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31 閑話 グレッグの妄想理論

~騎士達が撤収した後、グレッグとソフィア二人きりになった小屋の中~ ※グレッグ独自の妄想理論です。事実ではありません ✳︎✳︎✳︎ グレッグとソフィアは向き合って床に座っている。 「ソフィア、ショック療法を知っているか?」 「ショック療法ですか?えっと…聞いたことあるような気がしますが、ちょっと、よく分かりません」 「そうか、ソフィア、その…ショック療法とは、その名の通りショックを与えて症状を緩和することだ。 私はショック療法の心得がある。試させてもらえるか?」 「グレッグ様、そのショック療法とはどういったものですか?」 「あぁ、それはな、精神的ショックを受けた時に、身体にショックを与えることによってそのつらさを緩和させたり、忘れさせることだ。 つまりだな、つらいことの上書きみたいなことだ。 それでだな……ソフィア、その……私を…押し倒してくれ!」 「えっ?あ、あの、もう一度言っていただけますか?」 「オホン、だからだな、ソフィア…私を押し倒してほしいのだ」 「そ、そ、そ、そんなこと……できません」 グレッグ様を押し倒すなど、想像の限界を超えている。 そもそも意味が分からない 顔全体が真っ赤になっているのが自分でも分かる 恥ずかしくて俯いて床を見ていた すると、プチッ、プチッと音が聞こえてくる。 グレッグ様を見ると羽織っていたマントの留め具を外していた。 「あの、グレッグ様?」 グレッグはマントを脱ぐと、ソフィアの背後に手を回し羽織らせた。 マントの左右の端をそれぞれ両手で掴んだまま。 そして、マントごと自身へたぐりよせるようにそのまま後ろ向きに倒れ込む 必然的にソフィアがグレッグの上に覆い被さった状態になっていた 「ひゃ、グ、グ、グレッグ様、あ、あの」 慌てて起き上がろうとするソフィアを、グレッグは手を回して抱きしめる。 「グレッグ様、ど、ど、どうされたのですか」 ソフィアは訳が分からず混乱していた 「ソフィア、苦しいか?」 ゆっくり宥めるように、グレッグはソフィアに問いかける 「く、く、苦しくはないですけれど、は、恥ずかしいです!あ、あの、グレッグ様、ど、どうされたのですか?ちょ、ちょっと…」 「苦しくはないのだな。そうか、恥ずか
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32 第一部 最終話

ノーマン家は、没落した。 爵位、財産没収。 ノーマン伯は投獄され、アンジェリカ嬢は修道院送りとなった ✳︎✳︎✳︎ 私は久々に亡くなる間際の母の夢を見た。 「ソフィア あなたはきっと幸せになれるから。 だから約束して。 どんな事があっても、誰かを恨んだりしな いで。 憎しみは憎しみを呼ぶから。 心を強く持って。 あなたは、望まれて生まれてきたのだから 「お母さん!」 夢の中の母へ手を伸ばそうとした所で、がばりと上体を起こし飛び起きた。 幾度となく繰り返し見ていた夢。 いつも最後の部分がずっと思い出せなかった。 ひとすじの涙が頬を伝う。 深い愛情を注いでくれていたのだと実感する。 理不尽な嫌がらせを受けて、お母さんもずっと耐えていたんだね。 お父さんは、お母さんのことを大切に想っていたんだね。 だから、全てを捨ててもお母さんを追いかけたんだね。 そして、私が生まれた。 父の記憶は全くない。 お父さんのことを尋ねても、いつも何かと はぐらかされていた。 名前すらも知らなかった。 いつも哀しそうな顔をするから、触れてはいけないことだと幼いながらも思っていた。 私の存在を、父の家の人達に知られないために隠していたんだね。 ねぇ、お母さん、 お母さんは、幸せだった? お父さんは、どうして亡くなったの? 沢山聞きたいことがあるのに… でも、安心してお母さん これからは 私も、前を向いて生きていきます。 そう改めて心に固く誓った。 ✳︎✳︎✳︎ 「ようこそ。