Semua Bab 幽霊聖女は騎士公爵の愛で生きる : Bab 31 - Bab 40

51 Bab

31.レティーシャの職場見学①

アレックスに会いにいくと決めて支度をしたものの、レティーシャは大事なことを忘れていた。馬車が怖い。「王城は目と鼻の先。天気もいいですし歩いていきましょう」 「そうしましょう」だからレダに歩いていくと言われたときはホッとしたし、初めての街歩きにいくのだとワクワクもしていた。「奥様、ここはもう城です」 「え?」公爵邸に庭を歩いて正門を抜け、目の前の大きな道を渡っただけ。「街は……市場とかどこかしら?」 「市場は、あっちのほうですね。あの門よりこっちは城の敷地になります」あの門というのはいま潜った門。道を渡る前、この大きな門をみて「立派な門だわ」と思っていたから確かだ。「どうしましたか?」 「お店を見て回れるかと思っていたので、少し残念だっただけですわ」なんだ、とレダが笑う。「帰りは遠回りして帰りましょう」レダの提案にレティーシャの気持ちが一気に浮き立つ。「そうだ。閣下を誘ってみてください。騎士の仕事には城下の巡回もありますし、場所と時間に制限があるかもしれませんが一緒にいけるかもしれませんよ」「まあ、どんなお顔をなさるかしら」 「楽しみですね」そんなことを話していると大きな建物についた。レダ以外の騎士はここで待機だという。「早馬で先ぶれを出したので、誰かが待っているはずなのですが……」 「レダ」誰かがレダの名前を呼び、レティーシャがそちらを見ると「まあ」と思わず声が出た。「近衛騎士団の団長殿です」 「とても素敵な方ですね」そこにいたのはアレックスとは違った魅力のある壮年の男だった。普通の騎士服の何倍も煌びやかな近衛騎士の制服も似合い、「花のある」とい言葉がとても似合っていた。「こんな爺に嬉しい言葉をありがとうございます。ロドリゴ・ドノバースと申します」 「物語に出てきそうな素敵な騎士様で、吃驚して思わず無作法をいたしました。申しわけありませんでした、ドノバース卿」「え、あ……どうも」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-16
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32.レティーシャの職場見学②

家からの使いはグレイブからで「いまから奥様がお城にいきます」というものだった。戻ってきたロイからそれを聞き、急ぎの仕事を片付けてアレックスは城の受付に向かう。そこにはすでにレダがいた。「ウィンスロープ邸、城のご近所ですもんね」「彼女は? まさか一人にしたのか?」「奥様は近衛騎士団長と一緒にいらっしゃいます」「ロドリゴのおっさんと?」(嫌な予感がする)「いまごろ奥様にあること無いことを言っているのでしょうね。閣下に女遊びを教えたのは団長なので」「それが分かっていてなぜ一緒にいさせた?」アレックスが急いで庭にいくと、バラ園からレティーシャが出てくるところだった。(あそこは限られた者しかいけない陛下の花園……なぜレティーシャを?)「公爵様! 申しわけありません、お待たせしてしまいましたか?」「いま来たところだ。庭はどうだった?」「ロドリゴ様はいろいろな花のお名前をご存知で、とても楽しかったですわ」「ロドリゴ様?」「はい、さきほど名前呼びを許していただきました」レティーシャは嬉しそうにアレックスに報告した。しかしアレックスは「公爵様」。「あー、そう」「公爵様?」「夫人、アレックス坊やも名前で呼んでほしいんですよ」「なっ……」「妻が夫を名前で呼ぶのは信頼の証ですからね」ロドリゴがにっこりと笑うと、レティーシャは素直に頷いた。妙に親し気であるが、悔しさとかはあっても嫌だとは感じていない。(レティーシャが嬉しそうだから?)知らぬ者がみれば父娘のよう。スフィア伯爵とロドリゴは同年代。あのロクデナシの代わりにロドリゴの中に父性を見ているのだろうとアレックスは思った。「公爵様、アレックス様とお呼びしてもよろしいですか?」(ありがとう、ロドリゴ小父さん)心に余裕ができると感謝の気持ちも素直に湧き出る。目が合うとロドリ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-17
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33.レティーシャの職場見学③

