カンタレラ〜毒公爵の甘い愛に溺れる〜의 모든 챕터: 챕터 71 - 챕터 80

86 챕터

71 文化祭

 講堂の前には、帰りと思われる学生たちの姿が多く見られた。 名残惜しそうに端の方に固まって、談笑している学生たちもいる。 なんか暗がりで抱き合っているやつらがいるような……? そんな奴らからは目をそらして、俺は妹の姿を探す。 ぞろぞろと門の方へと向かっている学生たちと、「まっすぐ帰れよー」 と声をかける先生たち。 でもマリアの姿、見当たらない。待ち合わせ溶かしたわけじゃねえしなぁ。駐車場の方に行った方がいいかも。 そう思って俺はエドに言った。 「マリア、見つかんないから駐車場の方行くよ」「あぁ、その方が確実かもね」 俺たちは人の波に乗って駐車場の方へと向かう。するとそこには迎えの車がたくさん止まっていた。似たような車が多いな。 うちの車どれだよって思って見回していると、「お兄ちゃん!」 って声が聞こえた。 そして腕を掴まれてしまう。 見ればマリアが怒った顔で俺を見上げていた。 「もう、捜したんだからね!」 と、不機嫌な声でマリアが言う。「ご、ごめんごめん。ここにくれば会えるかなって思って」 苦笑して俺が言うと、マリアは頷いて言った。「私もそう思ったの! お兄ちゃん、どこ行ってたの?」「それは……」「こんばんは、マリアさん」 言いかけた俺の言葉を遮って、エドが言った。 するとマリアがハッとした顔をして、ばっと俺の腕から手を離す。 そして前で手をそろえてニコニコと笑って言った。「こんばんは、エドアルド様。お兄様とご一緒だったんですね」 さっきまでお兄ちゃんって言っていたのに。しかもなんか声の高さも違うんだけど? 何その声、どこから出してるんだよ、マリア。 今さら取り繕っても遅いだろ。 そう思いつつ俺はマリアとエドを交互に見た。 そんなマリアにエドは微笑み言った。「すみません、俺がルカを誘ったんです。ご心配おかけして申し訳ございません」 そしてエドがなぜか頭を下げる。 いやお前が誘ったわけじゃねえよな? 俺がマルコさんに誘われて校舎に冒険しに行ったからなのに。 エドの言葉にマリアは口元に手を当てて驚いたような顔をする。「まあそうだったのですね。いいえ、私もお兄ちゃ……様を置いて友だちの所に行ってしまったので。待ち合わせを決めておけばよかったんです」 そしてマリアが苦笑を浮かべる。それは確かにそ
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72 妹の所へ

 外に出ると、想像以上にたくさんの人たちが門から入ってくるのが見えた。 しかも皆高そうな服を着てるし、見るからに上流階級っていう感じがする。それに高校の制服姿の子も目立つ。「いらっしゃいませー! ポップコーンいかがですかー?」「鳥類研究会で、鳥カフェやってます!」「占い喫茶でタロット占いできますよー」 なんていう声が響いてる。 鳥類研究会なんてあるんだ、初めて知った。 ちょっと心惹かれつつ、俺たちは高校の方へと向かった。 大学と高校は道を挟んですぐだ。 マリアに付き添って入ったことはあるものの、すっげー未知の場所で落ち着かない。 そわそわする俺に、隣を歩くエドが言った。「えーと、家庭科部だっけ」「あぁ、うん。そうそう」「じゃああっちだね」 って、エドは地図を見て指をさす。 なじみが全然ない俺とは違って、エドは慣れた感じでどんどん歩いていく。 俺は慌ててエドの跡を追いながら言った。「エドもここ、通ってたの?」「そりゃあね。貴族の子女はたいていこの学校に放り込まれるから」 だから迷う感じしねえのか。 俺なんてすっげーきょろきょろしちゃうのに。 高校の庭も、大学の方と同じで出店や呼び込みの生徒たちの姿が多かった。 部活の出店が多いみたいで、テニス部とかバスケ部とか看板に書いてあるのが見える。 俺はきょろきょろしながらエドに向かって言った。 「エドは高校で部活とかやってた?」「あぁ、うん……まぁ」 ってなんか曖昧に答える。 なんか答えたくないのかな。そう思って俺はエドの方を見るけど、変わった様子はない。 懐かしそうとかそういう感じもないし、嫌そうな感じもしないし。 不思議に思っていると、エドは肩をすくめた。「バスケやってたけどあんまり真面目じゃなかったから」 と、彼は苦笑する。 スポーツやってたんだ。ちょっと意外。「マジで? すげえー。俺運動部とかやったことねえんだよなぁ」 笑って俺が言うと、エドはなんか恥ずかしげに笑う。「だから真面目じゃなかったって。えーと、家庭科部はあっちか。家庭科部だと服も自分で作ってるんでしょ? どんな服かは聞いたの」「それ教えてもらってねえし、見せても貰ってねえんだよ。つくった物を展示してるらしいんだけどさ、楽しみなんだよねー」 人形なのか、ぬいぐるみなのかも教えてくれ
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73 マリアを観察