三日月亭へ。ご宿泊は何日ですか?何 「ソフィア、こっちもお願い」 「はい、ルイーザさん」 以前と変わらず、私は三日月亭で働かせてもらっている。 私は、フォルスター家にとっては危うい存在のようで、まだ誰にも口外しないようにと口止めされている。 ルイーザさん達にも、まだ話せていない。 忙しい日々を送る中で、時が過ぎるのは本当に早く感じる。 「ソフィア、あんたに手紙を渡すように頼まれてたんだった。今日はもう上がっていいよ」 「ありがとうございます。お疲れ様でした。お先に失礼します」 私は手紙を受け取り自室へと向かった。 手紙はグレッグ様
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第二部 プロローグ

 ✳︎✳︎✳︎ とある馬車の中、元貴族の女性が修道院へと送られていた。 貴族向けのその修道院は、戒律が厳しいと有名で、そこに送られるということは一生出ることは出来ないことを意味する。 通常の修道院とは違い、何らかの罪を犯した貴族の女性が送られる所だ。 もちろん、殺人などを犯した凶悪犯罪者はいない。 そういった者は、例え貴族であってもきちんと裁かれる。 軽犯罪を犯した者で、強制労働所送りの次に重い処罰を言い渡された者がおくられる場所だ。 一生そこからは出ることは許されない 亡き骸は焼却されて集団埋葬される。 元貴族達にとっては屈辱的なこと。 己の犯した罪を省みる場所。 名目上修道院ではあるけれど、事実上そこは収監施設だった。 そこへ向かう馬車の中で、手足を拘束された女性は虚空を見つめていた。 監視役として男が一人向かい側に座っている 通常こういう場合は、馬車内に修道院の職員の女性が騎士と共に同行するか、女性騎士が監視役につく けれどなぜか急遽変更となり、騎士ではなくその男が同行となっていた。「何を見ている」「…」 男は女性に問いかけるも返答はない「何か言いたそうな顔をしているぞ。話なら聞けるが」「……うるさいわね…もう、どうでもいいわ」「何がどうでもいいんだ?」「はぁ⁉︎ うるさいって言っているでし ょ! 私に話しかけないで!  本来ならあなたごときがこの私と同じ空間にいることさえおこがましいわ」「ははは、随分とお高くとまっているのだな。私が逃してやるといってもそういう態度をとれるのか?」「ふんっ、出来もしないことを言ってふざけるのも大概にして。それに、いったい私を逃してあなたに何の得があるの?」「得か…ある目的のためにお前を利用したいと言ったら?」「目的?まぁ、どうでもいいけど、冗談なら他の人に言いなさい。もう話しかけないで」「…ソフィアという娘を知っているか?」「やめて!二度と聞きたくない名前だわ。あの女のせいで‼︎」女性は両腕で自分自身を抱きしめるようにさすった後、自身の親指の爪を噛む。「あぁ!気持ち悪い!まだ触られた感触が残ってる!あの女のせいで‼︎許せない!」「ははは、随分と恨んでいるのだな、アンジェリカ」「はぁ!?誰が名前を呼ぶ許可をしたの!」「いいのか、そん
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「せんぱーい、グレッグせんぱーい」 「キース、何度も言っているが無駄に語尾を伸ばすのをやめろ。もう少しきちんとした話し方ができるだろう? 騎士として恥ずかしくない言動をだな…」 治安隊本舎内の廊下にて、グレッグは後輩のキースに呼び止められていた。 キースはいつも間の抜けた物言いをするが、その話し方とはうらはらに剣の腕はかなりのものだ。 有事の際には、自分の背後を任せてもいいと思うほどには信用している。多少、お調子者ではあるが。 「えー、ちょっと難しいっす。 それに、俺にそんなこと言ってもいいんですかー?」 「どういう意味だ?」 「この間のこと言いふらしますよー。 先輩が女性と抱き合ってたって。 いいのかなー? 俺らに仕事押しつけて、自分は女性とい ちゃついちゃってー。 あの後二人きりで何してたんすか?」 