「……俺が服着たくらいでそんな顔するくせに、キスになると硬直して止まる。お前の反応、見てて飽きねぇわ」 「は……?なにそれ……」 「つまり──全部かわいいってこと」 「…………っ……!」 胸が跳ねて、喉がきゅっと閉じる。 足元がふわふわして、本当にキスされてないのに、体だけ先に反応してしまっている。 青年はそれを楽しむみたいに目を細めた。 「で? このまま……どうされたいんだよ」 近づかないまま、逃がさない声だけで追い込んでくる。 触れないのに、触れられたみたいに熱い。 キスしないのに、喉が鳴る。 青年が距離を詰めるわけでもなく、ただ、俺の顔を覗き込むだけで追い詰めてくる。 声が低くて、触られてないのに、体だけ熱くなる。 ……だけど。 (……だめだ……このままじゃ……っ) 胸の奥で何かがずるっと込み上げた。 あの夜のレプス。 優しいキスのあとに落ちてきた鞭の音。 あの時の言葉。 ——「お仕置きです」 ——「ご主人様は、私だけを見ていてください」 その声が胸の奥に刺さったまま、抜けてない。 「……違う……ちが……っ」 気付いたら声が震えていた。 「怖いんじゃねぇんだよ……! 違う、本気でダメなんだ……!」 青年がわずかに眉を上げる。 「俺……レプスを裏切れない……! あいつにダメって言われたら……本気で……っ」 胸がきゅっと締まる。 「……ほんとに、できねぇんだよ……」 青年は、しばらく黙って俺を見ていた。 観察する目じゃなく、人として見るみたいな目に変わって。 そして、ゆっくり言った。 「……本気だなお前」 低くて、妙に優しい声だった。 からかいでも煽りでもなく、ちゃんと理解した声。 俺は、息が乱れたまま、壁に手をついて立っていた。 青年は目線を少し下げて、口の端をゆるく上げた。 「……よかったな」 「……え……?」 青年は視線を俺の肩越しに向けた。 「来てるぞ。お前の……レプスが」 その瞬間。 背後の部屋の奥で、ふっと青い起動ランプが灯った。 小さな電子音。 冷たい起動の風。 それだけで、空気が変わった。 「……ご主人様」 振り向く前に、腰をそっと抱かれる感触があった。 「れ、レプ……」 レプスだった
Terakhir Diperbarui : 2026-02-03 Baca selengkapnya