「やっぱりあなたは、法的な手段で解決するほうがお好きみたいね」安江はそう言い捨てると、そのまま立ち去った。その様子は今にも友人の弁護士に電話して訴訟を起こしそうな勢いだった。昭彦はもう小細工をすることなく、スマホのロックを解除して本当に削除した。新しくなったSNSの画面を手に、そのまま後を追う。その光景を見ていた遥真は、ふと自分の将来が少し不安になった。もし本当に安江が自分と柚香の交際を認めてくれなかったら、妻を取り戻すどころか、その道のりは昭彦以上に険しいかもしれない。だが考え直してみれば。安江は昔から子どもの意思を尊重する人だ。柚香が自分を好きでいてくれて、もう一度やり直したいと思ってくれるなら、きっと何とかなる。「向こうに行こうか。写真を撮ってあげる」一緒にいたいとは直接言わず、自然にやることを見つけた。「あっちのほうが照明も雰囲気もいいから」柚香は陽翔の手を引いて向かった。遥真は写真を撮るのが上手い。柚香や陽翔を撮るたびに、生き生きとした表情を自然に切り取る。シャッターを切るタイミングも構図も申し分ない。撮影はかなり長い時間続いた。普通の写真を撮ったかと思えば、今度はカメラワークを工夫しながら動画を撮る。安江との関係がぎくしゃくしたままの昭彦は、その様子を見ていて何とも言えない気分になった。遥真を見る目もますます険しくなり、ついに足を踏み出して二人のもとへ向かう。「遥真さん、少し話を」「少々お待ちください」遥真は短くそう返した。昭彦は奥歯を噛み締める。「本気で待てと言うのか?」遥真は答えない。そのまま撮影を続ける。昭彦が再び口を開こうとした瞬間、遥真は人差し指を唇の前に立てて、静かにという仕草をした。その光景を見た時也は吹き出しそうになった。「君の社長、マジで肝が据わってるな。どこの婿が義父にそんな態度取るんだよ」恭介は極めて真面目な口調で訂正する。「厳密に言えば、昭彦さんは社長の義父ではありません」「ん?」「彼は柚香さんのお母さんと正式に婚姻届を出していませんし、柚香さんとも正式な親子鑑定は行われていませんので」時也は少し考えてからうなずいた。「それもそうか」恭介はうなずく。時也は、少しずつ空気が和らいできた二人を見ながら、ふと未熟なアイデアを思いつ
Read more