へらへらと笑いながらキースはグレッグへと話しかける。 グレッグは立ち止まると、キースを射殺すように睨みつける 「お前……見たのか?」 「なんすか?先輩、ちょっと怖いんですけ ど」 「彼女の顔を見たのか? 視界に入れるなと言ったはずだが? しばくぞ」 「ちょ、ちょ、こわっ!静かに怒るのまじ でやめてもらえませんか。こわいんすけ ど… パワハラされたと隊長に言いつけますよ」 「勝手にしろ」 グレッグは執務室へと向かい再び歩を進める。 「あ、ちょっ先輩待ってください」 「何だ、まだ何か用か」 「また、手紙が届いていたんすけど… どうします?」 「貸せ」 グレッグはキースの手から手紙を奪い取ると、目の前でビリビリと破きはじめる 「あー!先輩、だめっすよ! どうして破くんですかー」 「キース、片付けておけ」 「はぁー?ちょっとせんぱーい」 キースは、文句を言いながら床に散らばった手紙の残骸を必死にかき集めた。 「隊長に、言いつけますからね!」 ✳︎✳︎✳︎ その日グレッグは、隊長室に呼び出されていた。 治安隊は平民と貴族と混在しているが、上の役職に就くのは貴族が主であった。 実力主義の騎士とはいえ、平民の下で働くことに抵抗がある者も少なくない。 無意味な軋轢をうまないための措置でもあった。 隊長はグレッグの扱い困惑していた。 何年か前に治安隊に移動してきた青年。
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「いらっしゃいませ。三日月亭へようこそ。お食事のみのご利用でしたら、あちらの空いてるお席へどうぞ。」「こんちにちは、ソフィアちゃん。 ランチ3つ頼むよ」「はい、ランチ3つですね。今日のランチはルイーザさん特製のポトフです。」 三日月亭のお昼時は、混雑解消のためにメニューは日替わりランチのみの提供となっている。 ルイーザさんの作るポトフは、季節の食材をコトコト煮込んだ人気メニューだ。 ルイーザさんにレシピを教わって、最近やっと私も再現できるようになったところだ。  と言っても、まだお客様に提供する自信がなくて… ルイーザさんからは大丈夫だとは言われているのだけど。 練習も兼ねて、時々自分用に煮こんでいる。 今日も朝煮込んだので、お昼と夜と、明日の朝食べる分まであるかなと思う。 お給金までいただいているし、何から何までお世話になるのは申し訳ないので、少しづつ自立しようと心がけている。 その一環として食事は別に摂らせてもらうことにした。 部屋代も受け取ってもらえなくて… もう逃げる必要もなくなったので、そろそろ自分で部屋を借りようかなと考えている。 ダンさんとルイーザさんには本当にお世話になっている。二人への恩返しができていないので、できればここでのお仕事は続けていきたい。「いらっしゃいませ……グレッグ様?」 グレッグは入口の扉を開けると、すぐにソフィアの元へと向かう。騎士服姿のグレッグが通るだけで、周囲はちらちらと視線を送る。「ソフィア、変わりはないか?」「ふふふ、グレッグ様、毎日お会いしてるじゃないですか」 グレッグは、仕事帰りにいつも三日月邸へと顔を出すようになっていた。 ソフィアの元気な姿を確認しないと落ち着かないのだ。 時間の遅くなった時は、こっそり2階のソフィアの部屋の窓から覗くほどに…「…まぁそうだが、一緒にいない時にソフィアの身に何か起こっていないか、心配なんだ。私が常に傍にいられるといいのだが」「大丈夫です。でも……うれしいです」 ソフィアは、頬を染めて恥ずかしそうに答える。  その様子を目にしたグレッグは「かわいい」と言いながら、ソフィアの髪を少し指に絡めとり口づけを落とす。「グ、グ、グレッグ様…他の人が見てます」「問題ない。ソフィアの照れた顔を他のやからに見せたくはないが」「あ、あの、でも
