All Chapters of 二人の彼女がいる理由: Chapter 111 - Chapter 120

137 Chapters

第109話までの目次

【目次】 § 第1章 一線を越えた日 第1話 由紀 第2話 祥子 第3話 二人の彼女 第4話 音楽準備室§ 第2章 誕生日会 第5話 校庭のベンチ 第6話 玲子 第7話 招待 第8話 由紀の父親 第9話 転校の書類 第10話 拉致 第11話 誕生日会 第12話 祥子の家 第13話 欠席 第14話 美登里§ 第3章 引っ越し 第15話 商店街 第16話 圭と明 第17話 新しい家族 第18話 実母 第19話 叔母 第20話 一時帰宅 第21話 尋問 第22話 約束§ 第4章 裁判 第23話 復学 第24話 お見舞い 第25話 寝室 第26話 相談 第27話 再会 第28話 被告人範経 第29話 麗華の証言(1) 第30話 麗華の証言(2) 第31話 弁護 第32話 就寝 第33話 朝食 第34話 登校§ 第5章 家業 第35話 親権 第36話 役員会 第37話 涼子 第38話 同居 第39話 立ち聞き 第40話 手伝い 第41話 養子縁組 第42話 テコ入れ 第43話 望み§ 第6章 レイ 第44話 乗っ取り 第45話 寛子 第46話 新アルゴー社 第47話 零番機 第48話 自己紹介 第49話 お披露目§ 第7章 ヘルマン家 第50話 訪問 第51話 ジョン 第52話 秘書 第53話 会食 第54話 四姉妹 第55話 ホームステイ 第56話 キス 第57話 文化祭 第58話 校長室 第59話 劇§ 第8章 アンダーソン家 第60話 推論 第61話 開発者 第62話 トム 第63話 秘密 第64話 会話 第65話 シャーロット 第66話 格闘 第67話 特別なとき 第68話 破損 第69話 違い 第7
last updateLast Updated : 2026-02-19
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第109話 クリスマスイブの誓い

 範経は下を向いてつぶやいた。「結局、何も変わらないのか」「お父様が変わったのです」とレイ。「ぼくが?」と範経。「はい」とレイ。「お父様は、今でもフォーシスターズ時代のことを恨んでおられますか?」「いや、全く」と範経。「変わっておられます」とレイ。「え?」と範経。「顔がくつろいで、眉間のしわが無くなっています」とレイ。「そうなのか……」と範経。「だが、ぼくはあれでよかったとして、他の人にどう謝罪すればいい?」「どうして謝罪が必要なのでしょうか?」とレイ。「ぼくは夢の中だと思い込んでいた空想の世界で、彼らに暴行を働いてしまった」と範経。「空想の世界での行為が問題になるでしょうか?」とレイ。「そもそも、夢と空想では大した違いはありません」「しかし、美登里姉さんや涼子姉さんは本物だったのだろう? それから麗華ちゃんやシャーロットも」と範経。「皆さまは希望されて、お父様の夢の世界に入ったのです」とレイ。「だが、君が感覚の度合いを手加減していたとしても、痛みは本物だったはずだ。ぼくは申し訳なく思う」と範経。「夢の中での痛みにすぎません。皆さまは覚悟をされていました」とレイ。「それよりも、長時間の同期による副作用を心配されていました。体が制御不能になる危険性の方が深刻ではないでしょうか」「その通りだね」と範経。「やはり申し訳ない」「謝罪よりも、なぜそのような危険を冒してまで助けに来てくださったのかを考えるべきではないでしょうか」とレイ。「彼らは本当に希望したのかい?」と範経。「順番で揉めていました」とレイ。「麗華ちゃんも?」と範経。「はい」とレイ。「止めようとした美登里様を工具で脅していました」「現実に戻ってから後悔していただろう?」と範経。「皆さま、楽しそうにしておりました」とレイ。「分からないな」と範経。「そのようなことは明日以降、本人たちにお会いして確かめればよいのではないでしょうか?」とレイ。「大切なのは謝罪ではなくて、好意に対する返答だと思います」「ぼくは何を返せばいい?」と範経。「好意に対しては好意で返せばよいのではないでしょうか」とレイ。「だが、大きすぎる好意だよ」と範経。「ぼくには返しきれないように思う」「だからと言って逃げてしまっては、解決になりません」とレイ。「どうすればよい?」と範経。「堂々
last updateLast Updated : 2026-02-20
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第110話 母寛子

