All Chapters of サイコな結婚詐欺師の成り上がり: Chapter 51 - Chapter 60

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51.リーザ、エドワードを自分好みの男にしたい。

残念ながら、私は永遠の18歳なので、気持ち的には彼より年下で頼り甲斐のある大人の男が好きなのだ。私が彼に強く惹かれていった部分は彼が私のレオへの接し方を、私を非難することなく伝えてきた大人な対応だ。彼の頼れて賢い大人な部分に惹かれているから、可愛い年下の演技はもうやめてほしいのだ。最初のうちは私を落としたくてやっている演技だし面白かったけれど、好みのものではないのでいい加減飽きてしまった。「確かに女遊びはしてきたけれど、年齢は本当だ。出会った時は20歳で、今は23歳で、会った時から君しか見ていない。」エドワードが必死に訴えてくるが、彼のこの天然さは実は彼の最大の武器だと思った。私は全く彼の年齢を疑っていないのに、彼は急に自分の年齢を熱く訴えてきた。天然過ぎて笑いそうになる。アーデン侯爵令嬢もこの天然さで彼の狡猾な部分が隠されて気が付かなかったのだろう。私は彼の天然さも狡さも好きなので、この部分はこれで良いのだ。「領地の遊び相手は、処理しておいてね。ちなみに、私はもう私だけを見てくれる夫しかいらないの。浮気が発覚したら、あなたも相手も処理するから。ダンテとレオが気づかせてくれたの。子供のために父親は必要だと思ってマラス元子爵を生かしておいたけれど、別にそんな必要もなかったってこと。私が怖くなったら、結婚をやめても良いわよ。」私は本当は彼と結婚をしたい。しかし、結婚とは一瞬の出来事ではなく継続的なものなのだ。「俺、殺しはしたことがなくて、処理をしろと言われてもどうすれば良いのか。リーザしか見えてないよ。浮気はなんか絶対しない。浮気するくらいなら去勢するよ。」エドワードが子犬のような目で縋ってくる。私は誰も殺せとは言っていない、他の手段はいくらでもあるのに思いつかないくらい私を失うと焦っている彼を見るのが快感だ。彼は私がエスパルの平民出身だから殺し合いの中で生き残ってきたから処理するというのが殺せという意味だと判断したのだろう。私はすでにエスパル平民時代の故郷のことは、その時学んだ殺傷技術だけ盗んで捨ててきている。実は故郷に愛
last updateLast Updated : 2025-12-21
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52.リーザ、エドワードが自分に夢中なうちにコトを進めようとする。

「リーザ、幸せにするよ。君だけを愛している。君のためなら何もかも捧げられるよ。」昨晩、思いを深め合った私たち。今、彼が言った言葉は現時点での本音だと分かっている。私とエドワードは皇宮のチャペルで盛大な式をあげた。レオの作った美しいドレスを聞いて、祝福の声を注がれた。今まで生きてきた中で一番の幸せを感じた時だった。私が幼い頃から夢見てきた好きな人との結婚が叶った日。この1日を何度も繰り返せたらどれだけ幸せか。「ふふ、どうやって幸せにしてくれるの?何を捧げてくれるのか楽しみ。」式が終わり、私たちは邸宅に向かうところだ。できるだけ甘い時間を過ごしたいけれど、解決しなければならない問題も山積みだ。昨晩、本音をぶつけあって発覚した価値観の不一致はヤバイレベルだった。田舎大好き、エドワード対田舎はもう勘弁の私。妻には領地で自分の仕事を支えて欲しい、エドワード対首都で権限を得て仕事をしたい私。一緒に暮らせる未来が見えないが、彼がめちゃくちゃ好きだと昨日再確認した。好青年なルックスに絶妙な狡さを持って生きてきた彼は、どこか私と似ているのだ。本当に彼が演じていた見た目通りの純粋無垢な男なら、うまく行く気はしなかった。「俺の時間を全部あげる、だからリーザの時間も全て頂戴。」彼が幸せの絶頂の笑みで、突然、馬車の中ウェディングドレス姿を膝の上に抱き上げてきた。結構不安定な体制に別のドキドキが顔を出す。「本当に?その言葉忘れないでよね。」実際、彼と私は結婚後住みたい場所まで違っている。式が終わった途端、戦いが勃発するだろう。彼は私が遅くとも宰相の任期を終えたら領地に来ると思っている。「早く、リーザに似た子が欲しいよ。」彼には作戦があるが、バレバレだ。子供ができたタイミングで産休を私に取らせそのまま領地に住んでしまうという考えだ。私は任期中は絶対に宰相の仕事がしたい。非常に裁量があり、やりがいのある仕事なのだ。次の
last updateLast Updated : 2025-12-22
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53.レオ、トラブルに巻き込まれる。

