「ふふ、ふはははっ……!」たまらず、笑いがこぼれた。まだ──まだ残っていた。 〝王様〟の中に、かつての欠片が。私は鉄格子を握る拳に額を押しつけ、静かに微笑んだ。(すべて、計画通りだ)あの夜、保護房の中で、私は夜明けまで考え続けた。 考えに考え抜いた。どうすれば〝王様〟と引き離されずに済むか。 〝人形〟のように終わらずに済むか。〝人形〟は感情に呑まれ、我を失い、信じるべきでないものを信じたすえ—— 〝王様〟の手を離してしまった。でも私は違う。 同じ想いを抱いていたとしても、私の頭は残酷なほどに冷静だった。いくら時間がかかってもかまわない。 確実に、逃げ切る方法を──そう考え続けた末に、思いついた。 このシナリオを。忠実なフリをして〝先生〟の信頼を得て、彼が油断したその隙に、すべてを奪う。相手は、あの〝先生〟だ。 人に希望を与え、絶望へ突き落とすことにおいて、彼に勝る者はいない。 だからこそ、徹底的に信じさせなければならなかった。あの時、〝先生〟の手を取り、〝王様〟に電気治療を施したのも──そのためだ。彼は、気づいているだろうか? 私がその機械に、ほんのわずかな細工を施していたことを。おかげで〝王様〟は、完全な廃人にはならなかった。 発作を起こすだけの感情の残滓も、留めることができた。今、彼に与えている薬も同じだ。 ごくわずかに配合を変えて、少しずつ、ほんの少しずつ、彼の心が戻ってくるよう仕向けている。細工をするのは、簡単だった。 なぜなら、あの装置もこの薬も、元々は私が開発したものなのだから。〝先生〟程度の知能では、変わっていることにすら気づかないだろう。(本当に、愚かな男だ)〝先生〟は信じ切っているのだ。 〝王様〟のそばにいられれば、それで私が満足すると。『最後まで冷酷になりきれない』 それが、彼自
최신 업데이트 : 2026-02-13 더 보기