「ぅ、うわぁ……」「何を考えてんだ。耳まで赤くなってる」 小さく笑う橋本の声が、耳の傍で聞こえてきた。息を吹きかけて感じさせられたわけじゃないのに、宮本の頬が熱を持った。「だ、だってこんなふうに抱きしめられることがないから、変な感じがして」「だよなー。いつもなら俺の後ろに雅輝が抱きついて、ガンガン腰を動かして――」 それを実践するように宮本を抱きしめたまま、腰を前後に動かす。「よよよ陽さんっ!」「なんだよ。ちょっと振動させただけだぞ」 ぎゅっと抱きしめられたら橋本の顔が真横にあり、意味深な笑みを浮かべているのが目に留まった。「陽さんがするのは、俺と違ってエロさが倍なんですよ。心臓に悪い……」「そりゃ大変だ。雅輝の心臓ってどこだ?」 いつもより低い声で喋る様子で、感じさせる気が満々なのが伝わってきた。胸元にある橋本の両手を、慌ててガシッと掴む。「やめてください。感じさせられることのない俺には、刺激が強すぎます」「それって、問題発言じゃねぇの?」「へっ!?」「俺ってば上の口と下の口で、雅輝を毎回感じさせているはずなのにさ」 宮本の肩に顎をのせながら、じろりと上目遣いで睨んできた。橋本の無言の圧力のせいで、口を開くこともできない。「さっきだって、隣の部屋でしてやったろ」「していただきましたっ。十分に感じさせられましたっ!」「そのくせ、ちょっとしか触ってないのに乳首を勃たせる反応、すげぇ可愛いのな」(顔、全部が熱い。さっきから陽さんに翻弄されっぱなしだよ――) 橋本の両手を握りしめる力が、ちょっとだけ緩んだ。その隙をついて宮本の両腕を掴み、前へと引っ張る。「なっ何を?」「ここにハンドルがあるイメージで、空中を掴んでみろ」 言われたとおりに両肘を曲げて、いつものセットポジションをとってみる。エアハンドルを握りしめた手に、橋本の両手が覆いかぶさってきた。「しょうがねぇな。お触りじゃなく、言葉で雅輝を感じさせてやる。ぐずぐずにしてやるから、覚悟しろよ」
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