その日がやってきた。 奇しくも俺の誕生日の翌日に設定されたその見合いは、マリアと同じように王宮で行われることになった。 着慣れないスーツを着て、マリアも一緒に足取り重く王宮へと向かう。 大してマリアは楽しそうだ。「ねえお兄……様、ミレーヌはいい子だよ」 って俺に言ってくるけど、俺は苦笑を返すしかなかった。 見合いの場に現れたミレーヌさんは、制服とはうってかわってクリーム色ドレスをまとっていた。 そして太陽みたいに笑い、彼女は言った。「ルカ様、お会いできてうれしいです」「あ、み、ミレーヌさん、ごきげんよう」 俺はひきつった笑顔で答えた。 親や陛下を交えてやり取りをしたあと、俺たちはふたりきりにさせられてしまう。 緊張で早鐘を打つ心臓。 ふたりきりにされて、何をしゃべればいいんだ?「えーと、ミレーヌさん」「はい」 頬を赤らめて微笑むミレーヌさん。 なんか向けられる好意が怖い。 皆こんな試練、乗り越えてるのかよ? 俺には合わねえよ。 そう思いつつ、俺は外に目を向けて言った。「あの、庭、歩きませんか? 今日はいい天気ですし、ここの庭、よく手入れされていて綺麗だから」 そんな俺の提案に、彼女は大きく頷いた。 俺は彼女を連れて、見合いの部屋の大きな窓から外に出る。 穏やかな風が吹いて心地いい。 辺りに咲く花。バラにキキョウ、ユリの花。色んな花が咲いている。 エドが教えてくれるから、俺、植物にはちょっとだけ詳しくなっていた。「さすが王宮のお庭、ですね。とても綺麗にされていて」 と言い、ミレーヌさんは笑う。 確かにいい子そうだし可愛い。 だから心が痛くなる。俺にはエドがいるのに、こんな茶番に付き合わなくちゃいけないなんて。「ルカ様は大学を卒業されたらどうされるんですか?」「え? あー……」 どうするか、なんて何も考えていない。それに話もしていなかった。 エドと一緒にいる方法、何かないかって考えてるだけだしな…… 考えても何にも思いつかない。「将来か……そうですね。まだ自分が何者なのか、何をしたいのかってよくわからなくって。あの、ミレーヌさんは?」 肩をすくめて尋ねると、ミレーヌさんはあはは、と笑う。「私も未来のことはあまり考えてないですが、そうですね……仕事もしてみたいですし、お料理もしたいし、学校には
Terakhir Diperbarui : 2026-02-28 Baca selengkapnya