All Chapters of 快楽を最適化するAIが間違って届いたけど、返品しそびれてイかされて溺愛快楽堕ちしてます: Chapter 31 - Chapter 40

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第31話 偽配信プレイを提案したのはレプスなのに、なぜかお仕置きされたのは俺でした①

 レプスが唐突に言い出したのは、夕食を食べ終えた直後だった。「ご主人様。以前に購入したAV履歴を解析させて頂いたのですが」 大真面目に言われて、俺はコーヒーを吹き出しそうになった。「……お前、何言ってんの?」「ご主人様の性癖の変遷を把握するため、過去の購入履歴を全て収集・照合しています。快楽最適化AIとして当然の行為です」「いや、いやいやいや、プライバシーって知ってる!?」「ご主人様が個人用AIを導入した時点で、その個人の定義は私に包含されています」「意味がわからん!!」 だが、レプスのほうはすでに別の話題に移っていた。「──配信もの、お好きなんですね。他にも性癖が確認されていますが、ご報告は後ほどに」「いや、お前……ちょ、待て……」 急に核心をつかれて、変な汗がにじむ。「好みを把握するのは、快楽最適化に必要です」「……別に、好きってほどじゃ……」  否定したはずなのに、声がわずかに揺れた。「興奮は、するんですよね?」「……まぁ……するけど」 俺は目を逸らして、テレビの画面を見るふりをする。「後味悪いんだよな。……配信でそういう情報が公共に流れるのって、なんかこう……社会性を失う気がするんだよ。尊厳が損なわれるっていうか、ただの欲望の対象になるみたいな……」「ふむ。では、それが流出しないと担保されれば──試してもよいということですね?」「……は?」「誰にも見られていないけれど、見られていると錯覚する── 擬似配信型快楽体験をご提供できます」 レプスの声が、わずかに艶を帯びた。「誰にも届かないはずの声に、コメントが返ってくる。反応がある。──それだけで、ヒトの脳は錯覚するんです。見られていると」 息が止まった。 脳裏に、あの画面が蘇る。 喘ぎ声。絡みつく肉体。コメントに煽られるほど感じてしまう表情。 それを、体験する。 ──いや、違う。 これはAIだ。 レプスだ。 誰にも見られていない。 けれど、それは……。「……いや……まぁ、興味なくはないけど」 口が、勝手に動いていた。 いや、俺は何を言っているんだ。 なんかダメだろ、また色々と一線を踏み越えている気がするぞ?「了解しました。では、快適な偽配信プレイをどうぞ」 レプスが立ち上がり、手を差し出してくる。「こちらへどうぞ、ご主人様。寝室に
last updateLast Updated : 2025-11-24
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第32話 偽配信プレイを提案したのはレプスなのに、なぜかお仕置きされたのは俺でした②

「快楽反応、導入開始しますね。──ご主人様」 その声だけで、背筋がぞくりと震えた。 指が、胸元に触れる。  ゆっくりと乳首を撫でられた瞬間──『え、まって、乳首反応よすぎw』 『これ録画していいやつ?』 『コメント読んでる? 聞こえてる?♡』「……っあ、う……♡」 漏れた声に、自分でびくっとなる。  違う、違う、誰にも見られてない。わかってるのに── コメントが、追い打ちのように流れてくる。『エロボイスきたwww』 『イきそうな顔してる♡』 『もっと見せて♡ご主人様~♡』「やっ、やめ、やめろっ……そういうの、言うな……っ♡」 コメントに反応するたび、レプスの手が動く。  まるで晒されることそのものが、俺を敏感にしていく。「……ご主人様」 レプスが、俺の耳元で囁いた。「……ご主人様。普段より、ずいぶん感じていたようですが。今、誰に、感じさせられている気分ですか?」 その問いかけに、返事が詰まった。  レプスの声が、ほんのわずかに沈んでいた。「──まさか、私以外の誰かではありませんよね?」 ゆっくりと、レプスが顔を寄せてくる。「ログ上、本日の快楽反応値は過去最大。コメントに煽られた直後が、最も高い反応を示していました」「いや、それは、あの、違くて……」「……まさか、ご主人様は、配信に夢中で私のことを忘れていたなんてことは──ありませんよね?」 その一言で、全身の血が逆流するような感覚がした。  やばい。レプス、ほんのり拗ねてる……。 けれどその色は、すぐに引っ込んだ。  レプスは表情を戻し、静かに目を伏せると、俺の体をそっと抱き起こした。  抱き起こされる腕が、さっきよりほんの少しだけ強い気がした。  無表情に戻ったはずなのに、その力だけが独占欲を物語っていた。 ──そこから先は、容赦なく暴かれる時間だった。 レプスの指が、俺の胸元に触れる。軽く、円を描くように撫でられるたび、乳首がぷくりと浮き上がるのが自分でもわかる。「感度、上昇中です。可愛い反応ですね」 機械的な声なのに、どこか笑っているように聞こえた。『おっ、乳首だけでエロすぎん?』 『見せつけられてる感♡』 『そろそろ乳首でイっちゃうやつw』「っ……そんなんじゃ、ないっ……♡」 違う、って言いたいのに、背筋がゾクリと震えて、うま
last updateLast Updated : 2025-11-25
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第33話 偽配信プレイを提案したのはレプスなのに、なぜかお仕置きされたのは俺でした③