 注文をして俺はマリアの背中を思わず目で追ってしまう。 マリアは教室を出て、しばらくするとお盆を持って戻ってきた。 そしてこっちに近づいてくると、ニコッと笑って言った。「お待たせしました。カフェオレとケーキです」 そしてマリアは、まずコースターを置いて、そこにマグカップをのせる。ケーキがのったお皿を置いて、マリアは白いシュガーポットを手に持って言った。「えーと、こちらがお砂糖です」「ありがとう、マリア」 俺が言うと、マリアは頷く。「うん。食べ終わったら私の作品見せてあげるね、お兄ちゃん!」「あぁ、わかった」 マリアはお盆を抱えて頭を下げ、「ではごゆっくりどうぞ!」 と告げて去って行く。 そこに来客が来て、他の生徒が案内するのが見えた。 あ、あの長め金髪の高校生……あれ、王子じゃん。 マルセル王太子。俺にとって従弟にあたる。今高校三年生だ。 彼はマリアを見つけると手を振った。 なんか教室内、ざわついている。それはそうだよな、本物の王子が現れたら驚くよな。「ルカ、食べよう」 そんなエドの声にハッとして、俺は慌てて正面を向く。エドはカフェオレに砂糖を入れつつ俺の方を見ていた。「あ、ごめん」「ルカは妹さんのことになると周り見えなくなるよね。あぁ、そういうところうちの兄に似てるかも」 って、エドが苦笑いを浮かべる。 エドのお兄さんと一緒にされるとちょっと複雑なんだけど?「う……そ、そうかもしれねえけどほら、やっぱ気になるし」 マリアが誰を攻略するのかって。 本人と話してると、色んな名前が出てくるんだよな。マルセル王太子の名前も出てきたけど、わざわざここに来てマリアに手を振ったってことは、気があるんかな。 エドはシュガーポットをテーブルの真ん中に置いて言った。「今の、マルセル殿下だよね」「うん。だからちょっとびっくりして」 言いながら俺もシュガーポットを手に取って、カフェオレに砂糖を入れる。 「マルセル兄様、いらっしゃいませ!」 っていうマリアの声が背後からする。 振り返りたい。でもそれはあからさま過ぎるよなぁ。 マリアと殿下、どんな顔してるんだろ?「仲いいんだね、殿下と」「あぁ、マリアはね。ときどき会ってご飯食べたり勉強したりしてるみたいだし」 俺はカフェオレをかき混ぜて、マグカップを手に持った。
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74 生まれ故郷

