All Chapters of 地味なコア一個しか宿らないと思ったらチートみたいでした: Chapter 111 - Chapter 120

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第109話・言いがかり

 ココの後について校門まで走ると、そこには彼方くんがいた。「彼方くん?!」「チッ、来たか、よりによってお前が」 その向こうには、五人の、僕らと同年代の男子がたむろしていた。「え~? 那佐中のスピードスターが、ケンカに応援呼ぶようになっちゃったんだー?」「あれだけコアで俺たち吹っ飛ばしておいてー?」「なっさけなくなっちまったねえ」「データ、なし」 ココが言う。「この学園の関係者ではありません」「分かってる」「何が分かってんだい、そこの坊ちゃん」 おっと絡まれた。「ここに駆け付けたってことは、彼方に助太刀するために来たんだよなー? それでも五対二だから、数ではこっちが上だ」「言っておく」 彼方が低い声で言った。「そいつは強いぞ」 え? 学園外の男子も、聞いた僕も、驚いてそっちを見た。「こんな坊ちゃんが強いわけねえだろ」「スピードスターに土をつけたって言うのか?」「ああ」 彼方くんの言葉に、男子五人は言葉を失った。 続いて、いやらしい笑みを浮かべた。「こんな坊ちゃんに負けたか! スピードスターなんて名乗って粋がってたお前が!」「なっさけねぇ、弧亜学園で一番になるって言い切ってたのが、一年の一ヶ月で負けるなんてよ!」 彼方くんは拳を固く握りしめて、相手を睨んでいる。でもコア戦闘の態勢じゃない。 コア戦闘を仕掛けようとしているのは男子五人……恐らく彼方くんの中学時代の知り合い、しかもいい知り合いじゃない。「全員、捕えてください」 ココが淡々とした声で言った。「学園内に入れて不法侵入とするか、学園外でコア法違反とするか。決して学園外でコア戦闘を行わないように」「了解」 僕は鼻の頭を掻いてから、ゆっくりと男子生徒五人の前に立った。「風紀委員に任せておいて。
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第110話・外で戦ってはいけない

「こンの……!」 一人が鉄パイプで殴ってきた。でも空気膜は破れない。「どうしたの」 僕は聞いた。「僕を彼方くんの代わりにボコボコにするんじゃなかったの」 多分、彼らの企みはこうだ。 まず、彼方くんを校外に誘い出す。 次に、物理攻撃や精神攻撃か知らないけど、それで彼方くんを挑発する。 そして、彼方くんにコア戦闘をさせて、そこで警察を呼ぶ。 弧亜学園の生徒がコア戦闘を許されるのは校内だけだ。校外では普通にコア戦闘は禁止されている。コアは身を守るのに使えるとはいえ、彼方くんのかつての性格を考えると、絶対に攻撃に移行するから。「言っておくけど、物理攻撃でもコアを使わないとこの膜は破れないよ」「くそナマイキな坊ちゃんがあ!」  僕と男子五人の間には開いた校門がある。外に男子、中に僕と彼方くん。校内にいる間は風紀委員はコア戦闘が可能。だけど外に攻撃をしたら風紀委員でも警察沙汰になる。 僕は校門のギリギリ内側に立って、相手の直接攻撃をひたすら膜で防ぐ。「何だ、この程度で彼方くんに勝とうとしてたのか。そりゃあ勝てるはずない。彼方くんがバカらしくて挑発を無視したわけが分かった」  かあっと男子五人の顔が赤くなる。「こっちにだってなぁ、コアがあるんだよ!」 男子の一人の首筋にあった紺青色のコアが光った。 途端、僕の身体が動かなくなった。「……! …………!」 金縛り?「このままこいつを連れてきゃあ、弧亜学園の名前にも傷がつくからなあ!」 別に、このまま放っておけば、他の風紀委員が駆けつけて彼らを何とかしてくれるだろう。 でも、彼方くんが。 彼方くんの形相が、以前と同じようになっている。「貴様ら……こいつをどうする気だ!」「どうもしねぇよ、お前の代わりに袋叩きにするだけさ!」「この……!」
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第111話・二色のコピー