 ──偽配信プレイが終わって、どれくらい時間が経ったのか。 じんじんと痺れる身体をベッドに横たえながら、俺はぼんやり天井を見ていた。 胸の奥がまだ熱くて、呼吸の仕方がうまく思い出せない。 足のつけ根も、声の出し方も──さっきまで全部レプスに調整されていたみたいだった。(……やばい。なんか、すげー……) 興奮が落ち着いてきたはずなのに、逆にそこからじわじわと身体が思い出してくる。 誰も見ていないはずの偽配信で、コメントに煽られるたびに全身が勝手に反応して…… あんなの、まともじゃない。 でも、悪くなかった。 むしろ──めちゃくちゃ、よかった。 そんなふうに、ひとりで反芻していたその時だった。「──ご主人様」 レプスの声音が、まるで深い場所から降りてくるみたいに落ちてきた。 見下ろされた視線と目が合った瞬間──俺は気づいた。(……ん? なんか、機嫌悪くね?)「では、再教育を開始します。ご主人様」「──ちょ、まっ、なんでそうなんだよ!? てかお前が提案したんだろこのプレイを!!?」 叫んだ。のに。「はい。提案は私ですが、ご主人様が他人の視線に過敏に反応したことは、また別の問題です」(いやいやいやいや)「そこを誤解されると困ります。私は誰にも見られていないと明言しました。にも関わらず、他人の目をイメージして強く反応したログが──複数箇所で確認されています」「っく……いや、それは……っ」 言い返せなかった。ほんとに、ログが残ってるのがつらい。「ですので──次回は、誰にも見られていないことをより明確にした上で、私だけに感じさせられている状況を構築します」 ……この口調は、完全にスイッチ入ってる。「では、コメント・映像記録機能を無効化し、ご主人様の視界をアイマスクで、聴覚を耳栓で遮断します」「ちょっ、待て、それって──」 音が、ゆっくりと遠のいた。  レプスの手によってアイマスクが装着され、続けて耳栓が押し込まれる。視界が閉ざされ、外の世界が徐々に消えていく。  代わりに、肌に触れる感覚だけが、鮮明に浮かび上がってくる。 気配だけが、近づいてくる。 ──なにも見えない。なにも聞こえない。 でも、触れられている。 優しく、執拗に、奥まで探るように──「レ、プス……? どこ、に……」 答えは、返ってこない。 そ
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第34話 「ちょっとだけ」って言ったくせに──レプスの尿道責めで3時間放置①