 範経は、レイに付き添われて家のドアを開けて玄関に入った。家の中は寝静まっていた。範経はそっと靴を脱いで框を上がった。 ドアのすりガラスからダイニングルームの明かりが漏れていることに気がついた。ドアをそっと開けると母親の寛子がテーブルの椅子に座っている。「範経、おかえりなさい」と寛子。「ただいま、お母さん」と範経。「お母さんが家にいるなんて珍しいね」「ここは私の家よ」と母親。「幸一を追い出したから、この家の名義は私なの」「そうだったね」と範経。「範経、そこに座りなさい」 寛子が立ち上がった。「お腹がすいてるでしょ。食べるものを用意するから」 普段は感情の起伏の激しい寛子が、妙に落ち着いていて不気味だった。範経は母親の言葉に従って、そっと椅子に座った。「レイ、あなたはもう下がりなさい」と寛子。「範経の世話は私がするから」 レイは無言で頭を下げてから部屋を出ていった。 寛子は用意してあった材料で手早くベーコンのパスタを作り、温かいスープを添えて範経の前に食器を並べた。「食べなさい」と寛子。「いただきます」と範経。_ 範経が食べ終わった。 寛子は範経の前にホットコーヒーが入ったカップを置いて、範経の向かいに座った。「私、少し怒っているのよ」 寛子は真顔だった。「え?」と範経。「あなたに対してじゃないわ」と寛子。「美登里たちによ」 範経は返事をしなかった。「昨夜出張から帰ってきたの。それで美登里に連絡したら、あなたが入院したって聞いたわ。だけど大したことではないから来なくていいってあの子が言うのよ。だけど心配で、今朝病院に行ったの」と寛子。「病院であんたがもう退院したって聞いて、久しぶりにこの家に帰ってきたわ」「ぼくはもうすっかり大丈夫だよ」と範経が笑顔で言った。「そのようね」と寛子。「よかったわ」 寛子はしばらく間をおいて続けた。「今朝この家に入ったのだけど、誰もいなかったわ。それで私、ここで端末を開いてアルゴーの人工知能につなげたのよ」 範経は周囲をうかがって腰を浮かしかけた瞬間、寛子に腕をつかまれた。「逃がさない。今日は話を聞いてもらうわ」と寛子。「あなたは、隣のリビングルームで美登里と涼子を犯していたわ」と寛子。「あれは夢なんだ」と範経。「というか、ぼくが夢だと思い込んでいた電脳上の仮想世界でのことなん
last updateLast Updated : 2026-02-21
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第111話 盗撮

 範経より前に、美登里と涼子、圭、明の「四姉妹」は、由紀、祥子、シャーロット、麗華を連れて帰宅していた。夢の国からの帰還を祝う打ち上げパーティーをするつもりだった。しかし美登里はダイニングルームに機嫌の悪い母親の寛子がいることに気が付き、こっそりと全員を美登里の部屋に誘導したのだった。 八人がしばらくお菓子を食べながら雑談をしているうちに、範経がレイを連れて帰ってきた。レイはダイニングルームを追い出された後、美登里の部屋をノックした。「どうぞ」と美登里。 レイがドアを開けた。「よろしいでしょうか?」とレイ。「いいわよ。どうしたの?」と美登里。「寛子さまに下がってよいと言われました」とレイ。「範経は母さんに捕まったの?」と美登里。「はい」とレイ。「面白いことになったわね」と美登里。「はい」 レイがほほ笑んだ。「リビングルームの防犯カメラの映像をこの部屋のプロジェクターに映せる?」と涼子。「はい」とレイ。 壁一面を覆うスクリーンが下りてきて、プロジェクターが三つの画面に分割された映像を映した。範経が母親の作ったパスタを食べている様子を三方向から表示している。「レイ、この映像はどうやって撮っているの?」とシャーロット。「光学迷彩付きのドローンカメラを使っております」とレイ。「勝手にのぞき見なんてしてもいいの? 範経はあんたのご主人様でしょ?」とシャーロット。「お父様の安全を確保するためです」とレイ。「三機も飛ばしてるの? 手慣れてるわね」とシャーロット。「範経はドローンに気が付いてるの?」「ときどき、ドローンを目で追っています」とレイ。「こんな隠し撮りをしょっちゅうやってるわけ?」「兄は気が向いたら盗撮してるわ」と圭。「え、ひょっとして高校での盗撮も?」と由紀。「いいえ。兄さんは高校では撮影してないわ」と明。「じゃあどこで?」と祥子。「母の情事をしつこく追っているわ」と圭。「浮気を調べていたの?」と涼子。「最初のうちはそうだったみたいだけど、離婚しても追ってたから」と圭。「何のために?」と祥子。「兄さんの情報端末には、隠し撮りした母の動画が大量にあるのよ」 明はどや顔で言った。「え?」と由紀。「なぜ?」「気になるからでしょ」と美登里。「お母さんのことが嫌いなんじゃ……」と由紀。「範経はガチのマザコンよ
last updateLast Updated : 2026-02-22
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第112話 興奮剤