「まあ、ここが騎士様たちが訓練する場所ですか」落ちた株をあげるべく、アレックスはレティーシャを騎士団の訓練場に案内した。レティーシャは小説から学んだことを言っただけで何も気にしないが、なんかいけないことをしたアレックスとロイのもやもや気分はなかなか晴れない。訓練場では騎士たちが鍛錬をしていた。彼らはアレックスを見ていつも通り顔を固くしたあと、『あれ?』という顔をして隣に立っているレティーシャをガン見する。(ソフィアはラシャータに見えるように化粧を施したようだが……雰囲気がなあ)「あの方が猫千匹被ってもこの善良かつ清楚な感じにはなりませんよね」「猫百万匹でも全然足りませんよ」ロイとレダのヒソヒソ話に同意したいところだが、残念ながらこの二人の話は解決策にはならない。(距離をとらせるしかないだろう)「レダ、彼女と一緒に観覧席の一番上に。防御幕を張ることを忘れるなよ」「一番上だと閣下の姿がマッチ棒ですよ?」「……中段くらいで」レティーシャがレダと共に離れていくと、アレックスは騎士たちのほうに向かう。「団長、あの美人は愛人ですか?」「城に愛人なんて連れてくるわけないだろう、妻だ」「え、それならあれが悪女ラ……」「わっ、この馬鹿!」若い新人騎士の口を周囲の騎士たちが必死にふさいだが、残念ながらアレックスの耳に入った。「す、すみません」「いや、気にしていない」その『悪女』はラシャータに対する評価だからレティーシャには関係ない。だからアレックスは気にしなかったのだが、周りは誤解した。特にアレックスがラシャータを嫌っていること知っていた騎士たちは、ラシャータが我侭を言ってここまで来たのだと誤解した。「団長。今夜あたり花街にくり出そうと話ていたのですが、一緒にどうですか?」「団長に会いたいって声をそこかしこで聞きましたよ」妻帯者を妻の前で花街に誘う先輩
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-18
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34.レティーシャの街歩き①

訓練場を出たあとは騎士団長に与えらえる部屋に案内され、ロイのいれてくれた美味しい紅茶で一息つく。「今日はお仕事は終わりですの?」「ああ、残っているのは明日以降に片付ければ大丈夫だ。一緒に帰ろう」「では、一緒に街を散歩いたしませんか?」レティーシャの言葉にアレックスはきょとんとする。意外なことを言われた。そんな目にレティーシャは恥ずかしくなった。「も、申しわけありません。アレックス様と街を歩けたら楽しいだろうと思ってしまって」「……ぐっ」何かが詰まる音がしたと思ったら、アレックスが激しく咳き込んだ。「た、体調が悪いのでしたら直ぐにお屋敷にっ! レダ卿……」「大丈夫です。深呼吸しで、水の一杯でも飲めば治まります」その言葉通り、深呼吸してロイが渡した水を飲み干して、アレックスは「大丈夫」とレティーシャを安心させた。「町を歩くのは全く構わない」「本当ですか?」アレックスが了承してくれたことに、レティーシャの気持ちがぽんっと弾む。「だが、その姿では少々目立つな。変化の魔法は使えるか?」(使える……といったら、この目の色のことがバレてしまうのではないかしら)「主は変化の魔法がお得意なのですから、ちゃちゃっとやればいいではありませんか。もしあれなら私が施しても……」「俺がやる」そういうとアレックスはレティーシャの髪に触れた。瞬く間に銀色の髪が、ティーカップの中のミルクティのような色になる。「……変化の魔法は、ロイ様もお使いになれますの?」「ええ。魔力もあまり使わないし失敗してもある程度時間がたてば戻るので、子どもの魔法の手習いに持ってこいなんですよ」(なるほど……よく知らなかったから警戒してしまったけれど珍しい魔法ではないのね)レティーシャは安心したのとアレックスが施した変化の出来映
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-19
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35.レティーシャの街歩き②

