「いや、何、信じられない。ダンテ、私もう帰るからあとは宜しく。」エレナ様は自分の髪に枝毛をみつけたようで驚愕していた。俺は西部の外交を終え、母上が幸せを掴んだところを見届けてあたたかい気持ちになっていた。実は西部の外交はほぼ1回目で終わらせていた、2回目は母上をリース子爵領に連れて行くための口実だった。エレナ様といると振り向いてもらえずイライラしていたのに、最近では彼女と一緒にいられるだけで良いと思ってしまうようになっていた。レオと毎日話していた時は感じなかった、周りに話が通じない孤独が常にあったのだ。前にエレナ様が孤独だったから、陛下に依存したと軽々しく言ったことを後悔した。彼女はどんな話もすぐに理解するし、くだらない話もできて一緒にいて居心地が良かった。「エレナ様、ヘアケアバッチリでも、まず食生活を見直してください。偏食がひど過ぎます。海藻でも食べたらいかがですか?」エレナ様は陛下がいる時はほとんど、彼の執務室に行ってしまうがそうでない時は一緒にられることが多かった。一緒に食事をしていると、そもそも自分の好きなもしか用意させず好き嫌いが激しいことがわかった。そんなところも自分と一緒で嬉しくなった。「私はエレナ・アーデンよ。好きな食事をしているだけ。人を藻食性魚類扱いしないでくれる?」エレナ様は枝毛を気にしながら、堂々と言っているが好きなものしか食べないことを偏食だと言うのだと思う。彼女は、本当に堂々としていて言うことなすこと面白くて飽きさせてくれない。「エレナ様をブダイ扱いはしてないですよ。あなたは俺にとって世界で唯一の女ですから。」これは、俺にとって切実な思いだった。俺は彼女以外が芋に見えてしまう、芋の呪いにかかっているからだ。食事と言えば、厨房に彼女は出入りしていて陛下の食事を徹底管理している。好き嫌いを見せない陛下の些細な表情を見逃さず、陛下の好きなものだけを提供させているのだ。彼女はいつだって興味を見ていて、陛下の評判を気にする割に自分は彼以外からどう見られようと気にしない。俺はそ
Last Updated : 2025-12-11 Read more