 範経は急に顔がほてり動悸がした。 「母さん、ぼくに何したの?」と範経。「さっきあなたが食べたパスタとコーヒーに一服盛ったのよ」と寛子。「何を入れたの!」と範経。「興奮剤と勃起薬。正確には更年期障害薬のホルモン剤と血管拡張薬よ。毒じゃないから心配いらないわ」と寛子。「そろそろ効果が出始めるころかしら。あなた若いから、かなり効き目があるはずよ」「なんでそんなことをするんだよ!」と範経。「あなたに罪悪感を持ってほしくないからよ」と寛子。「これから間違いを犯しても、頭のおかしい母親に騙されたからだって思えるでしょ」「ぼくは間違いなんて犯さないよ!」と範経。「わたし、許せないのよ」と寛子。「何を?」と範経。「気に食わないことがあったのなら、謝るよ」「あなたじゃなくて、美登里たちよ」と寛子。「私だけ除け者にされて、すごく腹を立てているの」「それなら、姉さんたちに文句を言えばいいじゃないか」と範経。「それでは解決にならないわ」と寛子。「解決って?」と範経。「私の気が済まないってことよ」と寛子。「それにわたし、あなたのことを誤解していたことに気が付いたのよ」「誤解?」「そうよ」と寛子。「昼間、わたしはあなた達が夢の中でしていることを、ずっとここで見ていたわ。あなたが私たちの首を切って、このテーブルに並べていたでしょ。すごく驚いたわ」「あのとき、ぼくはおかしかったんだ」と範経。「だから、お母さんは気にしないで」「そうじゃないわ」と寛子。「わたし、あなたに嫌われていると思っていたけど、あなたに愛されていたんだって分かったわ。だってあなたは、首を切り落とすほど私たちに分かって欲しかったのでしょ?」「ぼくはお母さんのことが好きだよ」と範経。「だけど、こんなことじゃないんだ」「こんなことって何?」と寛子。「催淫剤をこっそり飲ませることだよ」と範経。「あなた、美登里や涼子たちに嬉しそうに腰を振っていたわよね」と寛子。「あれは夢だと思い込んでいた仮想世界のできごとで……」と範経。「あの子たちはあなたに愛されて満足して、あなたはうっぷんを晴らしてすっきりした」と寛子。「私だけここでディスプレイ越しにあなたたちを眺めていたなんて、ひどいわよ」「でも母さんは母親じゃないか!」と範経。「姉や妹がよくて、母親がダメな理由って何?」と寛子。 範経は言
last updateLast Updated : 2026-02-23
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第113話 謝罪

