「いやー、お疲れ様ぁ」「今回も波は越えたな」「ルシーちゃんもお疲れ様!初めてのピークだけど動きすごく良かったよ!大丈夫?疲れてない?」 あっという間に過ぎた1時間。 視界は常にあちこち動いて線のようにになってた気がする。 慌ただしかった空気は落ち着いて、あっという間にお客さんは帰っていって。 まだちらほらとお客さんがいるけど、今は私とエラさん、ヴィラさんでテーブルを綺麗にしている。「えっと、ちょっと目が回りそうでしたが、なんとか……!」「慌ただしさに慣れるまではそうだよねぇ。初めてとは思えないくらい頑張ってたよ!」「まじでなー。テーブルとか覚えるの早いじゃん?どうやって覚えたん?」 眩しい笑顔を見せるエラさんの横で、ヴィラさんは不思議そうな顔を向ける。 確かにテーブルの数は多い。 それでも、ちょっとの事では間違えない自信が私にはあった。 「えっと、テーブルの淵の色で覚えました!入口から1番で、あとはテーブルの淵が色で分けられてるので、そこを見て把握してます」「ルシーちゃん賢い……!」 このお店のテーブルは属性の彫りがされているけど、実は属性によって色が違う。 アグニードは赤、ネレディは青、テラーラは黄色。 更にルミオールが白でノクスィが黒、サルーテは緑、魔素は無色――このテーブルで言えば塗装はされていない。 つまりこれだけ覚えておけば、列を間違えない限りはテーブルも間違えない、という寸法だ。 向きが分からなくなったら入口を見よう。 うん、我ながらとても分かりやすい。「なるほどなー、優秀ぅ。じゃあそんな優秀さんに、これ運んでもらおうかな」「わかりましたっ」「こら、さり気なく仕事投げつけない。いや、お仕事の時間だけど」「よい、しょっと……」 ヴィラさんに積み上がったお皿を手渡され、洗い場へと運んでいく。 お皿は大皿をお盆代わりにかなりの枚数が積み上がっている。 上に行けば行くほどお皿は小さくなっていき、一種のタワーのようになっていた。 これは崩さないように運ばないと……!「おお、お嬢さん、若いのに沢山持って元気だねぇ!」「ふえっ?」 一つのテーブルの横を通り過ぎた途端、声をかけられた。 振り向けばサンタさんみたいに沢山のヒゲを蓄えたおじいちゃんと、片方だけのメガネをかけたおじいちゃんの2人が揃って私を見
Last Updated : 2026-01-24 Read more