「今を輝くアーデン侯爵令息と食事ができるなんて、思いませんでした。」僕、レオ・スモアは、今、姉の皇宮医になったばかりのレノア・コットン男爵令嬢とその父親と食事をしている。姉エレナの調子が優れないのを心配した、彼女が最近の姉の様子を尋ねてきたのだ。姉は自分の弱みを人に見せない性格だから、不調について聞かれてもダンマリを決め込んでいるに違いない。僕の母がこの間、皇宮のチャペルで結婚式をした。その影響もあるのか、姉は自分が陛下と結婚するにはあと3年も待たなければならない事実に我慢が限界に達し始めていた。この間もサインを「エレナ・レオハード」と書き間違えていた。綴りを間違ってしまったと誤魔化していたが、彼女は今すぐにでも結婚したくて仕方ないのだ。僕の母上にチャペルを貸してくれたのはありがたくて、母の幸せな姿を見れたことには感謝している。しかし、そのことで今姉は心のバランスを崩していた。その不調の原因を正直に話していいのか考えていたところ、レノア嬢の父親であるコットン元男爵が話しかけてきたのだ。お昼時だったので、僕は2人を昼食に誘った。明らかにレノア嬢が父と2人で話したくない雰囲気を醸し出していたからだ。「僕なんかよりも、レノア様が素晴らしいですよ。最年少で皇宮医になったこともそうですが、姉が彼女の熱意を褒めていました。」僕はレノア様が皇宮医になった頃から彼女の存在を知っていた。ピンク色の髪と瞳を持った少女のような彼女の外見に周り貴族が可愛いと騒いでいた。姉の主治医になる試験も勤続15年以上の皇宮医ばかりの中で経験が浅いながらも挑戦してきたという。僕は自分は流されるまま生きてきたと思っていて、彼女や母上のように道を切り開いて行く人間に憧れてしまうのだ。「娘は、レオ様のような天才ではありません。顔と体だけは良いので女を使って上手くやったんでしょう。」コットン元男爵は不正を犯したことにより、爵位を剥奪されている。レノア・コットンは男爵とメイドの間に生まれた娘で母親は彼女が幼い頃、男爵邸の宝飾品を持ち逃げしたと聞いて
last updateLast Updated : 2025-12-23
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54.レオ、惚れられて戸惑う。

「もう、やめて。もう、関わらないで。恥ずかしいことしないでよ。」彼女の顔は曇りながらも、絞り出すような声で彼に抗議していた。「俺の弟と何かありましたか? まさか、命の恩人にいちゃもんつける輩が皇宮にいるなんてことはありませんよね?そのまま、窒息死をお望みでしたか?」兄上が怖い顔をして、クレア嬢を伴って食堂に入ってきた。「ダンテ補佐官、私はそんなつもりはございません。ただ、強く叩かれた気がしたのです。」彼はいやらしい顔で弁明して、兄上に弁明している。コットン元男爵が喉に食べ物を詰まらせ、息ができなくなっていたのでつい手を貸してしまった。僕が手助けをしたいと思った行動がトラブルの原因になっている。ならばどうすれば良かったのだろうか、結局、僕の浅はかさが悪い。僕はまた兄上に助けてもらってしまった。「俺と一緒に行きましょうか。ピンク芋のお父上。少し話したいことがあります。」兄上がコットン元男爵を連れて食堂から出て行った。「レオ様、また次の機会に話しましょ。」クレア嬢が慌てたように頭を下げて言いながら、兄上のあとをついていった。「レオ様、恥ずかしいところをお見せして申し訳ございません。」彼らが去ったあと、レノア・コットンが頭を下げて来た。僕は彼女が父親が窒息で死にそうな時に、冷たい目で見ていたのが気になっていた。母親が宝飾品を邸宅から盗み彼女をを置いて去ってったということは、置き去りにされた彼女は辛い目に遭ってきたに違いない。もしかしたら、彼女はそのことで父親を恨んでいる。「気にすることはありません。僕のほうこそ、騒がせてしまって申し訳ございませんでした。」咄嗟に行動してしまうことで後悔してばかりだ。最初から彼を彼女から遠ざけてあげれば良かったし、彼が喉を詰まらせた時も別の対処をすべきだった。「私、あのまま父が死んでしまえば良いと思って。」口に手を当てながらレノア・コットンが呟く。そこまで思うほど父親との関係が良くないということだろう。「助
last updateLast Updated : 2025-12-24
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55.ダンテ、スッポン女と別れられず苦悩する。