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「はじめまして。俺はキースと言います。グレッグ先輩には…多分お世話になってるっす。この間は大変だったすね…」気さくに話しかけてくれるキースにソフィアは戸惑っていた。アッシュブラウンの髪色で健康的な肌色の人懐っこい青年だった。自分に対して普通に接してくれる人が増えていくにつれ、どのように接するのが普通なのかいつも分からなかった「えっと、この間というのは、もしかして…」襲われそうになった時に、そういえばグレッグ様がキースと呼んでいたことを思い出す「あ、あの時は本当にありがとうございました」「ソフィア、二人で━」「あ、グレッグ様とキース様、先に部屋へ行っていてもらえますか?すぐに戻りますので」「俺のことは呼び捨てでいいっすよ。じゃ先輩と待ってまーす」「呼び捨ては難しいので、キース……さんと呼ばせていただきますね。私のことは呼び捨てで構いません。では」ソフィアはグレッグの言葉を遮ってしまったことに後悔するも、重要なことを思い出したので二人へ軽くお辞儀をしてから立ち去った。グレッグはソフィアとキースのやり取りを見て、眉間に皺を寄せる。「ちっ、仕方ない。不本意だが…付いてこい」グレッグとキースはソフィアの部屋へと向かった。「先輩とソフィアは付き合ってるんですか?」「呼び捨てはやめろ」「えー、だって呼び捨てでいいってソフィアが…」グレッグは不覚にもキースの尾行に気づかなかったことを反省していた。手紙のことを考えていたとは言え、油断は禁物なのに。とにかく手紙の件を処理しなくては。ソフィアの部屋の前でグレッグは立ち止まる「先輩、ここですか?入らないんですか?」「女性の部屋へ勝手に入るものではない」「えー、でもソフィアが入っていいって言ってたじゃないっすか……ソフィアちゃんが…」グレッグの無言の威圧に耐えかねて、キースはソフィアの呼び捨てはやめた方がいいと思った。殺されかねないと…しばらくするとソフィアがトレイを持って戻ってきた。「グレッグ様、外で待たれてたのですか?お待たせしてすみません」「ソフィア、持とう。それと部屋には必ず鍵をかけるように」グレッグはさりげなくソフィアからトレイを受け取る。「鍵ですか?大丈夫ですよ。」「ソフィア、では、私のために鍵をかけてくれるか?」「グレッグ様のためにですか?分かり…ました。なるべく
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「グレッグ様、キースさん、良ければどうぞ。」ソフィアは作っていたポトフを温めて人数分持ってきていた。テーブルの上に並べると、カゴに入った三日月亭のパンも中央に置く。「おいしそう!俺もいいんすか?嬉しいっす」「これは、もしかしてソフィアが?」「はい!ルイーザさんに教わったレシピで作りました。まだお客様には提供したことはないんですけど。いつかグレッグ様に食べて欲しいと思っていて…お口に合うといいのですが。」「私のために…ありがとう」グレッグはお礼を言いながら隣に座るソフィアの手を取り握りしめる。ソフィアは戸惑いながらも、その手を握り返す。完全に二人だけの世界に入っていた「あのー、いちゃつくのは構わないんすけど、俺の存在忘れてません?」「キース、まだいたのか、さっさと帰れ」「えー、じゃあ手紙の件をですね」「す、すみません、キースさん。おかわりもありますのでどうぞ。手紙?」ソフィアは慌てて手を放すと、キースにパンを取り分けるグレッグはソフィアの温もりのなくなった自身の手を見つめたのちに、並べられた料理に視線を戻す「ソフィア、その件は後で話そう。先にいただこう。ありがとう」「はい、グレッグ様」「あー、なんか俺も彼女欲しいっす」食事を終えると、ソフィアは二人に紅茶を用意した。一息ついた後にグレッグがおもむろに手紙を取り出し机の上に並べる「ソフィア、今日ここへ来たのは、この手紙を渡すためだ。できれば……その、良ければなのだが、中を一緒に改めさせてほしい。これは元ノーマン邸に、ソフィア宛に届いていたものだ。差出人の記載はない。先日捕らえた侍女に尋ねたところ、以前も届いていたらしい。