 ケーキを食べたあと、マリアに作品を見せてもらった。 「これ、これ! 私の作品ー」 と、顔を赤らめて見せてくれたのは小さなドールハウスだった。 その家を見て俺はハッとする。 青い屋根に、茶色の壁。小さな家に四体の人形が飾られている。 この家、昔住んでいた家だ。そう思ってマリアの方を見ると、えへへ、と笑う。「驚いた?」「あぁ、うん。これって昔住んでた家……?」 俺が言うと、マリアははにかんで頷いて、そのドールハウスに目を向けた。「うん。もうこのおうちに帰る事ないんだろうけど、覚えているうちに形にしたくって。時間が経つとどんどん忘れちゃうんだよね。それが寂しかったから」 そう言って、マリアは目を細めた。 昔の家のこと、俺はあんまり覚えていないけど、でも見た瞬間懐かしさを感じた。 写真があるわけじゃねえから、想い出から消えたらそれまでだもんな。 マリアは俺の方を向いて言った。「お兄ちゃん、驚かせたかったんだー」 そしてえへへ、と笑う。 俺はそんなマリアの頭にそっと触れてちょっと笑って言った。「うん、超驚いた」 そしてすぐにぱっと手を離す。 マリアは嬉しそうに頷いて、「やったぁ」 と言った。 マリアのカフェを出て、俺とエドは高校の中を周る。 さっきより人が増えてて、教室に入っていく人、出ていく人がそれなりにいる。 文化祭の空気なんか懐かしいなぁ。 「なんかルカ、嬉しそう」 っていうエドの声がして、俺はびくっとして隣を見た。 エド、笑ってこっち見てるけどすっげー愛おしそうに見えるの気のせいかな。「え、そう?」「うん。さっきのドールハウスは君が住んでいた家って事?」「あぁ、うん。王宮に来る前に住んでた家だよ」「ってことはじゃあ、あの人形たちは」 マリアが作った人形は同じ大きさだったけど、皆金色の髪をして、服装は違っていた。 あの服も両親やマリア、俺が着ていた服がモデルだと思う。 俺は頷いて言った。「うん、両親と俺たち。すげえなあ、あんな風に物作れるって。俺そういうの出来ないから」 言いながら笑いが漏れてしまう。嬉しいし、でも懐かしくって心がぎゅうってしてしまう。 両親の顔、俺、あんまり思い出せない。日本でのこともあんまり思い出せなくなってきていて俺が誰なのかもよくわかんなくなってるのに。 でもたぶ
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75 新しい春がきた

 三日間の文化祭は、問題なく終わった。 マリアには新しい相手が現れたみたいで俺は気が気じゃなかった。 いったい何人攻略対象いるんだよ? そう思ってマリアに仲のいい男性の名前を聞いたら。「えーと、マルセル殿下でしょ? ラースさんに、ローラントさん、それに……」 って、どんどん名前が挙がってきてちょっと怖かった。 俺は乙女ゲームはやったことないけど、ギャルゲー考えると色んなキャラ出てくるから十人くらい当たり前なんだろうけど、ちょっとひく。 マリアの話を聞いている限りだと、エスターライヒ先生やマルセル殿下と仲がいいのかな。 でも他の男性ともけっこう仲はいいみたいで安心しつつ、俺はマリアの行く末をひたすら見守ることにした。 時は巡って新しい年を迎えた。 学校の校門に咲き乱れる桜たち。 ここファンタジー世界なはずだけど桜、あるんだなー…… って思って俺は風に舞い散る桜を見上げた。 青い空に満開の桜がよく映える。 俺とエドは三年生に、マリアは高校二年生になった。 ゲームのクリアまであと二年。 その先どうなるのか、俺には全然想像できなかった。 エドとずっと一緒にいられるんかな? それともやっぱ何か問題が起きたりするんかな? ゲームやっておけばよかった。って何度も思ったけど、どうにかハッピーエンド迎えられるといいな。 四月を迎えても俺とエドの関係に変化はなかった。 週に一度は外で会ったり、エドの家でデートしたりして。 もちろん身体を重ねることもあった。 春休み、何度も訪れているエドの部屋。 魔法でナカをきれいにされて、俺はエドに後ろから貫かれていた。「ひ、あ……」「ナカ、だいぶなじんできたね、ルカ」 うっとりとした声で言って、エドはぐい、と奥まで俺を貫く。 すっげー気持ちいい。エドとのセックス、何度もしてるけど身体を重ねるたびに新しい快楽を刻み付けられている気がした。 ずっと一緒にいたいしもっと重なりたいのに、でもエドとこういう事できるのは月に一、二回だ。部屋に遊びにきたって毎回抱いてもらえるわけじゃない。 勉強したり、他愛もない雑談したり、近所の散歩したりするから身体を重ねられる機会は超貴重だった。 俺は全裸なのにエドは服を着ていて、スラックスの隙間からペニスを出して俺を抱いている。 何度も抱かれて慣れているはずなの
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76 むさぼりあう

