長く続く廊下の先を進んでいくと、入口の音は完全に消えて静かになった。 でも、それも一瞬だけ。 静かになったと思った矢先に今度はズダダダダ、と連続する何かを打ち込むような音が聞こえてきた。 次の部屋が近くなってきたみたい。 ネリーさんは「あ、音が聞こえてきたね。もうそろそろだよ」と嬉々とした声で教えてくれた。 「この先はなんですか?」「ここは被服第1工房だね。要は、お洋服を作るところ!」「ということは……」「そ、私のお姉ちゃんの職場だ――よっ!」 案内と一緒にネリーさんは扉を開け放つ。 中では足車式のアンティークなミシンが沢山並んで、1台に1人ずつエプロンをつけた人が座って作業をしていた。 内の手前の壁側、少し奥まった所で一人の女性が服を持ち上げる。 その視線が私達に向いて、声は聞こえなくても明らかに「あ」って言ったのが見えた。 「お姉ちゃんやほー!来たよー!」「…………――来たよ、じゃない!!こっちは仕事中!!!」 ネリーさんが手を上げて挨拶すると、女性が服を降ろしてまっすぐにこっちへ来た。 どうやらこの人がネリーさんのお姉ちゃんみたい。 お仕事の邪魔しちゃったかなぁ……。 「知ってるよぉ。だからそんなお姉ちゃんに、モデルさん連れてきたでしょ?」「わわっ」 「ほら」と背中を押された。 びっくりして前のめりになって、顔を上げたらばちっと視線が合う。 次の瞬間、ネリーさんにお姉ちゃんは目を見開いた。 「その服……カルーチャ……貴女が噂のルシーちゃんね!初めまして
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