「まだお薬の効果が十分出てないみたいね。もう少しお話ししましょう」 寛子は椅子に座っている範経の隣に立って目を合わせた。「範経、実はあなたに謝らないといけないことがあるのよ」「何?」と範経。「あなたが中学二年生の時の家出のことよ」と寛子。「あれは母さんのせいじゃないよ」と範経。「そんなことじゃないわ」と寛子。「この際、正直に話しておこうと思うのよ。あなたに嫌われるだろうけど」「どういうこと?」と範経。「あの頃のあなたは、神経質で内気でわがままで、そのくせかまってもらえないとすぐ拗ねてしまう。そんなあなたが疎ましかったわ。事業で成功して、かわいいフォーシスターズは好評で、私の個人的な評判も上がっていた。何もかもうまくいっていた。ただあなただけが異質で、溶け込めない存在だった。だから消えていなくなればいいと思っていたわ」「知ってるよ」と範経。「母さんはいつも冷たい目でぼくをみていた」「そうね」と寛子。「ごめんなさい」「いいんだ」と範経。「冷たいのはお母さんだけじゃなかったし」「そうだったわね」と寛子。「あなたが出ていくのも仕方がなかったのかもしれないわ」「もう気にしてないよ」と範経。「あなたは中学二年のクリスマスの日に家出した」と寛子。「そして約一年後の中学三年の年末に帰ってきた」「うん」と範経。「あなたがいなくなって、家の中が落ち着くと思っていたわ。だけどそうならなかった」と寛子。「美登里と涼子が、家のドアの設定を変えて家に入れなくした幸一をひどく責めたわ。幸一は軽いいたずらのつもりだったらしいけど、美登里は幸一に激怒した。本当に美登里は幸一に殴りかかって、涼子と私が止めに入った。それから圭と明は、以前から口数が少なかったけど、家の中でほとんど話さなくなった」 範経は何も言わなかった。「幸一と私はようやく気がついたわ。あなたたちは仲が良かったのね」と寛子。「そんなことないよ」と範経。「お母さんよりも、姉さんたちの方が嫌いだよ。むしろ、お母さんのことなんてどっちでもよかった」「そうなのね」 寛子は寂しそうにつぶやいた。「ある日、幸一とわたしが家でひどい喧嘩をしたあと、涼子が何も言わずに出ていったわ。もう戻ってこなかった」 寛子は続けた。「止め役の涼子がいなくなって、美登里は幸一の顔を見るたびに暴力を振るうようになって、幸
last updateLast Updated : 2026-02-24
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第114話 スカート

 寛子は範経の肩に手を置いたまま、話をつづけた。 「家出中、どこいいて、何があったの?」「教えない」と範経。「言えないような場所なの?」と寛子。 範経は返事をしなかった。「あなた、大人になるような経験をしたのでしょう?」と寛子。「いろんな人に出会って、友達ができた。それだけだよ」と範経。「どんな友達なの?」と寛子。「母さんが知ってどうするの?」と範経。「そのお友達にお礼を言いたいわ。あなたを大人にしてくれてありがとうって」と寛子。「友達にはもう会えないんだ」と範経。「なぜ?」と寛子。「教えない」と範経。「ぼくは大人を信用していないから」「そう。残念ね」  寛子は家出の話を切り上げた。 しばらく間をおいて、寛子が本音を打ち明けた。 「あなたとやり直したいの」「お母さんはもう用済みだよ」と範経。「あなたの役に立ちたいのよ」と寛子。「いらないよ。もうたくさんだ」と範経。「あなた勃起してるでしょ」と寛子。「母さんが一服盛ったからだよ」と範経。「わたし、簡単に役に立てるわよ」と寛子。「ねえ、試してみない?」「何を?」と範経。「言わせるの?」と寛子。「うん。母さんには逐一説明してもらうことにしたんだ」と範経。「わけが分からないし、信用もしてないから」「ひどいわ」と寛子。「なら、もういいよ」と範経。「お母さんとセックスしない?」と寛子。「どんなセックス? もっと具体的に言って」と範経。「どんなって、普通のセックスよ。異常なのがいいの?」と寛子。「普通のセックスか」と範経。「つまりお母さんの膣にぼくのペニスを入れるってこと?」「そうよ」と寛子。「本当にお母さんはそれを望んでいるの?」と範経。「そうでなければ、あなたにこっそり興奮剤なんて飲ませないわ」と寛子。「なんで?」と範経。「愛するあなたをつなぎ留めておきたいからよ」と寛子。「それだけ?」と範経。「お母さんは愛に飢えているの」と寛子。「だからペニスが欲しい」と範経。「そうよ。あなたのペニスが欲しい」と寛子。「ぼくのでなくてもいいじゃないか」と範経。「意地悪言わないで。お母さんのあそこはもう濡れてるわ」と寛子。「確かめていい?」と範経。「もちろんよ」と寛子。「スカートをまくり上げて」と範経。 寛子はベージュのタイトスカートのすそを左右からつ
last updateLast Updated : 2026-02-25
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第115話 指