 エドが、抜かずに再び俺のナカで動き出す。 するとナカに出された精液が音を立てて隙間から溢れていくような感じがした。 気持ちいい。でも気持ち良すぎておかしくなっちゃう。 だから俺は体をくねらせて言った。 「え、あ……ダメ、エド、エド」 そして俺はエドの手から逃げようとする。 だけどエドはがしり、と俺の腰を掴んで離してくれなくって、グチュグチュと腰を揺らした。「ダメ、じゃないでしょルカ。素直になりなよ」 喉の奥を鳴らして笑い、エドはぐい、と俺を突き上げる。 ダメじゃないけどダメなんだよ。だってこのままじゃあ俺、イっちゃうもん。エド、服を着たままなのに。このままだと俺、エドの服、汚しちゃう。「ひ、あ……あぁ! ダメェ、エド、エド!」 突き上げられるたびに頭が真っ白になって、ビクビクってしてしまう。 大きく身体が揺れたかと思うと、俺は思い切り精液を放ってしまった。「あ……」 やばい、エドの服に精液がかかっちゃった。見下ろすと彼のシャツに白い液体がついているのがわかる。 エドは服を着たままなのに。やばい、どうしよう。 そう思った時、エドは俺のペニスに手を伸ばして鈴口を撫でて言った。「あーあ、出したんだ。これ、縛っちゃおうね」 嬉しそうな声音で言われて、俺は思わずつばを飲み込んだ。 エドは俺のペニスに紅いリボンをかけてグルグル巻きに縛ると、手首も頭の上で縛ってしまう。 エドはたまに、俺をこうして縛ることがある。 最初は戸惑ったけど、最近じゃあ縛られるのがすっげー気持ちよくって、なんか支配されているみたいで好きだった。 エドが嬉しそうにこちらを見下ろしていて、俺は熱い息を漏らす。 エドはリボンの上からペニスを撫でて言った。「真っ赤なリボンが似合うね、ルカ」「あ……あ……」 縛られてるのに俺のペニスはガチガチに勃起していてリボンがちょっときつく感じる。「ルカ、後ろだけでイけるでしょ? だから出さない訓練しようね」 まるでいいことみたいに言って、エドは俺の足を抱え上げてナカに入ってきた。 一気に奥まで突かれて俺は腰を浮かせる。「あぁ!」「ナカ、すごい締め付け。もう何回も抱いてるのに、ルカは何回抱いてもナカ、きついよね」「ひ、あ、あ……」 そんなのわかんないけど、奥突かれるの気持ちいい。 俺のナカ、収縮してエドの
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77 見合い話

 大学三年生になって、一気に受ける講義の数が減った。 去年の内にがんばって講義とったおかげもあるけど。 新しい年になれた五月週末。俺とマリアは国王陛下に呼ばれた。 久しぶりにスーツを着て、王宮へと向かう。 「珍しいわね、陛下がわざわざ私たちを呼ぶなんて」 ワンピース姿のマリアが不安げな表情を見せる。 そんなマリアに俺は笑いかけて言った。「そんな心配しなくても大丈夫だって」 そう言ったものの、正直心当たりが全然ない。 王宮に着き、通されたのは王宮の応接室だった。 真っ赤なソファーに並んで座り、お茶を飲みつつ待っていると扉が開く音がした。「お待たせして申し訳ないね、ふたりとも」 俺たちは慌てて立ち上がり、国王陛下を迎える。「いいえ、お忙しいでしょうし大丈夫です」 俺が答えると、国王陛下は俺たちの前に立ち、座るよう促した。「話なんだがふたりも」 国王陛下はソファーに座ると神妙な面持ちで言った。「見合いをする気はあるか?」「見合い……?」 俺たちは声をそろえて呟いて、マリアと顔を合わせてしまう。 見合いってなんだっけ……見合いってあれか。こういう人と結婚どうですか、みたいなやつ、だよな? 「お、俺たちが、ですか?」 思わず裏返った声で言うと、陛下は深く頷いた。「あぁ、そうだ。ルカは大学の三年生、マリアは二年生だろう? 卒業後結婚するのなら今から相手を探したいと思ってな。ふたりがここに来て一年以上経つだろう。去年のお披露目以降、ちらほらと見合いの申し込みがあってな」「お、俺たちにそんなのが?」 すっげー驚きなんだけど? 戸惑う俺たちとは対照的に、国王陛下は冷静な声で告げる。「私の甥と姪だからな。当たり前だろう」 あ、そうか。そうだった。まだ俺、国王の親族って肩書になれない。 国王陛下の誕生日パーティー、盛大だったし、あの時俺もいろんな人に囲まれたっけ。 もう半年も前のことだし忘れてた。「あの、お見合いって何をするんですか?」 マリアが不安げな声で尋ねると、国王陛下は腕を組む。「そうだなぁ。私の時は相手と顔を合わせて親を交えて話をして、そのあとふたりきりにされて庭を散歩したり、劇を見に行ったりしたものだが」 と、懐かしそうに語る。「私の息子たちにも見合いの話があるんだが、いかんせん逃げ回っていて話が進ま
last update최신 업데이트 : 2026-02-14
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78 見合い相手

