「どれどれ。あ、ホントだ」「橋本は昔っから、大雑把なんだよ。やっぱり変わっていないな」「大雑把でも今まで問題なく、やっていけたんだって!」 カッとして顔をあげた橋本を、野木沢はニヤニヤしながら眺めた。「傍で友達に補助されていたから、問題なかったというのに。宮本様も大変ですね」「あー、その…俺もそこまで細かくないので、陽さんの補助は、きちんとできていないと思います」「橋本よりは細いってこと、思いっきり暴露しちゃったね」 ぷっと吹き出した野木沢に、橋本は思いっきりブーたれ、宮本は焦りまくった。「いえいえ! 陽さんのほうが機微に聡いぶんだけ、俺なんかよりもしっかりしてるんです。まいったな……」 後頭部を掻きながら、弱った表情をありありと見せる宮本に、橋本はちょっとだけ躰をぶつけた。「機微に聡すぎて深読みした挙句に、おまえにいらないお節介したのは、どこの誰だっけ?」「これ以上、困らせないでくださいよ!」 見つめ合うふたりを見て、野木沢は柔らかく微笑みながら口を開く。「仲がよろしいですね。そんなおふたりにぴったりな指輪を、僕がデザインしたいのですが」「野木沢……。それって本当にいいのか?」 突然の申し出に橋本は驚き、声を上ずらせて訊ねた。「宮本様と橋本のふたりがいいって言うなら、特別に作ってみたくなったんだ。ここに展示されているものでもいいんだけど、なんていうか……。同性同士だからこそ、いいものを作ってみたくなって」 少しだけ照れながら告げられた言葉を聞いた宮本が、身を乗り出して話しかけた。「俺、陽さんのネクタイピンをオーダーしたときに、想像以上のものを作ってくれたじゃないですか。あれを指輪で作ってくれるのなら、願ってもないチャンスです! お願いできますか?」「雅輝、落ち着けよ」「落ち着けませんっ。俺の話を聞いただけで、ネクタイピンにつける石をピックアップしてくれたとき、ロイヤルブルーのあの石を選んでくれたのは、野木沢さんなんです。感動を通り超して、ぞくっとさせられたんですって!」 両手に拳を作り、熱く語る宮本の肩を叩きながら、橋本は改めて野木沢に向かい合った。「雅輝もこう言ってることだし、俺からもお願いしたい。頼めるか?」「こちらこそ、喜んで引き受けさせてもらうよ。それじゃあ――」
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