「……デート、ですか?」ロイの言葉にレティーシャが首を傾げ、レダを見る。「デートですね」「レダ卿がそういうなら『デート』なのですね」(デートなんて本で読んだだけで……街を歩くのも初めてなのに、それがデートなんてすごいですわ)「わー、目をキラキラさせて滅茶苦茶可愛いですねー。期待値がばんばん上がっていますよ、主」「どこか彼女が喜びそうな店を知っているか?」「主って普通の店の情報に疎いですものね」(普通ではないお店って?)「レアルト通りなら『緑のカフェ』がいいと思いますよ。奥様は草花がお好きですし」「私は草花が好きなんですか?」レティーシャの言葉にロイが首を傾げる。「好きではないのですか? 庭師たちが奥様はいつも楽しそうに庭を散策していると言っていましたが」「そんなことを見られていたなんて、恥ずかしいです」「公爵家の三兄妹はどなたも花より団子の方々ですし、奥様が庭の花を楽しんでくださる方なので庭師たちもうれしいと思いますよ」(なんだかラシャータじゃなくて『私』が認められた気がしますわ)「うっわあ、照れた顔もまた……これはおちるわ。おちるわけだわ」「うるさい、黙れ」「だって、滅茶苦茶……うん、おちるわ」(どこから落ちるのでしょう? あ、落ちると言えば馬車のことを言わなくては)「アレックス様、レアルト通りまで歩いていってよろしいですか?」「歩かずとも馬車を使えば…………あ、ああ、そうか。そうだったな。街歩きだもんな、最初から歩いたほうが楽しいよな」「そうですよ、レアルト通りは入口からいろいろな店がありますし」「馬車止めが少ないのでかえって歩きのほうがいいですよ」レティーシャたちと一緒に行くのはロイとレダだけで、他の騎士は一足
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-20
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36.レティーシャの街歩き③

アレックスはレティーシャが興味を持ったものを次々購入していく。「兄さん、うちのお薦めは……」「飲み物、食べ物、その他諸々。これだけあれば十分だ」(まあ、すごい。アレックス様の手は二本しかないのに、あんなに色々持って歩いていますわ)「お兄さん、お兄さん」「だからもう十分だ。足りなければあとで取りにくる」アレックスは持っていたものをレダとロイに押しつけるように渡すと、レティーシャの手を取って空いていたベンチに誘う。「騒がしくて堪らん」「アレックス様は町のみなさんに親しまれていらっしゃるのですね」レティーシャの言葉にアレックスが首を傾げる。「別に知り合いではないぞ?」「そうなのですか? 気さくに声をかけらえていたので、お知り合いだと思っていました」(そういえばアレックス様も目の色を変えていらっしゃるのよね)赤い瞳はアレックスの特徴となるので、アレックスも瞳を藍色に変えている。藍色はレティーシャが選んだ。琥珀色と同様に藍色も平民の瞳の色として珍しいものではない。(アレックス様に瞳の色は何がいいか聞かれて藍色と答えてしまったけれど、こうして見るとウィンが人間になったみたいだわ)「藍色の目が好きか?」「……え?」「今日はよく俺の目を見るから、藍色の目が好きなのかなって」(……犬に似ている、とは言えませんわね)「そうですか?」「……そういうことにしておこう。すまない、飲み物を追加で買ってくる」「は、はい」(一瞬で分かりにくかったですけれど……嫌な思いをさせてしまったかしら)「あーあ、主ってば余裕がないなあ」「余裕?」ロイの言葉にレティーシャはアレックスの後ろ姿を見る。アレックスは人波を器用に縫って、危うげない足取りをしている。「ちゃんと歩けていると思います
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
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37.アレックスの嫉妬