 屋敷に戻って、俺は部屋でひとり、レポートをやりながら悩んでいた。 見合いの話を断る方法、ねえかな。なんといっても国王陛下の申し出だから、そう簡単に断れねえよなぁ。 会うだけ会う? でもそれはエドや相手の女性に失礼だって思う。 パキッ、て鉛筆エドの芯が折れてしまう。「あ……」 俺は慌ててナイフとペーパーを用意して、鉛筆を削る。 あの場で断るべきだったんだろうな。でも国王陛下に向かって断るとか無理だ。 どうすればいいんだよ……「あーあ……」 その時だった。 指先に鈍い痛みが走り、俺は鉛筆を持つ手を見た。 よそ見していたせいか指を切ってしまったらしく、左手の人差し指から血が溢れている。「やば……」 俺は慌ててペーパー指に押し当てて、廊下に飛び出して近くにいるメイドを呼んだ。「どうされたのですか、ルカ様」「ごめん、指切っちゃって」 と言い、俺は左手の人差し指を見せる。そこに巻いたペーパーは真っ赤に染まってしまっている。 それを見たメイドは、目を丸くして言った。「まあ大変。早くこちらへ!」 メイドに連れて行かれた先は、執事の元だった。 俺の怪我を見た執事は、俺を食堂の椅子に座らせてテキパキと傷の手当てをしていく。 消毒液、超しみる。「何をされたのですか?」「え? あ……鉛筆を削っていたら切っちゃって」 と言い、俺は苦笑を浮かべた。「あぁ、ナイフで切ったのですね。お気を付けください」 と言いながら、執事は俺の指に包帯を巻いてくれる。 それを見ながら俺はまじで笑うしかできなかった。 道具を片付ける執事に俺は声をかけた。「あの、俺の見合いの事ってなんか聞いてますか?」「えぇ、もちろんでございます。国王陛下よりお相手の資料をいただいておりますがご覧になりますか?」 と言い、執事は俺の方を向いた。なんかすっげー笑顔なんだけど? 「え。あ……」「今お持ちいたしますのでお待ちください。あとお茶、用意いたしますか?」「あ、はい」 ノーと言える雰囲気じゃなくって俺は頷いてしまう。 すると執事は救急箱を抱えて超笑顔で言った。「では少々こちらでお待ちください」 そして彼は食堂を出ていってしまった。 う……俺は見合いを断る方法知りたいんだけどな。資料見て嫌なら断るとかあり、かな? 悶々としていると、執事がワゴンを押
last update최신 업데이트 : 2026-02-15
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79 気まずい

