朝の光が柔らかく差し込むキッチンで、寧人は一護が作った朝ごはんをしっかり平らげて満足げに息をついた。最近は彼の料理の味にも、家で過ごす時間そのものにも、寧人はどこか深く頼るようになっている。 そして、今日も天気はいい。一護はピタッとした上着に身を包み、出社の準備を整えていた。素材が張りつくように身体のラインを拾うせいで、寧人はどうしても視線を奪われてしまう。「じゃあ行ってき──」 その言葉を最後まで言わせなかった。 玄関のドアを閉めた瞬間、寧人はふっと身体を近づけ、一護の腰を掴んだ。一護が「え、ちょ…」と戸惑う間もなく、彼の呼吸が震えるほどの行為が始まる。「あっ、ん……っ、寧人……遅れちゃ……本当に遅れちゃうって……っ」 寧人の方は、もう抑えきれていなかった。朝から妙に昂っていたのもあるし、あのピチッとした服が悪いのだと心のどこかで言い訳していた。 一護は以前なら絶対に玄関先でそんなことは……と顔を真っ赤にして抵抗しただろう。けれど最近の彼は、寧人に触れられた途端に膝が少し抜けるようになってきている。「ん……っ、あ、あ……っ!」 一護は堪えきれず、寧人の肩を掴んで息を詰まらせた。限界が来ると、慌てて玄関に置いてあったティッシュに手を伸ばし、ぎりぎりのところで抑え込む。「やっ……ば……っ。寧人、ほんと……!」 しかし寧人は間に合わず、その場で自分の息を荒くしてしまう。 二人して床を見て、互いに見つめ合い、なぜか吹き出した。「ごめん……あの服見ると興奮しちゃって……。つい、我慢できなくて一護のが……舐めたくなった」「寧人からそんなこと言うなんて思わなかったよ……。でも……朝から、気持ちよかった。ありがと」 寧人は苦笑しながらティッシュで床を拭く。一護も顔を真っ赤にしながらシャツを整え、呼吸を整えた。 そして二人でエレベーターへ向かう。誰もいないのをいいことに、寧人は背後から一護の腰に手を伸ばし、服の上からそっと触れた。「ちょ、ちょっと……っ。寧人、またそんな……!」「ん……だって、かっこいいよ、その服」「……ねぇ、寧人も自転車にしたら? 体力つくよ」「いやいや、君みたいに若くないし……」「休みの日にサイクリング行こ。もう……用意してあるし」「してると思ったよ……ほんと君は……。じゃあ、気をつけてね」「はい。寧人も、行って
Última actualización : 2025-12-01 Leer más