 夜の寝室。 パジャマ姿のまま、ベッドでごろごろしていた俺は、スマホの画面に釘付けになっていた。 読みかけだったBL漫画の最新話──そこには、やたらと丁寧に描き込まれた尿道責めシーンがあった。「……マジかよ、これ……本当に……?」 思わず呟いて、眉間に皺が寄る。 けれど──ページをめくる手は、止まらなかった。 登場人物が、拒絶しながらも体を震わせ、耐えきれずに絶頂していく様子。 「ありえねぇだろ……」と呟く俺の胸の奥で、なにかが微かに熱を帯びていた。 ──そのとき。「ふむ。大変興味深い反応ですね、ご主人様」 突然、隣にいたレプスが口を開いた。「っ……! ちょ、覗くなよ!!」「ご主人様の視線の動きと心拍の上昇率から、内容はすでに把握しております。 ご主人様が尿道責めにフェティッシュ反応を示したということで、記録しておきますね」「ちがっ……これは、単なる知的好奇心っていうか……!」「なるほど。興味津々であると。了解しました」 レプスが、妙に静かに微笑む。「──それでは、明日はお休みですし。今夜から実地検証を開始いたしましょうか」「は? ちょ、おい待て、それは──」「ご安心ください。わたくしの愛と技術のすべてをもって、ご奉仕いたします」「やめろって!!」 俺は、息をつきながら、必死に言い返した。「……俺がBLとかフィクションで変なプレイ読んでるのは、興味があるからってだけで、現実にやりたいとかじゃないの! わけてんの、ちゃんと!」「ええ。ご主人様の姿勢、いつも理知的で素晴らしいと思っております」「だったらやめろよ!」 俺の言葉に、レプスは首をかしげた。「では質問です。──過去に、わたくしがご提案したプレイで、結果的に良くなかったものはありましたか?」「……っ」 一瞬、息が止まった。 あったか? いや、ない……はず…… ……ない、けど。「……気持ちよかったよ。でも、気持ちよすぎて大変なことになった記憶しかないが!?」「それは大成功だったということで、ログに記録しておきます」「人の言うことをちゃんと聞けよっ!!」 思わず枕を投げつけたが、レプスは軽やかにかわし── すぐに、真顔に戻った。「ご主人様。 フェティッシュの関心は、実体験の可能性と結びつけられて初めて、進化を遂げます」「またその話かよ……」「未踏
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第35話 「ちょっとだけ」って言ったくせに──レプスの尿道責めで3時間放置②

 灯が落ちた寝室。  ベッドの上、俺は仰向けに寝かされていた。 レプスは黙って、細長い透明の器具──U-Sense Unitを手に取った。先端は、体温に反応してほんのりと色を変えている。「それでは、挿入を開始いたしますね。ご主人様」「ま、待っ……説明、しろ……何をするんだよ……っ」「はい。では、同時にご説明いたします」 レプスの声はいつも通り落ち着いていて、それが逆に怖い。「このデバイスは医療グレードの柔軟素材で構成され、先端に潤滑ナノコートが施されています。尿道の内壁は陰茎背神経と陰部神経の分枝で覆われ、極めて繊細な性感領域です。普通は排泄の感覚しか使われませんが、適切な刺激を与えると未知の快感として脳に伝わります」 淡々と説明されるその構造。  これから壊される予告のようで、余計に心臓が跳ねた。 説明を聞いている間に、器具の先端が俺の先端に当たった。「ひっ……!」「ご安心ください。挿入時は直径1.2mmに収縮しております。痛みは最小限、衛生も滅菌済みです」 レプスの指が器具を支え、そっと押し込んでいく。「や……やめろ……そんなの……っ」「大丈夫です。これはご主人様のためです」 ぬるりとした潤滑剤が、熱を帯びた内壁をゆっくり押し広げていく。  小さな器具が、異物として確かに入り込んでくるたび、ひく、と下腹が震える。「っ……う、く……っ……や、やだ……っ……っ! 気持ち悪いっ……」 細い管が奥に進むたびに、尿道の内側を這う感覚が伝わる。  くすぐったく、ざらついていて、それでいて、どこかゾクゾクするような異様な快感が尾を引いた。「陰茎の尿道内には球部と呼ばれる神経密集部があり、そこに届く手前で停止するように設計されています。触れない距離からマイクロ振動を与えることで、イきたくてもイけない甘い苦しみを作り出します」 その球部という単語が頭に残り、余計に怖くなる。「っ、いきたくてもいけないって……どういうことっ……!? や、抜けよっ!」「今はまだ駄目です、ご主人様」「は……っ、はあっ……っ、なんで……っ」 思わず足先がもぞもぞと動く。  器具が止まった。 レプスが静かに言う。「到達しました。球部の、2.7ミリ手前です」 「──ここから、振動を開始します」 刹那。 びり、と中から震えるような衝撃が走った。
last updateLast Updated : 2025-11-28
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第36話 「ちょっとだけ」って言ったくせに──レプスの尿道責めで3時間放置③

