「派手にいこう」派手。それは、凱おじさんの大好物だ。「レストランを貸し切ってパーティーだ」「かしきり?」「全部、俺たちのものにするってことだ」全部……お店を?できるの?僕は驚いて、海と顔を見合わせた。海は、笑顔。海の目の中の僕も、笑顔。なんだかすごいよね。「ホワイトデーはな、男性が女性をもてなす日だ」お祖父ちゃんが静かに言う。今日はお祖父ちゃんと会議に参加している。背筋がまっすぐで、声も落ち着いている。お祖父ちゃんは、元外交官。日本を守るために、外国の人とむずかしい話で戦うお仕事をしていた。外国では、バレンタインデーに男の人が女の人に「好き」って言うんだって。奥さんや恋人だけじゃなくて、お母さん……とか、『いつもありがとう』って言いたい女の人に気持ちを伝える日。お祖父ちゃんによると、日本人の男の人は女性に対して気持ちを言いなさ過ぎなんだって。将来好きな子ができたら、相手がもう嫌だって思うくらい、好きだって言いなさいって言われた。嫌なことをしていいのかな?そう思ったら、凱おじさんは「嫌よ、嫌よも、好きのうちだ」と教えてくれた。海が「ママはパパのこと嫌いって言っているけれど、それは好きってことなんだね」と言ったのには苦笑していて、その隣で蒼叔父さんは凹んでいたけれど。.「レディーをエスコートする。椅子を引き、ドアを開け、花を贈る」花!「僕もやる!」「もちろんだ、キャプテン」凱おじさんが僕の肩を叩く。「キャプテン? 僕が? おじさんじゃなくて?」「これは煌が考えたことだ」「凱伯父さん、僕は?」「海は副キャプテンだ。さて、今回のテーマは“ありがとう”だから、ここは思いきり格好よくレディーファーストでいくことを提案する」れでぃー……?「女の人を大事にするってことだよ」海が「ママを?」と聞く。「そう、海のママも、お祖母ちゃんも、翠おばあちゃんも……あとは、咲さんかな」お父さんの言葉に、凱おじさんが少しだけ咳払いをした。「凱おじさんへの報酬だね」「……黒崎になんて言うべきか……」がっくりって感じの蒼叔父さんの肩を、お父さんがポンポンって叩いた。「よし、決まりだ。レディーたちを招待して晩餐会だ!」晩餐会。なんだか、すごく大人だ。 *計画は、僕と海が中心になって進めるって決まった。まずは、
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