ブブブ――スマホが鳴った。真帆からの着信だとわかると、柚香は頭の中いっぱいの疑問を押し込め、それを理由に言った。「真帆から電話。ちょっと出てくるね」「うん」怜人はいつも通り軽い口調で返した。柚香はスマホを持って、そのまま逃げるように部屋を出た。ドアが閉まった瞬間、怜人は苛立った顔でスマホを取り出し、真帆に長文メッセージを送りつけた。【君、頭おかしいだろ!!!なんでよりによって今なんだよ!?一回言い忘れただけで、どんだけ根に持ってるんだよ?!】腹が立ちすぎて、画面を叩く指にも力が入る。今すぐスマホ越しに飛んでいって殴りたいくらいだ。だが真帆はそんなメッセージなどまるで気にしていない。彼女は映画を観ながら、スマホを脇に置いて柚香と話していた。「最近どう?」「結構充実してるよ」「今、電話まずかった?」真帆は彼女の声が少し小さいのに気づいた。柚香は今、自分の寝室にいる。「大丈夫」真帆はいつもの調子で言う。「なんでそんな、こそこそしてるの。浮気中みたい」柚香は真顔で返した。「浮気したことあるの?」「柚香、普通黙るところなんだけど?」真帆は親友のことをよくわかっている。「わざわざ聞き返してくるってことは、何か隠してて後ろめたいんでしょ?」「……」柚香は軽く咳払いした。「そんなにわかりやすい?」「めちゃくちゃわかりやすい」真帆は果物を口に放り込みながら答えた。柚香は黙り込んだ。今日までずっと、怜人は真帆のことが好きなのだと思っていた。二人はいつも言い合いばかりしていて、まるでお似合いのケンカップルのようだったから。かなり昔、怜人が「女は恋愛対象じゃない」と言っていたこともある。しかし柚香は、それを真帆に気持ちを悟られないための苦しい言い訳だと思っていた。実際、これまで彼が特別仲良くしている男性なんて見たことがなかったし。高校時代の「噂の彼氏」を除けば。「何をそんな長いこと考えてるの?」真帆は映画そっちのけで、完全にゴシップモードだった。「怜人に告白された」柚香は言った。「で?」「……驚かないの?」柚香は眉を寄せた。真帆はあっさりしている。「別に驚くこと?」「彼……」そこで柚香は何かに気づいた。頭の中にひとつの可能性が浮かぶ。「あなた、知ってたの?」真帆は
Read more