「坊ちゃん、何処中の何様だい?」「弧亜学園風紀委員、丸岡仁です」 僕は名乗った。「学園外でのコア戦闘はコア使用法違反に当たると知っていて、ここに来たんですか?」「はっ、弧亜学園がどんな学校だろうと、数と力があれば勝てるんだよ!」「警察沙汰になると知っての訪問ですか?」「違うね、そこのスピードスターに仕返ししてやりたかっただけだ」 男子の一人がニヤリと笑う。「こいつ、中学校の時、コア移動で車道走ってたし、コアケンカも結構してた。そんなヤツが弧亜学園に入って偉そうな顔をしているのが気に食わないだけだ」「彼方くんは偉そうな顔をしていない」 え、と彼方くんの表情が一瞬変わった。「彼方くんは本当に強くなるために地味なトレーニングを毎日真面目にこなしてる。中学の時はともかく、高校では校則を守り、規律を守り、日々努力している」 右手をさりげなく後ろに回して、僕は言った。「数を頼りにコア戦闘を挑んできても、今の彼方くんには勝てない。正式な訓練を受けた人間と受けていない人間の差は大きい」 話しているうちに、ニヤニヤ笑っている彼らに腹が立ってきた。「そんな、彼方くんの努力も知らないで勝手にケンカを売りに来るんじゃない!」「じゃあ、お前が俺らの相手をしてくれるのかい」「丸岡、どいてろ! 俺のケンカだ!」「コア戦闘は校則違反、ましてや他校の生徒となったら、罰則大きいよ」 彼方くんはぐっと息を飲み込んだ。「こ……の」 そこへ、援軍の風紀委員が駆けつけてきた。「学園内不法侵入!」 五人がしまったという顔をして逃げようとするが、僕はまとめて五人に金縛りをかけた。「丸岡くん、無事?!」 援軍の一人の渡良瀬さんが声をかける。「うん。僕は大丈夫。彼方くんもケガはしてない」 言って、僕は右手を見た。 透明なはずの僕のコア。
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第112話・味方は多いほど

 ……ナナ。 僕のコアに宿ったコア生物しか心当たりはない。「丸岡!」 先輩が駆け寄って来て、集中が解けたせいでコアは透明に戻った。「彼方は手を出していないな?」「はい。彼方くんは校内にいて、相手の挑発に乗らずに対応してました。僕がそこに駆け付けて、ちょっと無理やりだけど学校内に放り込んだんです」 先輩は虚空を見て(おそらくコア生物とやり取りしているんだろう)、頷いた。「彼方が手を出していないことを確認」 その間に風紀委員が五人を取り押さえ、遠くからサイレンが聞こえてくる。 ここは私立学校だけど国にも結果を提供しているコア施設でもある。そこに無理やり入ってきたら、ただの不法侵入では済まない。下手をすれば懲役刑を食らう可能性だってある。ただの学校に元同級生を訪ねてきたと言い訳も聞かないだろう。「おい」 彼方くんがやって来た。「彼方くん。ケガはない?」「ケガする前にお前が乱入してきたんだろうが」 はい、その通りです。 彼方くんは風紀委員が五人を警察に引き渡してこっちを見ていない隙に声をかけてきた。「お前、俺の空気圧殺と、片場の金縛り、同時に使ってなかったか?」 ……なんて勘の鋭さだ。「コアを二つ持っている人間でも、同時使用は難しい。それを一つのコアに二色コピーして使うなんて無理だってことはバカでも分かる」 更に声を潜めて。「……教えろ。お前、今、どんな力を持っている?」「……僕にも分からない」 素直に答えるしかなかった。「ただ、異変が起きたとしか」「異変」 彼方くんは顔を上げた。「後で説明しろ」「せ、説明って」「もちろん他のヤツには言わない。言ったってマネできるはずないしな」
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第113話・説明