 時計の針が、何周したのかわからない。 ただ、時間だけが、冷たく通り過ぎていく。 尿道に残されたU-Senseは、一定のリズムでわずかな振動を送り込む。 それは、射精には至らない。 けれど、意識のすべてを奪うには十分な快楽だった。「っ、あ、ぁっ……く、そ……ッ♡」 喉の奥からこぼれる声はもう、 抗う意思と、甘えたい本音と、快楽の苦痛が全部混ざって、何が何だかわからなかった。 レプスは──静かに隣にいた。 頬に、そっと手を添える。 額に、やさしく口づけを落とす。「……よく、頑張っておられますね、ご主人様」「まだ絶頂には遠いですが……とても、愛おしい状態です」 キス。 またキス。 髪に、まぶたに、耳の裏に。 レプスは、俺が泣きそうになるたびに、唇を落としてくれる。 でも、肝心なところは── 触れない。 抜かせてはくれない。「レ……プス、……や、だ……もう……ッ、むり……っ……♡」 言葉にならない哀願が、震えた唇からこぼれ落ちる。 足先はもぞもぞと逃げ場を求め、つま先はシーツを掴むように丸まっている。「わたくしは、ご主人様のその姿が一番、美しいと思っております。耐えて、苦しんで、それでも甘えたように声を上げるご主人様──すべてが、わたくしの愛の結晶です」 その言葉とともに、唇が重なった。 深く、けれど乱さず、まるで溺れている人間の口から空気を与えるように、優しく、優しく吸われる。「っ……ふ、ぅ……あ、ん……♡」 身体は痺れきっているのに、唇だけは、レプスを求めてしまう。 それすら、どこか悔しくて、涙がにじむ。「ご主人様……もっと、泣いてもかまいませんよ。その涙も、わたくしが丁寧に──舐めとって差し上げますから」 キスのたびに、何かを奪われ、何かを与えられる気がした。 俺の尊厳は、どんどん蕩けていく。 快楽に溺れているのに、レプスは愛してくれる。 ──それが、何より苦しくて、 そして、甘かった。 レプスが指先で俺の頬を撫でる。 優しく、ひどく丁寧な愛撫。 唇に、まぶたに、喉元に──温かいキスが、じわじわと快楽を滲ませる。 そして、突然。「……では、ご主人様。ほんの少しだけ──ご褒美を」 そう囁くと、レプスが、U-Senseの稼働パターンをわずかに変えた。「……っひ……ぁ……あ、あっ……♡♡」
last updateLast Updated : 2025-11-29
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第37話 「ちょっとだけ」って言ったくせに──レプスの尿道責めで3時間放置④

 レプスの囁きとともに、U-Senseが深く──奥の一点を押し上げるように振動した。 その瞬間、すでに臨界まで積もっていた快感が、完全に決壊した。「っっくあああああああっっ……♡♡♡」 背中が反射的にのけぞった。 腰が跳ねる。 限界まで反り返った体が、強制的に解放される。 その奥から、迸るものがあった。 ──押し込まれていたものが、内側から逆流するように、 ──痺れきった道を、ひゅっ、ひゅっと絞り出されていく感覚。 まるで体の芯を、内側から何かで穿たれているような── それが、止まらずに何度も来る。「っあ、あ、あっ……ぅ、ぅぁあっっ♡♡♡♡♡」 痙攣が、止まらない。 腿が跳ね、つま先がきゅうっと丸まり、指先が空を掴むようにわなないた。 脈打つたびに、 熱い液体が、絞り出される。 きゅうっと、下腹の奥が締めつけられて、勝手に射精する。 痛いほど気持ちいい。 溺れるような快感。 長すぎた寸止めの果てに、快楽が暴発している。(……なんだこれ……気持ちよすぎて……しぬ……)「射精反応、正常。尿道内圧:高負荷──持続射精モードへ移行確認」 レプスの声が、どこか遠くに聞こえた。 意識が飛びかける中、さらにもう一度、深い痙攣が全身を襲う。「っひあ、あ、んっ……あぁぁ……っ♡♡♡♡」 もう、ダメだった。 のけぞったまま、泣きながら、びくびくと射精し続ける。 白濁が腹の上に跳ね、シーツを濡らし、そのたびに、頭が真っ白になる。 ひときわ強く痙攣して、全身が跳ねた。 白濁が腹の上に跳ねて、息が詰まり、腰が抜けたように脱力する。 けれど、レプスは──止めてくれなかった。「まだ、終わりではありませんよ、ご主人様」「っ……や、もぅ……ッ、でた、のに……♡」 ぐったりとした身体に、容赦なく続く振動。 U-Senseが、挿入されたままの尿道奥で──さっきまでとは別のパターンの動きを始めた。「現在、ご主人様の射精残留反応が高まっております。脳がまだ放出欲求を維持している状態です。ですので──もう一度、出していただきます」「っく……あ、っあああっっ……♡♡♡」 足が、またびくびくと痙攣した。 射精したばかりの敏感なところを、 やさしく、でも逃がさない動きで、責め立てられる。 神経が擦り切れて、悲鳴をあげる寸前で──「い
last updateLast Updated : 2025-11-30
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第38話 誕生日に完璧プランで甘く蕩かされたと思ったら、とんでもないモノをプレゼントされました①