「お母さん、前から聞きたかったことがあるんだけど」 範経は中指をくねらせた。「な、何?」と寛子。「ぼくのこと、今でも嫌いでしょ」と範経。「何を言うのよ」と寛子。「嫌いならこんなことしないわ」 「離婚したとき、ぼくを引き取らなかったのは盗撮事件を疑ったせいじゃないよね」と範経。「え、どういうこと? あなたがやったって思い込んでいたわ。ごめんなさい」と寛子。「嘘だ。母さんは疑ってなかった。後で高校の先生から聞いたよ。母さんが高校にひどく抗議していたって」と範経。「職員会議にまで乗り込んできて大変だったって、国語の川田先生が教えてくれた」「あなたのことが好きだったのよ。あなたを信じていたからよ!」と寛子。「違うね。理由はわからないけど、母さんはぼくが犯人ではないことを確信していた」と範経。「高校に激しく抗議したのは、デマが拡散したら会社の評判が落ちるからでしょ?」 寛子は言葉に詰まった。 範経は中指を再びくねらせると、寛子は両脚をすぼめた。「脚を広げて」と範経。 寛子は肩幅に足を開いて、両手で範経の肩をつかんだ。「両手を頭の後ろで組んで」と範経。 寛子は範経の言葉に従った。 範経は中指を一度膣から抜き出すと、今度は中指と人差し指の二本を膣に差し込んだ。「はうっ」 寛子は息を吐いた。「正直に答えないとここでやめるよ」と範経。「いやっ、やめないでっ」と寛子。「何をやめてほしくないのか言って」と範経。「私の膣に指を入れて……」と寛子。「もっといやらしくおねだりしてよ」と範経。「お母さんのいやらしい穴に指を突っ込んでかき回してちょうだい!」 寛子は膣に指を差し込まれたまま、腰を前後に振った。「わかったよ」と範経。「母さんは痴女だね」「そうよ」 寛子は下卑た笑顔を見せた。「痴女のお母さん、それじゃあさっきの質問に正直に答えてよ」と範経。「あなたを美登里や圭と明から引き離すためよ」と寛子。「なぜ?」と範経。「だって、姉妹と一緒のベットに寝ているなんて異常よ」と寛子。「なるほど」と範経。「息子に膣に指を入れられて、かき回されるのは異常じゃないんだ」「意地悪言わないで!」と寛子。「だけど何で引っ越し先に迎えに来たの?」と範経。「幸一があなたを家出させようとしていたけど、うまくいかなかったから……」と寛子。「そのうえ
last updateLast Updated : 2026-03-03
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第116話 浮気