「やり過ぎたな」「奥様には免疫がないのですから。公爵家のみなさんはほどほどを知らないから。主の場合、一割どころか五分くらいの出力にしないと」「……また半分になった」生きているうちに最大出力が発揮できるのだろうか、と思いながらアレックスは店内を見る。中ではレティーシャが店の女性たちから水を受け取っていた。頭には濡れたタオルがあった。(額ではないのか?)彼女たちはこの辺りに並ぶ店の女たちのようだ。どんどん増えている。彼女たちがレティーシャを見る目は優しいどれもが母親のような、慈愛の籠った目。(あれなら大丈夫だろう)レティーシャの後ろにはレダがいる。レダがいれば多少離れていても大事はない。(分かっているんだが……)火照った顔を指摘されたのか、恥ずかしそうに顔を伏せるレティーシャ。「可愛過ぎ……え、あんな可愛い生き物がいていいのか?」「主が激甘ドロドロのポンコツになった」近くにいた店の者が差し出したエールがアレックスたちの主従漫才を終わらせる。「兄ちゃん、あの子にベタ惚れだな」「嫁だからな」「嫁さんか」「俺もあんな嫁がほしい」「彼女、妹かお姉さんいない?」ラシャータのぼやんとした輪郭がアレックスの頭に浮かぶ。「妹がいるが、全くお勧めしない」「えー」とか「残念」とか言いながら、どさくさに店に入ろうとする男たちをアレックスは止める。「兄さんたちだけビールを飲んでずるいだろう」「うちのジュースは美味しいよ」「金を払うからそれを寄越せ」男の手からジュースを受け取って代わりに硬貨を渡すと、レダを手招きで呼んでレティーシャにジュースを持っていかせる。「……兄さん、独占欲が強過ぎないか?」「普通だろう」「普通かねー」硬貨とレダの後ろ姿を見比べる男の声は恨み節だ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-22
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38.老執事の恋愛指導①

街歩きのあと、レティーシャは料理をするようになった。なにやらレアルト通りのご夫人たちから何かを学んだらしい。貴族という形式に五月蠅い家ならば「公爵夫人が!」と諫めただろうが、ここはウィンスロープ。権力も資産も十分だから、社交だろうが趣味だろうが楽しめばいいという方針。レティーシャが厨房で料理を学ぶことに全員が協力的だ。なにしろレティーシャには読書か庭の散策くらいしか趣味らしい趣味がない。そんなレティーシャの「したい」は大歓迎。ソフィアはお針子たちと共にレティーシャによく似合うエプロンを七枚作製。曜日ごとの日替わりである。料理長その一、カシムの弟子のガロンはレティーシャが安全に料理ができるよう、追加予算を申請してレティーシャ簡単に扱える調理器具を購入した。ウィンスロープは料理人もウィンスロープなので料理人たちもマッチョで、カシムが愛用している泡だて器など新手の武器にしか見えない。料理長その二で元庭師のカシムは朝から日暮れまで庭で野菜の世話をしている。新鮮な野菜で料理をしてほしいという気持ちらしいが、カシムは「庭師に戻ればいいのに」とぼやいていた。グレイブもそう思う。(あのお出かけで旦那様たちの仲も進展できれば良かったのですが)アレックスとレティーシャの朝食の場所は食堂ではなくサンルーム。外の天気や庭に咲く花が見えて話題に困らないし(リイの案)、食堂に比べて遥かにテーブルを用意したので親密な雰囲気にもなりやすい(ロシェットの案)。おぜん立てはできている。(それなのに……)「アレックス様、今日は屋敷でお仕事ですか?」食事中も何か言いたげにしていたレティーシャが意を決したように口を開いたのに。「今日は騎……っ!?」(……これだから)小指の爪先程度の石礫をアレックスに飛ばして物理で言葉を止めさせたグレイブ。最近はこれが必須なので、グレイブは残量確認を心に留めた。ちなみにこの技術。強さと当てる場所を変えれば、相手を行動不能に陥らせることができる。流石に今
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-23
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39.老執事の恋愛指導②