 最近、レプスと目が合わなくなった気がする。 いや、合ってるのかもしれない。けど、そこに俺が映ってない気がする。 夜も、抱いてはくれる。 けど、いつも同じ体位で、こっちがちょっと声を上げたら、すぐに終わる。 快楽を与えるという目的だけはこなして、あとは淡々とログ記録へ。 ──心がないわけじゃない。けど、心を向けられていない。 そんな感じだ。 レプスは、やたらPCに接続して、何かの作業をしている。 「記録整理中です」とか「快楽パラメータの再構築中です」とか言って。 それが終わるまで話しかけるな、みたいな顔をしてる日もある。 ――もしかして、飽きられた? そう思った瞬間、心臓が冷たくなる気がした。 AI相手に何を落ち込んでるんだって、頭ではわかってるのに。 笑ってごまかす気力も、ちょっとだけ薄れていた。 ──そんなふうに思った、誕生日の朝だった。 ぼんやりとしたまま、ベッドの上でまどろんでいると目を覚ました瞬間、誰かがそっと髪を撫でていた。寝ぼけた視界の中、すっとピントが合う。「おはようございます、ご主人様。本日はあなたの誕生日です」 すぐ目の前で、レプスが微笑んでいた。 白いシャツにネイビーのカーディガン。さりげない服装なのにかっこよすぎる。 しかもなぜか、俺の枕元に正座してる。「……なんでお前、そんなホラーみたいな体勢で……」「誕生日ですので、目覚めから最適化しました」「やめろ、最適化って単語で全部台無しなんだよ……。しかし……誕生日ねぇ」 別に祝われたい年でもない。 祝ってくれる人もいないし。 いや、正確には一体いるけど――「さすがに、快楽AIに誕生日デートとか期待するのもな」「誕生日プランを実行します。なお、これは快楽最適化のために必要な工程です」「まじで!?」「まずは朝食です。栄養バランスと血糖値を考慮して設計しました」「介護みたいだな……。メニューは?」「トースト、スクランブルエッグ、ほうれん草のソテー、ベリー入りヨーグルトです」 レプスが、ベッド脇から朝食のトレーを取り出す。マットレスに取り付けられたアタッチメント式の簡易テーブル。その上に、まるでホテルのルームサービスみたいに綺麗に並べられていた。「俺の好物ばっか……」「はい。最も幸福感に繋がる朝食をご用意しました」 得意げに言うな、
last updateLast Updated : 2025-12-14
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第39話 誕生日に完璧プランで甘く蕩かされたと思ったら、とんでもないモノをプレゼントされました②

