しさがそうさせたのだった。
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〇〇しないと出られない部屋!?8

*** 宮本が風呂から出ると、橋本がひとりで先にビールを飲んでいた。中身が空けられたらしいビールが1缶テーブルに置かれていて、2缶目をぐびぐび飲みながら、お笑いが流れるテレビに見入る姿に、内心焦りまくるしかない。(ふたりで飲もうねって500mlの缶ビールを買ったのに、ひとりで飲んじゃうなんて。陽さん、俺よりもお酒弱いのに)「ひっ、ひとりで先にはじめるとか、ズルいんですけど!」 宮本としては文句を言ったつもりだったのに、告げた言葉が上擦ったせいで、効力がまったくなかった。橋本は不機嫌満載な顔をそのままに、じろりと恋人を睨む。「しょうがねぇだろ。風呂上がりで喉が渇いたんだから」「それにしては飲みすぎ……」 籐の椅子に、足を組んで腰かけている橋本。腰に巻いたタオルからのぞく長い足だけじゃなく、アルコールのせいで若干肌が桃色に艶めく胸元も、妙に色っぽく見えた。 橋本が激昂していなければ、すぐにでも手を出すところなのに、それを押し止めるのはひとえに、この関係を崩さないためだった。「雅輝、勃起すんの早っ」 宮本の顔から視線を落とした橋本に、ズバリと指摘され、慌てて前を隠すがすでに遅し。同じ格好をしているため、これ以上の隠す手だてがなかった。「ひえっ! やっ、これは、そのぅ……」「俺の裸なんて、見飽きるくらい見てるだろうに」「見飽きるなんてとんでもない。忘れないように、網膜に焼きつけておきたいくらいなんですよ!」「なんだそりゃ。説得力ないな」 橋本がカラカラ笑ったことで、場の空気が一変した。「だって陽さんが、魅力的なのが原因なんです。俺のセンサーが反応するのは、正常な証ですよ」 たて続けに説得力のないセリフを口にした宮本に、橋本は心底呆れた。あえて視線を外して、何もない空虚な壁際を見つめる。「褒めたってなにもでないぞ。もちろんサービスもしない」 恋人が興奮する姿を見て、自分も同時にムラムラしていた。それを隠すために、宮本から顔を背けた橋本に向かって、ここぞとばかりに突飛な提案がなされる。「サービスは俺がする!」「は?」
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〇〇しないと出られない部屋!?9

「陽さんには、たくさん気持ちよくなってほしいから」 橋本は背けていた顔をもとに戻し、じと目で宮本を見つめた。「おまえの前戯はねちっこい上に、絶倫ときたもんだから、サービスもほどほどにしてほしいんだけど。じゃなきゃ、俺の躰がもたねぇよ」「むぅ、ねちっこいですかね? 俺の中では普通なんですよ」「雅輝の普通は、一般常識とかけ離れてるからな。前にも言ったろ、おまえの頭のネジは、数本抜けてるって」「頭のネジが抜けてるのと、絶倫は関係ないでしょ?」 きょとんとした宮本を前にして、橋本の表情が苦いものへと変化した。「確かに関係ないけどよ……。ひーひー言わされる、俺の身にもなってくれ」 糠に釘とわかっていたものの、口にせずにはいられず、うだうだ言い連ねる。「ヒーヒーよりも、エッチな喘ぎ声を出してる陽さんを、俺としては見たいんだけどな」 宮本は橋本の腕を掴み、椅子から立ち上がらせると、ベッドに向かって引っ張った。相変わらず冴えない顔をしている橋本を座らせて、枕元に置いてあったブツを、すっと目の前に見せた。「なんだこりゃ?」「監禁された部屋から、ちゃっかりいただいてきました」「なんだと!」 驚く橋本をしり目にパッケージを開けて、中からそれを取り出した。「おまえ、あのときノロノロしてたのは、このせいだったのか」「陽さんがお風呂に入ってる間に、説明書を見て使い方を学びました」「誰かが使ったモノを、俺に使う気かよ……」「安心してください。新品を選んでおきました」 人差し指をぴんと立てながら、いつも以上に流暢に語る宮本に、橋本の口の端が引きつった。「用意周到すぎる。というか、なにに使うんだ?」「なんでも、敏感な部分を刺激するための、小型ローターらしいです」「敏感な部分……」 唸るような声色でオウム返しをした橋本に、宮本は元気いっぱいな口調で喋り倒す。「たとえば、陽さんの乳首とか、ナニの先端とか!」 楽しそうに言い放った宮本に、橋本はうんと嫌な顔をしてみせた。「あやしげなそれを使ってサービスするなんていう、おまえの考えがさっぱり理解できねぇ」「遠慮せずに、俺に身をまかせてくださいね、陽さん♡」 宮本はいやらしい笑みを浮かべながら、小型ローターのスイッチを入れる。目の前の状況に橋本は観念したのか無駄な抵抗をせずに、そのままベッドへと横たわっ
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〇〇しないと出られない部屋!?10

*** 小型ローターの低いモーター音をかき消す、橋本の声。『やぁっあっ…んあっ♡……』「陽さん、ココは?」『や…め…っんん♡』「ああ、本当にもう。可愛いんだから!」『ん…っも…やめろって!』 眉間に深い皺を寄せながら、躰をくねらせてこんなふうに橋本が喘ぐことを、宮本は脳内で妄想していた。それなのに実際の姿は、予想をはるかに超えるものとなってしまった。「陽さん、えっと…感じてるのはわかるんですけど」「雅輝ぃいっ、もっ、いい加減にっ、しろって!」 いつも見惚れる、渋いイケメン具合がまったくないその面持ちに、宮本のテンションがだだ下がりしていく。「ぎゃはははっ! なんの罰ゲームだよ、こりゃ!!」 聞いたことのない橋本の笑い声が、室内に響き渡った。(俺としては感じさせようとして、敏感なところに押し当てているのに、陽さんってばこんなに大笑いするなんて、どういうことだよ!?) 疑問を解消しようと、手にしているローターを難しい顔で眺めてから、自分の胸に押し当ててみた。「ひゃっ!」 微妙すぎるローターの動きを直に感じて、宮本はすぐに肌から離したのだが――。「雅輝、どうしたんだよ」 すぐに異変を察知した橋本が、したり笑いをしながら起き上がり、宮本の手からローターを奪取した。その素早かったこと。何が起きたのか理解できなかった宮本は、ぽかんとしたまま橋本を見つめる。「どうしたと言われても……」 しどろもどろに答える宮本を、橋本は力任せに押し倒して組み敷くと、強奪した例のローターを顔の前に掲げた。「このローターの動きが笑いになっちまった俺と違って、雅輝はどんな反応を見せてくれるんだろうな?」「陽さん、ちょっと待ってくださいっ」「ウヒヒな展開を思い描いていたんだろ? 今俺の頭の中でも、同じことが流れてる」 印象的な瞳を細めつつ、宮本の首筋にローターをそっと押し当てた。「くううぅっ!」「あーあ。大事なところからイヤらしい感じで、先走りが溢れ出てきたじゃねぇか。そんなに感じるのか」「やっ、動かし方がっ、絶妙す、ぎるっ」「だよなー。好きな男を感じさせようと一生懸命に頭を使って、おまえの感じるところを刺激してるんだ。そうなるに決まってるだろ」 ニヤニヤがとまらない橋本は、感じる部分を狙い澄ます。その様子を目の当たりにして、宮本が慌てて胸元を
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