LOGIN2人の息子の為なら何でもできる! 形は歪でも想い合う親子の話。 独裁国家だった自国エスパルが、帝国の領土となる。奴隷ではなく帝国民として受け入れて貰えること、能力が認められれば衣食住一流の生活が保証され帝国の首都で住めるとの発表にリーザは夫を捨て帝国の要職試験を受けに行くことを決意する。夫には離婚に応じて貰えず、息子を連れて子爵邸を脱出。リーザは子爵と離婚するために帝国の皇帝に見初められてしまおう作戦をたてる。私はよく未成年と間違えられるくらい若くて可愛い、息子にも良い生活をさせてあげたい。いざ、皇宮へ。
View More「クレアから逃れるためには、ライオット元皇子殿下のように国外追放相当の罪を犯すしかないんでしょうか。エレナ様のハートを盗むとか。」俺はとりあえずエレナ様にバッキューンポーズを決めながら言ってみた。少しでもドキっとしてくれれば嬉しいのに、期待はできない。「私は皇帝の女だから、万が一でも私の心を盗んだら処刑されるわよ。」まさかの死罪展開に俺の方がドキッとしてしまった。「エレナ様はライオット元皇子に恋をした松井えれなが許せませんか?」俺は、レオが彼女に教えたくないと言った彼が入れ替わりができる人間だと言う真実を隠しながら気になったことを尋ねた。「私と松井えれながそっくりだと思ったんでしょ。私の姿で陛下を困らせたのだから許せないわよ。でも、もし私と彼女に繋がりがあるとしたら、ライオットへの恋なんてすぐ冷めるものよ。」俺は彼女の言葉に驚いてしまった。彼女自身も、松井えれなが自分と同じ魂を持つ女だと思っていたと言うことだ。「それはライオット元皇子が陛下と違って天才じゃないからですか?」彼女は自分のような天才しか話し相手にならないと思っている。俺は当初は彼女の視野が狭いと思っていたが、クレアと一緒にいることで話の通じない人間といる辛さを知った。「それ以上にライオットは失言が多いから彼じゃ無理。それに両思いを感じたとしても絶世の美女の私の姿だから愛されたかもという疑惑が払拭できないと無理。私と同じ魂なら、自分だけを愛する男じゃないと満足できないわ。」エレナ様は失言に厳しいと言うことだ。実際、彼女は要職試験の時、5割面接で受からせるつもりが2割しか受からせていない。彼女の性格上、先に合格者を決めてから面接してそうだ。それなのに、面接中許せない失言があって合格者を減らしてしまっているのだろう。「確かに陛下はエレナ様だけしか愛せないでしょうね。」俺は彼女の前で一番言いたくない言葉を気がつけば呟いていた。確かに、陛下は常に相手の立場に立って考えるから失言も少なそうだ。「そう、だからダンテみたいに見た目が良いな
「クレアから逃れるためには、ライオット元皇子殿下のように国外追放相当の罪を犯すしかないんでしょうか。エレナ様のハートを盗むとか。」俺はとりあえずエレナ様にバッキューンポーズを決めながら言ってみた。少しでもドキっとしてくれれば嬉しいのに、期待はできない。「私は皇帝の女だから、万が一でも私の心を盗んだら処刑されるわよ。」まさかの死罪展開に俺の方がドキッとしてしまった。「エレナ様はライオット元皇子に恋をした松井えれなが許せませんか?」俺は、レオが彼女に教えたくないと言った彼が入れ替わりができる人間だと言う真実を隠しながら気になったことを尋ねた。「私と松井えれながそっくりだと思ったんでしょ。私の姿で陛下を困らせたのだから許せないわよ。でも、もし私と彼女に繋がりがあるとしたら、ライオットへの恋なんてすぐ冷めるものよ。」俺は彼女の言葉に驚いてしまった。彼女自身も、松井えれなが自分と同じ魂を持つ女だと思っていたと言うことだ。「それはライオット元皇子が陛下と違って天才じゃないからですか?」彼女は自分のような天才しか話し相手にならないと思っている。俺は当初は彼女の視野が狭いと思っていたが、クレアと一緒にいることで話の通じない人間といる辛さを知った。「それ以上にライオットは失言が多いから彼じゃ無理。それに両思いを感じたとしても絶世の美女の私の姿だから愛されたかもという疑惑が払拭できないと無理。私と同じ魂なら、自分だけを愛する男じゃないと満足できないわ。」エレナ様は失言に厳しいと言うことだ。実際、彼女は要職試験の時、5割面接で受からせるつもりが2割しか受からせていない。彼女の性格上、先に合格者を決めてから面接してそうだ。それなのに、面接中許せない失言があって合格者を減らしてしまっているのだろう。「確かに陛下はエレナ様だけしか愛せないでしょうね。」俺は彼女の前で一番言いたくない言葉を気がつけば呟いていた。確かに、陛下は常に相手の立場に立って考えるから失言も少なそうだ。「そう、だからダンテみたいに見た目が良いな