「エレナ様がクレアに俺が宰相を希望するように言ったんですか? からくり人形みたいに最近はそれしか言わないんですけれど。」俺は要職試験を前に彼女に確認したかった。「さあ、どちらにしろあなたは宰相になるんじゃない?世界を帝国領にした実績があるもの。」エレナ様が美しい微笑みを携えながら言ってくる。補佐官の方が彼女の側にいられたが、次のターンでは帝国内の行政を整えたいのだろう。人を利用するのが本当に上手な人だ。でも、それが彼女の愛する陛下のためだと思うと許せてしまう。そして俺は陛下のことも好きだと思う。「そういえば、陛下が俺みたいに厳しいことを言ってくれる人が側にいてくれて嬉しいと言ってましたよ。宰相になるとしてもそれは陛下のためです。」最近の俺はかなりおかしいと自分でも自覚している。エレナ様の前で陛下に思われているのはお前だけじゃないと言うような発言をしてしまうのだ。陛下が美しすぎて良い匂いがするから男という感じがしないせいかもしれない。そして陛下の弱さをみてしまった時から、彼を守ってあげたいという気持ちが芽生えてしまったのだ。「陛下らしいわね。」エレナ様が余裕の笑みで言ってくる。「エレナ様って自分に甘い人間ばかり側に置きますよね。レオにも自分を好きにならなかったから男が好きだと言い放ったらしいですね。乱暴な考えですね、レオ以外なら怒りますよ。」俺は彼女がレオや陛下のような優しい人間ばかり自分の周りに置いてることを指摘した。「どうして、私を好きにならないなら女が好きじゃないなんてあなたが一番よく知ってるでしょ。」いつも俺に目線を合わせないようにしているエレナ様がキメ顔で俺を攻めてくる。顔面が強すぎる上に、彼女のこの自信に贖えない自分がいる。レオもアーデン侯爵家の養子になってから、自己肯定感がぐんと高くなった。金を湯水のように使って色々なことに挑戦させてもらえ、侯爵を見る限り子に嫉妬することもなく讃える。エレナ様が恐ろしく自信家に育ったわけだ。「母上も、かなりしっか
last updateLast Updated : 2025-12-25
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56.ダンテ、新しい扉を開く。

「クレアから逃れるためには、ライオット元皇子殿下のように国外追放相当の罪を犯すしかないんでしょうか。エレナ様のハートを盗むとか。」俺はとりあえずエレナ様にバッキューンポーズを決めながら言ってみた。少しでもドキっとしてくれれば嬉しいのに、期待はできない。「私は皇帝の女だから、万が一でも私の心を盗んだら処刑されるわよ。」まさかの死罪展開に俺の方がドキッとしてしまった。「エレナ様はライオット元皇子に恋をした松井えれなが許せませんか?」俺は、レオが彼女に教えたくないと言った彼が入れ替わりができる人間だと言う真実を隠しながら気になったことを尋ねた。「私と松井えれながそっくりだと思ったんでしょ。私の姿で陛下を困らせたのだから許せないわよ。でも、もし私と彼女に繋がりがあるとしたら、ライオットへの恋なんてすぐ冷めるものよ。」俺は彼女の言葉に驚いてしまった。彼女自身も、松井えれなが自分と同じ魂を持つ女だと思っていたと言うことだ。「それはライオット元皇子が陛下と違って天才じゃないからですか?」彼女は自分のような天才しか話し相手にならないと思っている。俺は当初は彼女の視野が狭いと思っていたが、クレアと一緒にいることで話の通じない人間といる辛さを知った。「それ以上にライオットは失言が多いから彼じゃ無理。それに両思いを感じたとしても絶世の美女の私の姿だから愛されたかもという疑惑が払拭できないと無理。私と同じ魂なら、自分だけを愛する男じゃないと満足できないわ。」エレナ様は失言に厳しいと言うことだ。実際、彼女は要職試験の時、5割面接で受からせるつもりが2割しか受からせていない。彼女の性格上、先に合格者を決めてから面接してそうだ。それなのに、面接中許せない失言があって合格者を減らしてしまっているのだろう。「確かに陛下はエレナ様だけしか愛せないでしょうね。」俺は彼女の前で一番言いたくない言葉を気がつけば呟いていた。確かに、陛下は常に相手の立場に立って考えるから失言も少なそうだ。「そう、だからダンテみたいに見た目が良いな
last updateLast Updated : 2025-12-26
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57.ダンテ、愛を求め彷徨う。