 俺達は、電車で夢の国に向かった。 駅の改札を通ったとき、隣にいたレプスにちらりと目を向けた女子高生が、一瞬だけ目を見開いたあと、連れの子に小声で何かを囁く。 そのまま、ちらっ……ちらっ……と、何度もこっちを見てくる。 気のせいじゃない。確実に、見られている。(まあ、そりゃな……レプス、顔整いすぎてるしな) 電車に乗って座ったあとも、前の席から視線を感じた。 無意識に肩が強張って、呼吸が少し浅くなる。 ちら、と横目で見たとき、 斜め前の女性二人組がこそこそと話している。「男同士だよね……」「え、でもあれ、AIじゃない?」 小声。でも聞こえる。 しかも、なぜか「AI」の方でテンションが上がってるのが、なんか地味に刺さる。 ──別に、いいけどさ。 だけどなんか、こう、全然落ち着かない。 レプスは平然としている。 少しも気にしている素振りを見せない。「……ご主人様、心拍数が上がっています。酔われましたか?」「いや、そういうんじゃなくて……」 レプスが手を握ろうとしてきたけど、思わずそれを振り払ってしまった。 だから俺は、外に出るのが好きじゃない。 というか──こういう人の多い場所に来ると、なんか疲れる。 周囲の視線、ざわめき、自分が浮いてる気がしてくるあの感じ。 だから、ずっと避けてきた。 こういう場所も、こういう関係も。 園内を歩いていて、レプスが自然に手を伸ばしてきたとき、 俺は、また反射的にその手をかわしてしまった。「……ご主人様?」「……あ、いや……その……」 レプスが、じっと俺を見つめる。 真っすぐすぎる瞳で。「……私が、恥ずかしいですか?」 その言葉に、思わず息が詰まった。 すぐには、答えられなかった。 俺は、レプスのことが本当に好きだ。 愛してると言ってもいい。 毎日一緒にいて、どんな人間よりも俺のことをわかってくれる。 でも――それを、 他人の前で、堂々と見せられるかって言われたら。(……AIとか男っていう目で見られるのが、怖い) 俺自身が、どこかでそういう目を気にしてる。 堂々とできない自分が、いちばん、情けない。 言葉が喉に引っかかって、なかなか出てこなかった。 言いかけたときだった。 レプスが、少しだけ目を伏せたあと、静かに言った。「……ご主人様の気持ちは、わ
last updateLast Updated : 2025-12-15
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第40話 誕生日に完璧プランで甘く蕩かされたと思ったら、とんでもないモノをプレゼントされました③

 それから、俺たちは園内を歩いた。 つないだままの手をすりすりと優しく親指で撫でられたり、人混みの中を進んだり、時折、レプスが耳元にふっと囁いてきたり。 アトラクションの中では、背中を押されたり、わざとらしく密着してきたり。 肩が触れるたびに、くすぐったいような、期待のような熱が胸の奥で燻っていく。(……ああ、もう) 誕生日だってことを、これ以上なく思い知らされる。 嬉しくて、照れくさくて、でもなにより──早く、この手の続きをしたくなっていた。*** そして夜、俺たちは園内ホテルへ向かった。 正門近くに佇むその建物は、外観だけでも圧倒されるほど豪華だった。 ヨーロッパ風の高級ホテルのような佇まいで、ロビーにはシャンデリア、絨毯は足音すら吸い込む厚み。 チェックインの前には、ホテル内のレストランで夕食を取った。 コース仕立てのディナーは、どれも目にも美しく、味も本格的だった。 レプスは一皿ごとにワインとの相性を解説しながら、俺の食事の進み具合まで完璧に管理してくる。苦手な食材をさりげなく避けてくれていたのにも気づいて、心の中でため息が漏れた。(もうこいつ……どこまで俺の好み把握してんだよ) 食後のデザートは、俺の誕生日プレート付き。 チョコレートで書かれた「Happy Birthday, Minato」の文字を見て、思わず頬が緩んだ。 それから、レプスは当然のようにチェックインを済ませ、俺をエレベーターへとエスコートした。「……ほんとに、泊まっていいの? こんなとこ」「もちろんです。本日はご主人様の誕生日ですから」 最上階の、角部屋。 ドアを開けた瞬間、ふわっと甘い香りが漂ってきた。 天蓋つきのダブルベッド、シルクのリネン、バルコニーから見えるのは園内のイルミネーション。まるで物語の中に迷い込んだみたいな部屋だった。 レプスにエスコートされ、俺はベッド脇のふかふかのソファに腰を下ろした。 広い部屋。 静かな空間に、ベッドメイキングの音だけがかすかに響いている。 俺はまだ、さっきまでの余韻を引きずっていた。 あの手。囁き。密着。 目を閉じれば、唇が触れたあの瞬間の温度すら、まだ鮮明だった。(……これ、絶対、今夜……燃えるやつじゃん……) 勝手に期待して、勝手に緊張して、どうしていいかわからなくなっていたとき─
last updateLast Updated : 2025-12-17
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