All Chapters of 隠された愛 ~ 「もう少し」ってあとどれくらい?: Chapter 131 - Chapter 132

132 Chapters

【外伝】3-5

「ごめん、陽菜……」……これは、予想外だった。少し、いやかなり、己惚れていたみたい。―――ゴムを着けないで生でシようと言えば、ソウのやつは直ぐにむしゃぶりついてくるぞ。異母兄よ、蒼はむしゃぶりついてこなかったよ。それどころか、拒否されてしまった。……それは、そうか。二人目とか言っているけれど、それよりも結婚するかどうかが先なのが普通。蒼と離婚するとき、海を籍に入れることが先だと、蒼は条件のようにそれを要求した。嫡出にすることは、蒼にとって、、私が思う以上に大事なことなのかもしれない。いまの時代、嫡出と非嫡出に法律的な扱いの差はほぼない。でも、それは法律的な観点であって、人の感情はそう簡単に割り切れないのだろう。蒼はそれを、異母兄で経験しているのかもしれない。「陽菜、その、する前に、確認しておきたいことがある」蒼と、また結婚するか?子どもができたら、結婚するか?当然の確認かもしれない。でも……怖い。蒼とこうして、海を一緒に育てられている今の環境に私は満足している。安心、できる。蒼はいつもせっせと、私と海のところにくる。以前の結婚のとき、蒼が私を放置していたことが嘘みたいに、毎日、どんなに遅くなっても連絡だけは寄越す。蒼と会う予定がなくて、私たちが家にいないときに蒼がきたときは、蒼は必ず「どこにいる?」と聞いてくる。以前の結婚のときは、私が家にいるかどうかの確認もしたことがなかったのに。「どこにいる?」と聞いたあと、蒼は必ず「ごめん」と謝る。監視しているわけではなく、ただ不安なだったと、そう言って謝る。ここで私が「謝る必要はないよ」と蒼に言って、どこかに行く前に蒼にメッセージの一つでも残してから出かけることは大した手間でもない。でも、私はやらない。蒼に、安心させたくないから。不安でいる限り、蒼は私のことを気に掛け続ける。――― 社長と同じマンションって、監視されている気になりませんか?黒崎さんに、いつだったかそう聞かれたことがある。前の結婚を知る黒崎さんにとって、蒼の用意した部屋に暮らす私は、相変わらず籠の鳥のように見えるのかもしれない。でも、いまの私は蒼の用意した部屋に自ら入ったの。蒼を、常に不安にさせるため。 捕まった鳥は、逃げること諦めてしまう。そんな鳥を見て
last updateLast Updated : 2026-02-15
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【外伝】3-6

――― 結婚したら、蒼はまた私を見なくなるもの。陽菜の言葉に、予想外で唖然とした自分と、どこか納得できた自分がいた。 陽菜との離婚は、俺のせい。だから、海のパートタイムダディであることは「仕方がない」と思っている。陽菜が、俺のことを海の父親として受け入れ、俺が海と会うことを認めてくれていることも、幸運だと思っている。海にとってこの“父親の形”がどうなのか、良いのか悪いのかは、この先の海を取り巻く環境の変化で変わっていくだろう。俺にできることは、海が昔を振り返ったとき、こういう“父親の形”で楽しかったと、後悔されないようにすること。そんな気持ちだったけれど、振り返れば俺は海からたくさんの幸せと愛情をもらっている。海が俺に与えてくれるのは、無垢な愛情。子どもってこんなにまっさらなんだなって、俺はよく驚いている。海を育てることで、俺の中の何かは変化しているようだ。子ども好きになった、とかではない。ただ、海以外の子どもにも目がいくようになった。階段の上で小さな子どもを見かけたときや、横断歩道のそばに子どもがいるのを見かけたときは、大丈夫かと、安全だと思える状況になるまでなんとなく目で追っている。声をかけるわけでも、ましてや、手を貸すわけではないが……見守り、のようなことをしている。見かける子どもに、海を重ねているんだろう。そんな子どもを見かけると、海は安全だろうかと不安になる。家で、安全にしているだろうかと、会社帰りに陽菜たちの部屋に立ち寄っている。部屋に陽菜たちがいないと、「いまどこにいる?」と連絡を入れてしまっている。――別れた夫からの頻繁な所在確認って、陽菜さん、迷惑なんじゃねえか?黒崎に、そう言われた。海はまだ幼いから、直接連絡できない。陽菜に聞くしかない。そう抗議することもできただろうけれど、俺は抗議しなか
last updateLast Updated : 2026-02-16
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