「クレアから逃れるためには、ライオット元皇子殿下のように国外追放相当の罪を犯すしかないんでしょうか。エレナ様のハートを盗むとか。」俺はとりあえずエレナ様にバッキューンポーズを決めながら言ってみた。少しでもドキっとしてくれれば嬉しいのに、期待はできない。「私は皇帝の女だから、万が一でも私の心を盗んだら処刑されるわよ。」まさかの死罪展開に俺の方がドキッとしてしまった。「エレナ様はライオット元皇子に恋をした松井えれなが許せませんか?」俺は、レオが彼女に教えたくないと言った彼が入れ替わりができる人間だと言う真実を隠しながら気になったことを尋ねた。「私と松井えれながそっくりだと思ったんでしょ。私の姿で陛下を困らせたのだから許せないわよ。でも、もし私と彼女に繋がりがあるとしたら、ライオットへの恋なんてすぐ冷めるものよ。」俺は彼女の言葉に驚いてしまった。彼女自身も、松井えれなが自分と同じ魂を持つ女だと思っていたと言うことだ。「それはライオット元皇子が陛下と違って天才じゃないからですか?」彼女は自分のような天才しか話し相手にならないと思っている。俺は当初は彼女の視野が狭いと思っていたが、クレアと一緒にいることで話の通じない人間といる辛さを知った。「それ以上にライオットは失言が多いから彼じゃ無理。それに両思いを感じたとしても絶世の美女の私の姿だから愛されたかもという疑惑が払拭できないと無理。私と同じ魂なら、自分だけを愛する男じゃないと満足できないわ。」エレナ様は失言に厳しいと言うことだ。実際、彼女は要職試験の時、5割面接で受からせるつもりが2割しか受からせていない。彼女の性格上、先に合格者を決めてから面接してそうだ。それなのに、面接中許せない失言があって合格者を減らしてしまっているのだろう。「確かに陛下はエレナ様だけしか愛せないでしょうね。」俺は彼女の前で一番言いたくない言葉を気がつけば呟いていた。確かに、陛下は常に相手の立場に立って考えるから失言も少なそうだ。「そう、だからダンテみたいに見た目が良いな
last updateLast Updated : 2025-12-27
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58.ダンテ、帝国一のマザコンだと自認する。

「流石ダンテだね。私も来季から行政官として働くから部下として宜しくね。」母上は明るい声で言ってくる。帝国での要職試験があって俺は次期宰相になることになった。本当はやる気がある彼女が就くべきだった宰相職だ。俺が私情を挟み彼女から奪ってしまった気がしてしまう。「母上、分かっていると思うけど試験は出来レースだから。俺を首都で働かせたいが為に与えられた職だからね。」俺は自分が宰相に就く理由が、クレアがしつこいからだということを母上を前にすると恥ずかしくて言えなかった。「エレナ様は元から合否を決めて面接している。彼女は俺をまだ活用したくて、俺は初めから決まっていた職の試験を受けただけだ。」母上が試験の為に努力してきたのを同じ屋根の下で知っていたので、彼女が試験勉強をしている度に辛かった。「そうだよね。私はエレナ・アーデンが面接官だったら落ちてたよ。陛下が面接官で、中央に残って私が息子の勇姿を見てみたいという気持ちに思いを寄せてくれたから受かったのかも。」母上の言うとおり、エレナ様と陛下は順番に面接をして半分落とす予定だった。それは前回も一緒で、俺たちはその事実を知っている。エレナ様は受かる半分を決めてから面接をして、減点されるポイントがあれば落とすので結局2割しか合格を出さない。対して陛下はしっかり面接をし半分を受からそうと思っても情に流され8割くらい合格させてしまう。結局うまい合格率になるけれど内情は全く違う。俺は予想通りエレナ様の面接。エレナ様は元から俺を宰相にして能力を搾取する予定だったから。でも、母上は4年の経験もあり能力もあるのに未だ自分は天才の子に連れられて採用されただけだと思っている。彼女には相応の能力があり、しっかりと仕事をこなしてきたのにその自覚も自信も身についてない。邸宅で壁中に貼られ、入れ替えられる最新の経済、情勢の情報。彼女は生きる為に誰より努力する人間で、元より優れているのに虐げられていたことにも気づかない人なのだ。それは俺のせいなのかと思ったりする。俺はエ
last updateLast Updated : 2025-12-28
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59.ダンテ、苦しい新婚生活を送る。