アンジェリカ嬢が一度だけ読んだ後、その後は読まずに全て捨てていたそうだ。ソフィア宛の物を勝手に処分するなど、非道極まりない」「えー、それ先輩が言えることですか?」「黙れ、キース」グレッグは自分も手紙を破り捨てていたことに関しては、素知らぬ顔だった。ソフィアは驚き戸惑いを隠せないでいた。「私宛に手紙ですか?恥ずかしながら、知り合いもいませんし…何かの間違いでは…」ソフィアは手紙を取り上げて裏を確認する。ペーパーナイフを取ってくると、全ての手紙を開封する。中の手紙を取り出すと、二人に見えるように机の上に並べて置いた。「誰からかも分かり
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「短いっすね。」 「"必ず迎えに行く" "待っていて" "もうすぐだから" なんだ、これは! ソフィア読む必要はない」 グレッグは手紙を取り上げるとぐしゃぐしゃに丸めて捨てようとした。 「あー、先輩、だめっすよ。それはソフィアちゃんの手紙なんすから。あ、そういえば先輩が破り捨てた手紙も持ってきてるっす」 キースは補修した手紙をソフィアへ手渡した 「ごめん、ソフィアちゃん、補修する時に読んでしまったっす。これも似たような文でした」 「えっ?補修?」 「だって先輩が━」 グレッグはキースの口を塞ぎ言葉を遮る 「ソフィア、ちょっとした不可抗力があったのだ」 「そ、そうなのですね、でもわざわざ補修していただいてありがとうございます。 この手紙には"近いうちに会いに行く"と書かれています。 えっと、どういうことでしょう…」 「ソフィア、この手紙は証拠品として預からせてもらえるか。それと元ノーマン邸には近づかないように。今は一時的に国の管理となっているが、もうすぐ競売に出される。手紙の送り主はあそこにソフィアがいると思っているようだから、絶対に近づさないように。やはりストーカーだったか。心配しないで大丈夫だ。私が必ず片付けておくから」 「えっと、私は外に出ることはなかったので、ストーカーではないと思うのですが…」 ソフィアの呟きはグレッグの耳には届いていなかった。 グレッグは早急に対処すべく、キースと共に三日月亭を後にした。 ✳︎✳︎✳︎ グレッグは本舎へ戻ると隊長室へと向かった。 ノックの返事を待つのももどかしく、室内に入室して早々に本題を切り出す 「隊長、しばらく休暇をいただきます」 「グレッグ、ちょうどいいところに来たな。ん?珍しいな、休暇申請か?」 「はい、例の手紙の件で、早急に始末しなければならない者がいますので。(ソフィアの)命に関わる重要案件です」 「グレッグ…手紙を届けたことは褒めてやるが、始末しないといけないような相手だったのか?」 「隊長に褒められても嬉しくありません。キースを、見張りによこしていましたね。信用されていないのがよく分かりました。なので、個人的に重要なことなのでしばらく休暇をいただきます。」 「お前なぁ、もう少し目上の者を敬え。まぁ、休暇は構わないが…一
last updateآخر تحديث : 2025-12-07
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✳︎✳︎✳︎お昼の多忙な時間帯を過ぎて、三日月亭に静けさが戻っていた。普段なら午後のティータイムや、宿屋にチェックインするお客様で賑わうのだけれど、本日はもう閉める予定だった。なのでソフィアは部屋で寛いでいた。明日からしばらくの間、三日月亭は休業予定だ。というのもダンさんとルイーザさんが旅行に行くからだ。 宿屋を営んでいるので滅多に休めないのだけど、それでも以前は定期的に旅行にでかけていたようだった。おそらく娘さんが亡くなってからは、初めての旅行だと思う。一緒に行かないかと誘われたのだけれど、夫婦水入らずで楽しんで欲しいので、今回は遠慮させてもらった。グレッグ様がいるので、二人も自分たちが留守にしても大丈夫だろうと安心している。私もこの際どこかに出かけてみようかなとも思う。