「エレナ様がクレアに俺が宰相を希望するように言ったんですか? からくり人形みたいに最近はそれしか言わないんですけれど。」俺は要職試験を前に彼女に確認したかった。「さあ、どちらにしろあなたは宰相になるんじゃない?世界を帝国領にした実績があるもの。」エレナ様が美しい微笑みを携えながら言ってくる。補佐官の方が彼女の側にいられたが、次のターンでは帝国内の行政を整えたいのだろう。人を利用するのが本当に上手な人だ。でも、それが彼女の愛する陛下のためだと思うと許せてしまう。そして俺は陛下のことも好きだと思う。「そういえば、陛下が俺みたいに厳しいことを言ってくれる人が側にいてくれて嬉しいと言ってましたよ。宰相になるとしてもそれは陛下のためです。」最近の俺はかなりおかしいと自分でも自覚している。エレナ様の前で陛下に思われているのはお前だけじゃないと言うような発言をしてしまうのだ。陛下が美しすぎて良い匂いがするから男という感じがしないせいかもしれない。そして陛下の弱さをみてしまった時から、彼を守ってあげたいという気持ちが芽生えてしまったのだ。「陛下らしいわね。」エレナ様が余裕の笑みで言ってくる。「エレナ様って自分に甘い人間ばかり側に置きますよね。レオにも自分を好きにならなかったから男が好きだと言い放ったらしいですね。乱暴な考えですね、レオ以外なら怒りますよ。」俺は彼女がレオや陛下のような優しい人間ばかり自分の周りに置いてることを指摘した。「どうして、私を好きにならないなら女が好きじゃないなんてあなたが一番よく知ってるでしょ。」いつも俺に目線を合わせないようにしているエレナ様がキメ顔で俺を攻めてくる。顔面が強すぎる上に、彼女のこの自信に贖えない自分がいる。レオもアーデン侯爵家の養子になってから、自己肯定感がぐんと高くなった。金を湯水のように使って色々なことに挑戦させてもらえ、侯爵を見る限り子に嫉妬することもなく讃える。エレナ様が恐ろしく自信家に育ったわけだ。「母上も、かなりしっか
「もう、やめて。もう、関わらないで。恥ずかしいことしないでよ。」彼女の顔は曇りながらも、絞り出すような声で彼に抗議していた。「俺の弟と何かありましたか? まさか、命の恩人にいちゃもんつける輩が皇宮にいるなんてことはありませんよね?そのまま、窒息死をお望みでしたか?」兄上が怖い顔をして、クレア嬢を伴って食堂に入ってきた。「ダンテ補佐官、私はそんなつもりはございません。ただ、強く叩かれた気がしたのです。」彼はいやらしい顔で弁明して、兄上に弁明している。コットン元男爵が喉に食べ物を詰まらせ、息ができなくなっていたのでつい手を貸してしまった。僕が手助けをしたいと思った行動がトラブルの原因になっている。ならばどうすれば良かったのだろうか、結局、僕の浅はかさが悪い。僕はまた兄上に助けてもらってしまった。「俺と一緒に行きましょうか。ピンク芋のお父上。少し話したいことがあります。」兄上がコットン元男爵を連れて食堂から出て行った。「レオ様、また次の機会に話しましょ。」クレア嬢が慌てたように頭を下げて言いながら、兄上のあとをついていった。「レオ様、恥ずかしいところをお見せして申し訳ございません。」彼らが去ったあと、レノア・コットンが頭を下げて来た。僕は彼女が父親が窒息で死にそうな時に、冷たい目で見ていたのが気になっていた。母親が宝飾品を邸宅から盗み彼女をを置いて去ってったということは、置き去りにされた彼女は辛い目に遭ってきたに違いない。もしかしたら、彼女はそのことで父親を恨んでいる。「気にすることはありません。僕のほうこそ、騒がせてしまって申し訳ございませんでした。」咄嗟に行動してしまうことで後悔してばかりだ。最初から彼を彼女から遠ざけてあげれば良かったし、彼が喉を詰まらせた時も別の対処をすべきだった。「私、あのまま父が死んでしまえば良いと思って。」口に手を当てながらレノア・コットンが呟く。そこまで思うほど父親との関係が良くないということだろう。「助