「今日はレオ様と一緒にランチよね。」クレアが頬を染めながら言ってくる。結婚して、3日目、限界だ。結婚前も職場や家へととにかく現れ逃れられずストレスだった。結婚すると朝起きても隣に彼女がいて、眠る時も隣に彼女がいるのだ。顔さえ良ければ良いなんて思っていた俺は馬鹿だった。今は、顔なんてどうでも良い芋だって可愛いとさえ思う。そして彼女の今のターゲットは次期侯爵でエレナ様の義理の妹にもなれるレオなのだ。彼女は結婚式の日でさえ、レオにノックオンしていた。常に上へと進みたい向上心の塊のような女だ。最初に出会った時、離婚したことに引け目を感じて涙を流していたのかと思って思わず彼女を抱きしめた。しかし、あれは浮気していたポリアン伯爵への恨みが募った怒りの涙だったらしい。俺も芋に見えない女に会ったことで、洞察力を失っていたようだ。クレアは本当に野心家だった。彼女がエレナ様のお気に入りになれたのは、役に立つからだろう。俺を落として来いと言われれば落としにいく。自分に心酔しなんでもする女、それがクレアだ。彼女に宰相になって欲しいと言われ、宰相になった。エレナ様の指示か、彼女の意志かそのどっちもかもしれない。彼女は離婚したことで、周りに下に見られることが嫌だったようだ。貧しい子爵令嬢だった自分が、裕福なポリアン伯爵に飛びついて結婚した。実は彼は結婚する前に、メイドを妊娠させていて離婚することに。一見、かわいそうなクレアのストーリーだが、俺は彼女と関わって彼の気持ちが分かってしまった。こんなにも自分だけを愛し、エレナ様に近づくことだけを考えている女はうんざりする。おそらく、彼を心から思い尽くしてくれるメイドに心を奪われたのだろう。彼女とは3年の付き合いだが、掴んだ獲物は逃さない主義なのか、とにかく囲い込む。俺は最初の4分30秒こそ可愛い彼女を囲い込みたいと思ったが、そんな必要のないくらい囲い込もうとされていることに気がついた。そして、と
last updateLast Updated : 2025-12-29
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60.ダンテ、運命の出会いをする。

クレアとランチの約束をしているが、どうしても彼女と会う気になれなかった。陛下は落馬して意識を失ったエレナ様に付き添っている。彼とランチができれば、クレアとのランチがパスできるのにそれも不可能。エレナ様は大丈夫だろうか、彼女が意識を戻さないなんてことになったら怖い。彼女の乗馬スキルを思うと、落馬したことが信じられない。陛下とオタム湖にボート遊びにいくと楽しみにしていたのに、可哀想だ。馬車で行けば安全だったのに、それを避けると言うことは陛下が馬車が苦手だったりするのだろうか。俺は初恋の彼女にはやはり幸せになってほしいのだ。クレアが行政部に顔を出すのが分かっているので、皇宮を散歩することにした。そういえば、エスパル領地を治めていた伯爵が落馬で死亡しのを思い出した。彼には後継者もいないから、陛下はまた適当な領主を探すはずだ。廃人状態にありながら、能力の高いクリス・エスパルは希望すれば領地を治められると思うのだが彼はどう思っているのだろう。気がつけば、いにしえの図書館の前まで来ていた。俺はやはりクリス・エスパルがここの図書館で能力を搾取され、安く使われているのが気に食わない。俺がエスパルが楽しかったと言った時の彼の表情が忘れられない。彼はエスパルを愛しているのだ、少しでも心が回復したなら領地を治め力を発揮した方が良い。「私、エレナ・アーデンと申します。いにしえの図書館に向かっているのですがこちらで方向は宜しいでしょうか?」突然、斜め後ろから聞き慣れた声がして振り向くとエレナ様の姿をした全くの別人がいた。優雅な所作は完璧にエレナ様のものだけれど、俺を見つめる視線が全く違うし顔見知りの俺に挨拶しているのもおかしい。もう会えることを諦めていたのに、話を聞いた時からずっと彼に会いたかった。俺は見た目は爽やかな好青年に見えるらしいし、見知らぬ場所で迷ってしまって道を聞いたのだろう。「俺のエレナ、俺が図書館までご案内しますよ。」初めまして、松井えれな。この子は可愛すぎるから俺のエレナに確定だ
last updateLast Updated : 2025-12-30
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