グレッグ様と一緒に過ごしたい…なんて恥ずかしくてとても言えないきゃぁと一人頬を赤らめて、百面相のように悶えている所に、「ソフィア、大丈夫か」と部屋の窓からグレッグ様が声をかける。「グ、グレッグ様、どうされたのですかって、誰かに見られたら通報されますよ。危ないので中へどうぞ」グレッグは窓からソフィアの部屋へと足をおろす。「何度か声をかけたのだが。顔が赤いが熱でもあるのか」グレッグはソフィアの額に自身の額を軽く押し当てた。急にグレッグ様の顔が近づいてくるので、ドキドキドキと心臓の音がうるさい「うん、熱はないようだ」ソフィアはふっと軽く微笑むグレッグ様から目が逸らせないでいた。あまりにも近くで声をかけられて、耳元もくすぐったい真っ直ぐな好意を向けられることに、今だに慣れない。グレッグは戸惑うソフィアの腰に手を回して、自身へと勢いよく抱き寄せる。「ソフィア」「グレッグ様…んっ!」グレッグは自身の想いを、言葉の代わりに行動で示すようにソフィアと唇を重ねる。軽い口づけから始まり、舌を絡めるようにお互いの想いを確かめ合う。「ソフィア……あぁ、かわいい…」グレッグは口づけの後にソフィアを抱きしめ、ちゅっと軽く額へと口づける。ソフィアの金色の髪を撫でてグレッグはソフィアを解放する。いまだ熱を帯びた状態のソフィアを支えながら椅子へと腰掛ける。ソフィアはぼーっとのぼせたような状態で、くらくらとしていた。でもとても心地のよい感覚でもあり、いけないことをして
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ダンさん達を見送ってから、ソフィアは一人で朝食を摂っていた。食べ終えて洗濯をした後に、少し散歩に出かけようと考える。さっそくバタバタと洗濯まで終えて干し終わると、動きやすいワンピースへと着替えた。白地に水色の小花模様が入ったワンピースで、先日自分で購入したものだ。グレッグ様を思わせる色味に衝動買いしてしまったのだ。もう完全に自分は恋愛脳になりつつある…恥ずかしい左手の薬指には指輪もはめている。グレッグ様とは次はいつ会えるのだろう。昨日会ったばかりなのに、既に会いたくなっていた。街中へ向かうと、三日月亭の食堂を利用してくださるノーラさんとばったり遭遇した。「おや、ソフィアちゃん。ルイーザ達はもう出かけたのかい?」「はい、二人で楽しそうに出かけて行きました」「はっはっ。あの二人は仲がいいからね~。ソフィアちゃんも、これから見学へ行くのかい?」ノーラはソフィアへ1枚のチラシを見せた。「見学ですか?」「あー、ほら、あそこのノーマン邸が今一般開放しているのさ。競売に出されるまでの期間限定らしいけどね。お貴族様のお邸を見られる機会なんて、早々ないからね。私も今行ってきた所だよ。ソフィアちゃんも行くなら、そこから乗り合い馬車で近くまで行けるからね。気をつけて行っておいでね。じゃあ、またね」「は、はい」ノーラはソフィアが見学に行くと思ったようで、そそくさと立ち去って行った。「見学……」グレッグ様から近づかないようにと言われているけれど、少しだけなら大丈夫だよねあの手紙のことも気になる。私宛に最近も届けられているのなら、もしかしたらまた届けられるかもしれないソフィアは乗り合い馬車へ乗り込むと、元ノーマン邸へと向かった。門には騎士が2名いたけれど、特に確認なく自由に出入りできるようだった。賑やかな声もしていて、まるで観光地に来たようだった。昔のことがフラッシュバックするのが怖かったけれど、楽しそうな人達の姿を見て何とか平常心を保てていた。門を通り抜けて邸へ入って行く。ある程度の家具を除いて、ほとんどのものはなくなっていた。おそらくどこかへ撤去されて売りに出されたのだろう。不思議なもので、ここに住んでいた時よりも見学の今の方が自由に見て回れる。外からの日差しが差し込み明るく室内を照らしていた。本当はこんなに明るいのね常
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