冥界の中心に存在する万魔殿では、緊急会議が開かれていた。 幹部の上位悪魔が集まり円卓の席に着く。 会議室にはルシフェル、ベルゼブブ、アスタロト、ハデス、タナトス、この五名で世界を取る、とルシフェルは公言した。 オノケリスがお茶と資料を配る。「最近、強大な力を持つヒットマンの集団に仲魔がどんどん狩られている。敵はいつも二人で現われる。これは二人の開発者が毎回操る者だけを変えていると私は推察する。つまり悪魔狩りをしているのは恐らくこの二人だけだ。奴らは神出鬼没で一つの場所に決して長居しない慎重さがある、それにこれからここへやってくるであろう智天使(ケルブ)セーラは開発者の一人の人格が封印されている、そのためまず生かして捉えるのが最優先だ。最後の開発者はトラップや痕跡を残して消えるのみで、抜け目なく、今のところ捕まえる術はない。だが…… 我らの勝利は揺るがぬ、そしてその時は近い。開発者全てを完全に滅ぼし、現実を改変できる『箱庭』というSSSランクマジックアイテムを手に入れる、そして最後はそのアイテムを使って天界へ入り、我が父、唯一神をも滅ぼして世界の理を変えるのだ」 幹部に仕える六大悪魔は招集こそされたが、会議には参加を許されず蚊帳の外であった。戦力外扱いかと憤る者やドアに聞き耳を立てている者もいた。 更にその六大悪魔に仕えるソロモン七十二柱、下~中位悪魔の生き残りは野放しで、地上へ出ては悪魔狩りにどんどん狩られてその数を減らしていた。 外で待っているオノケリスとアグラトは小声でお喋りをしていた。そこに肉感的な女魔マグナが、七つの大罪はもう二人もやられたみたいよ、と会話に混ざる。 それを聞いた七つの大罪『怠惰』の悪魔べルフェゴールは、静かにしてろ! と、井戸端会議をする女魔たちを威圧し、手を払って遠ざける。牛の尾にねじれた二本の角、顎には髭を蓄えた醜悪な姿のベルフェゴールは、大の女嫌いであった。「何アイツー、ひそひそ。髭おやじ!」 女魔たちは遠巻きから悪態をついた。 セーラ一行が万魔殿に向かう途中、悪魔狩りをしている二人の戦士に遭遇した。一人は二刀流武士、もう一人も日本古来の武士の姿をしていたが、結局三つ又の槍を用いたポセイドンの威光を頼りに悪魔の部隊を殲滅していた。セーラ達も助太刀に入り、ヅカヅカと我が物顔で街道を通る中級
Huling Na-update : 2025-11-30 Magbasa pa