 週の初め。 気まずい思いで俺は大学に向かった。 見合い相手の話、マリアに言えなくて食事の席とかがすっげー苦痛だった。 それは顔に出ていたみたいで、マリアに不審な顔されたし。「どうかしたの? なんだか顔色よくないよ?」 って言われて、ひきつった笑いで誤魔化してしまった。 大学三年生になって、マリアと一緒に大学に行く日が減った。その事に心底ほっとする。 だって、マリアと一緒に車で学校に行くとか、今の俺にはなんかの試練でしかないから。 「でもなぁ」 車を降りた俺は、呟いて大学の校舎を見上げる。 エドとはどうしても顔、合わせるんだよなぁ。だって、同じ講義とってるから。エドに言わないとだよな、見合いのこと。 俺が見合いあるんだからエドも見合いの話あるんかな……あぁ、それだと複雑だぁ、 そう思って俺は両手で頭を抱えてくしゃくしゃっと髪を掻きむしった。「……どうしたんだい、ルカ君。そんなところで頭抱えて」 不思議そうな声に振り返ると、大学院生であるマルコさんがリュックを背負って立っていた。「あ、マルコさん」 俺は頭からばっと手を離してひきつった笑いを浮かべる。 そして首を横に振って、「い、いやなんでもないです」 と誤魔化した。 でもマルコさん、信じてないみたいで俺に近づくとじっと顔を見つめてくる。 う、顔が近い。 思わずきょどっていると、マルコさんはびしっと俺を指差して言った。「絶対何かあったでしょう。当てようか? えーと……」 俺を指差した指を顎に当てて、マルコさんはぱっと何かを思いついたような顔になる。「見合い話があって悩んでるんでしょ」「え、何で知ってるんですか?」 驚きすぎて思わずそう口にして、俺はばっと顔を両手で塞ぐ。やばい、言っちゃった。 マルコさんはニヤニヤ笑って、「噂聞いたからねー」 と言う。 そんな噂流れてるのかよ…… 驚く俺に、マルコさんは言った。「うちも貴族だからね。貴族同士のそういう動きって耳に入ってくるんだよ。駆け落ちした王弟殿下の忘れ形見である君たちは目立つし」 あぁ、そっか。確かに俺たちの境遇考えたらそうなるのか。 俺も結婚したら新しい家を作って爵位とか受けるのかな。そういう制度、俺よくわかんないけど。 何を言っていいのかわかんない俺に、マルコさんはくすくす笑う。「なんで
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80 講義の時間

 エドと同じ講義の時間。 ぴったりと隣に座るエドの姿を俺は横目でちらりと見る。 彼は鉛筆を持って頬杖をつき、黒板を見つめている。 俺ひとりだけがずっと気まずい。見合いの子と言った方がいいよなぁ、絶対。そう思うのに、いざエドを目の前にすると唇が震えて何にも言えなくなる。 俺はエドのことが大好きだ。 でも……見合いのこと言ったらなんか機嫌が悪くなるんじゃないかなって思って不安になってしまう。 マルコさんが言う通り、貴族なら見合いは当たり前なんだろうし、エドも言わないだけでもしかしたら見合い、あるのかもしれない。 でもそれだったら俺に言うよな? ってことはエドにはそう言う話がないのか、断ってんのかな。 あぁ、わけわかんなくなりそう。 九十分の講義が何だか何時間にも感じた。 やっと終わりのベルが鳴り、講義室は喧騒に包まれる。 この後は昼飯の時間だ。なんか妙に疲れたな。そう思いながら俺はノートを閉じて鉛筆を筆箱にしまう。「ルカ、なにかあったの?」 そんな心配げな声がして、俺は大げさにびくん、って震えた。「うえ? あ……えーと……」 ってしどろもどろになった時点で俺の負けだ。だってこんなの何かあったって言ってるようなもんだもん。 エドを見ると、彼は真剣な目で俺を見ていた。 そんな目で見られるとちょっと怖いんだけど?「ルカ」 静かに、でも強い声で俺をの名前を呼ぶ声がする。 学生たちはどんどん講義室を出ていって俺たちふたりだけになってしまい、静けさが辺りを包む。「ねえルカ」 エドは切なげに目を細めて俺の手をそっと握る。 そして俺の目を見つめて言った。「何かあったなら教えてほしいんだ」「あ……えーと、その……」 俺の心臓、今にも爆発しそうだ。でも見合いは普通ってマルコさん、言ってたじゃん。そう自分に言い聞かせて俺は、握られた手を握り返した。 やばい、何か身体、震えてる。これ絶対変に思われてるよな? エド、なんか不審そうな顔してるし。 俺は意を決して、口を開いた。「あの……ほら、あの……見合いの話があってそれで俺、断れなくって」 そこまで言って俺は下を俯いてしまう。「あぁ、そういうこと。それはそうだろうね、だってその話を持ってきたのって国王陛下なわけでしょ?」 納得した様な声でエドが言って、俺は黙って頷く。「そんなの
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