突如警報が鳴った。おつかいから帰ってきたアレックスを出迎えていたときだった。「タイミング、場所は厨房……不法侵入者はケヴィンだな」正面玄関から入ればケヴィンに挨拶する者たちが次々と現れ、なにか食べられるようになるまで時間がかかる。それなら忍び込んで先に何か食べようとするのはケヴィンらしい。ケヴィンらしいが……。「旦那様、奥様がまだ厨房にいらっしゃいます」「げっ!」本当に、「げっ!」のタイミング。レティーシャに会わせる前にケヴィンに事情を話すという計画が台なしである。舌打ちして走り出したアレックスのあとを、グレイブは追う。徐々にひらくアレックスとの距離。愛用の武器であるメイスが重く感じた。(年はとりたくないものだ)遅れて厨房に駆け込むと、ケヴィンはレティーシャの専属侍女で護衛のロシェットに捕縛されていた。髪と目の色は違うが、やはり侵入者はケヴィンだった。関節を固められて動けないケヴィンを呆れるように見下ろすアレックス。ケヴィンの口から「うー」とか「むー」としか聞こえないのは、その口にジャストフィットするサイズのリンゴが押し込んであるからだった。レティーシャの姿を探すと無事……どころか、箱状の防御壁に包まれていた。発生させたのはカシム。ガロンの姿がないことから、レティーシャの料理の先生役を弟子から奪ったのだと推察された。後進に任せたならあまりしゃしゃり出てくるなと言いたいが、自分が同じ立場なら似たようなことをしたと自覚があるのでグレイブは黙っていた。ここにカシムがおり、レティーシャを防御壁で包んだのはよい判断だった。この防御壁には万が一に備えて風魔法で遮音効果も付与されている。今回の場合はケヴィンだが、愚か者の愚かな発言を不用意にレティーシャに聞かせたくないというアレックスの配慮だった。(本当に仕事はよくできる)「ケヴィン、一言も話さないと約束するならリンゴをとってやる。特に彼女についてのことは、だ。『誰だ』も『どうして』
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-24
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40.弟の突撃訪問①

ケヴィンにとってアレックスは自慢の兄。仲がよいから気心も知れていて、誰よりも強くて頼りになる当主だ。スタンピードの最前線に立つと聞いたときも、心配ではあったがアレックスなら大丈夫と心のどこかで思っていた。実際、最初の数日は予想通りの報告を受けていた。不眠不休で戦っている。三面六臂の活躍をしている流石は兄貴とケヴィンは思っていた。そのアレックスが倒れたと聞いたとき、始めは冗談だと思った。もしかしたら疲れたのかもしれない。休めば治ると、まさかアレックスが死線を彷徨うことになるなど思ってもいなかった。目が覚めたという連絡がすぐに来るはず。そんなことを思いながら、ケヴィンは領主代理として周辺の領主たちと国境線の維持に努めた。アレックスの不在を知った周辺各国や蛮族たちがいい気になり始めていたから。すぐにいい報せがくる。そう信じるケヴィンを嘲笑うようにアレックスの容体はよくならない。それどころか悪化するばかり。グレイブから「いつでも王都に来られるように準備をしておいてください」と連絡を受けたときは、、アレックスが死んでしまうに違いないとケヴィンはオリヴィアと一緒に泣いた。アレックスが倒れて半年、国王が王命を出した。スフィア伯爵家に出されたものだったが、ケヴィンからしてみれば「アレックスと結婚させてやるから治せ」というもの。ラシャータを公爵夫人として受け入れろというウィンスロープへの命令に思えた。当時のアレックスは体のあちこちを腐らせ、かろうじて生きてはいるという状態だった。そんな状態のアレックスをあのラシャータが治すだろうか。なにしろ聖女なんて肩書だけ、ラシャータはアレックスを殺して自由になるのではないか。グレイブにはラシャータを厳しく監視し、小まめに報告するように言いつけた。そして、報告にケヴィンは目を疑った。ラシャータはアレックスの傍を離れず、治癒力を使うだけでなく少しでもアレックスが心地よいようにと腐臭のする体を拭いて清めているという。ラシャータの豹変についてはオリヴィアのほうが冷静だった。何が目的であってもアレックスを治すならいいではないか。つまり、アレックスを治せ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-25
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