「ち、ちち違いますわっ!? これはそのっ!あくまで親愛ですの! 友情ですの! 尊き連帯感ですのよっ!!」 必死に誤魔化そうとするけど、彼の目は動じない。ただ、ほんの少しだけ、目元が柔らかくなった気がする。(好感度表示とかないから全然分からないし、このゲーム本当に難易度高すぎ……!)「はいはい、なるほど。で、うちに?」「ええ! 香りを使わず、思いだけを届ける、そんな素敵アイテムがきっとここにはある! そう思いましたの!」 本当は。 ……本当は、ちゃんと向き合いたいんですの。 けれど、それを口にするのは、まだ怖い。◆「まずはこちら、ペルファリア近郊の薬草を使った石鹸になります。香りはかなり控えめで、洗ってもほとんど肌に残りません。使用感はすっきりめですね」「……おぉっ」(うわー、この人本当にすごい……普通のゲームキャラってこんなに丁寧に説明してくれるものなの?)「次は、魔力冷却式のタンブラーです。氷が不要で、香りも出ません。夏場に人気の商品でして、実用性重視の方に好まれます」「……おぉぉっ!」(どれも条件にぴったりすぎる……これって完全に攻略ヒント付きの商品紹介じゃん!)「最後にこちら、香気遮断加工済みの布ハンカチになります。これも王都の職人の手作りで、匂いを遮断するので、周囲に香水を使っている方がいても問題ありません。手触りは絹、肌に優しい仕様です」「……これですわ!」 私は、即決した。 真っ白で、何の装飾もないハンカチ。 けれど、それがあの子には、いちばん似合うと思った。「……白が似合うんですの。あの子は、そういう子で……」「はあ」「氷菓子が好きで、でも甘すぎるのは苦手で……。朝は早起きで、いつも一番に教室にいて、紅茶は無糖。寝る前には必ずストレッチをして、香りの強い花はちょっと顔をしかめて……」 気づいたら、リュシアちゃんのことばかり話してる。(あれ? なんで私こんなに詳しく知ってるんだろう……普通のゲームキャラだったら、こんなに細かい設定知らないはずなのに)「……仲がよろしいのですね」「へあっ!?」 思わず変な声が出ちゃった。「わたくし、言ってませんでしたのよ? "誰に渡す"とも、"どういう間柄"とも」「おっしゃらなくても、様子を見ていれば分かりますよ」 彼は、当然みたいに言う。「商品の条件の出し方
Last Updated : 2025-12-07 Read more