 寛子は両肩を抱えて範経の頭を抱き寄せ、耳元でささやいた。「あなたが盗撮騒ぎで家出していた間に、あなたの個人端末用のコンピューターを調べさせてもらったわ」「美登里姉さんから聞いてる」と範経。「姉モノのポルノ動画のことで散々冷やかされたよ」「あの話には続きがあるの」と寛子。「続き?」と範経。「データ通信の履歴をたどって、あなたのクラウドデータをハッキングしたの」と寛子。「別のサーバにもファイルを隠していたでしょ」「なぜそんなこと!」と範経。「だって、あなたが犯人でないことを確認しなければいけなかったのよ」と寛子。「信じてなかったの?」と範経。「一応、確認よ」と寛子。「別のパスワードが掛けてあったはず」と範経。「ハッキングしたわ」と寛子。「うそだろ……」と範経。「私は情報セキュリティーの専門家よ」と寛子。「そんな」と範経。「確かに高校での盗撮映像はなかったわ」と寛子。「だけど、別の盗撮の映像を大量に見つけた」 範経は返事をしなかった。「私の浮気相手との情事を撮影した動画が山ほど出てきたわ」 寛子はにっこりほほ笑んだ。「お母さん、びっくりしちゃった」__「それは浮気をやめさせようと思って……」と範経。「ずいぶん前から撮影してたみたいだけど、私には何も言ってくれなかったじゃない」と寛子。「どうしようか迷ってたんだ」と範経。「言い訳しなくていいのよ」と寛子。「お母さん、少しうれしかったわ」「え?」と範経。「圭と明はかなり驚いていたようだけど」と寛子。「圭と明も観たの?」と範経。「ええ。美登里もよ。絶望的な顔をして『同級生の盗撮をしてたほうがずっとましだった』って言ってたわ」と寛子。「そんな……」と範経。「あの子たち、ようやくあなたの異常さに気が付いたみたい。それから自分たちの気持ちにも」と寛子。「勝ち誇っていた私の顔を見て、毒づいていたわ。娼婦だの、毒親だのビッチだのさんざんなことを言って」「誤解だ……」と範経。「それから、あの子たちが娼婦になることにしたみたい。あなたを誘惑しようとして必死になっていて、おかしかったわ。だけどあなたは、あの子たちのベットでは寝るけど、何もしてあげなかった。あなたの気持ちはわかるわ。あんなサイコな女たちに手を出したら、あとが面倒くさいでしょ」と寛子。「母さんだって十分面倒くさ
last updateLast Updated : 2026-03-05
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第117話 クリスマスパーティー

 クリスマスの午後、アルゴー社の大きな会議室で内輪のパーティーが準備された。主催はアルゴー社の経営陣で参加者は社員および協力企業の関係者、付き合いのある学者、大口の投資家などである。参加者は四十人ほどの予定である。 副社長の美登里に参加を頼まれていた範経の彼女である由紀と祥子、それから義理の妹の麗華はすでに会場にいた。 すでに立食パーティー用の料理が運び込まれ、参加者が集まり始めていた。だがまだ開会の挨拶と乾杯までには時間があった。主催者として早めに会場に来ていた会長の幸一と副会長の寛子の元夫婦が顔をあわせた。「なんだその、売春婦みたいな恰好は?」と幸一。「あなたには関係ないでしょ」と寛子。「ハリウッドで流行ってるのよ」「スケスケじゃないか」と幸一。「何が悪いの?」と寛子。「立場をわきまえろよ」と幸一。「今回は仮装パーティーなの。ここでスーツなんて着てるの、あなただけよ」と寛子。「それは何の仮装だ?」と幸一。「魔女よ。このとんがった帽子を見ればわかるでしょ?」と寛子。「全然わからんな」と幸一。「それより、露出が多すぎないか?」「わたしだって女よ」と寛子。「裸で人目をひきつけなきゃいけない立場じゃないだろう?」と幸一。「この会社のVIPのことを忘れたの?」と寛子。「範経のことか?」と幸一。「そうよ」と寛子。「ひょっとして、お前まで範経の女になったのか?」と幸一。「何が悪いの?」と寛子。「本当に誘惑したのか?」と幸一。「あなたが考えたことでしょ?」と寛子。「確かにそうだが……」と幸一。「どこまでやったんだ?」「どこまで?」 寛子は怪訝そうな顔をした。「やることをやっただけよ」「範経はお前の息子だぞ」と幸一。「そうよ。範経は愛する息子よ」と寛子。「何が悪いの?」「やりすぎじゃないか?」と幸一。「はっきりわかるように示さないと、範経に伝わらないでしょ」と寛子。「最後までやっちまうとはな」と幸一。「口ぐらいでやめておけよ」「うるさいわね」と寛子。「中途半端なことをすれば範経に疑われるわ」「それもそうだが」と幸一。「それに、美登里や圭や明にはさせられないでしょ」と寛子。「ああ、そうだったな」と幸一。「私はこの会社の危機を救ったのよ。褒めてほしいわ」と寛子。「だがその恰好はひどいだろ。母親をやめて愛人になった
last updateLast Updated : 2026-03-07
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