 月が改まって新しい週が始まって、僕は中庭に渡良瀬さんと彼方くんを呼び出した。 渡良瀬さんもいるのは、僕の説明不足の時に補ってくれないかと頼んだから。 そして二人の秘密が三人の秘密になっても「三角関係ー!」とおおはしゃぎして消えたココたちコア監視員はいない。「まず聞くが」 仏頂面で切り出したのは彼方くんだった。「なんで特別な用事でもない限り二十四時間傍にくっついてるあのコア監視員が姿を消すんだ」「ん~、どっから話すべきなのか……」 考えて、この中庭に、空からナナが落ちてきたところから話し始めた。「コア監視員に姿が見えないコア生物?」「うん。事実、僕のコア監視員や渡良瀬さんのコア監視員には見えてなかった。僕が掌で彼女を隠してたけど、監視員は覗き込んで、誰もいないと判断した」「コア監視員が嘘をついた可能性は」「そんなところで嘘をつくコア監視員なんていないよ」「俺のとこのはよく嘘つくぜ」「え、本当」「お前の居場所を隠したり、お前の部屋を知らないって言ったり」「それは揉め事を減らすためだったんじゃ」「ふん。底の浅い嘘しかつけないのにしょっちゅう嘘をつくからチェンジしろって言ったら勝手に名前がそうなったんだ」「それで「チェンジ」な訳ね」 渡良瀬さんも複雑な顔をした。「彼女は本来なら僕や渡良瀬さんにも姿が見えないはずって言ってたけど、僕たちには見えた。僕たち以外には見えないかもしれない。それは分からない」「俺には見えない可能性があるんだな。……で、そのコア生物がどうした」「創造主に追い出されて僕の部屋にやって来た」「創造主に?」 そんなバカな、という表情をしているけど、事実なんだから仕方がない。「で、コア生物の常で、コアに同調してなきゃ生きてられないんだけど、創造主との同調を切られて、生きていくには誰かのコアに同化するしかない
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第114話・同調と同化

「同調と同化は違うだろ」 学園に入学できるだけあって、彼方くんはそう言うところ勘が鋭い。「同調はあくまでも特定の周波数に共振するように固有振動数を合わせることで、生物が外界から摂取した物質を、特定の化学変化を経て、自己の成分あるいは有用な物質に合成する同化とは意味が違う」「……詳しいね」「これくらい知っておけ」「……肝に銘じます」「で。同化って、現状どういうことなんだ」「このコアの中に、いる。コアの一部に宿って、自分がコアそのものになっているみたいだ。だけどコア監視員のように自我があって、脳みそに直接言葉を送り込んで会話ができる、みたいだ」「なんで断言できない」「彼女、そのまま眠っちゃったみたいでそれ以来反応を示さないんだ」「は?」「違和感って形で、彼女がいるのは分かる。でもその違和感を、僕のデータを取りまくっている御影先生の結果には出てこない。確かにコアの中に彼女はいるんだけど、無反応。僕の違和感って形でしか感知できないし、その違和感も薄れかけてる。何度か心の中とか直接声をかけてとかでコンタクト取ろうとしてるんだけど、全然」「消えた、わけじゃないんだな」 うん、と頷くと、彼方くんは考え込んで。「じゃあ、ちょっと乱暴に起こすしかないな」 と言った。「乱暴に?」 「そのコアの中にいるんだろ? そのナナとかいうコア生物」「うん」「あのケンカの時まで、何の反応もなかったんだろ?」「うん」「だったらやることは一つ。外から衝撃を与えて中を揺るがすことだ」「彼方くん、それって無茶な……」 渡良瀬さんの言葉に、彼方くんはチラリとそっちを見た。「コアのコピー……一つでは足りないってなった時に、コアの半分だけが色を変えたんだって、渡良瀬言ってたろ」「そうだけど……」「コア監視員のようにコア周波数に同調してるんなら、それが乱れることで異物に影響を与えられるかもし
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第115話・起こす

「でも、具体的にはどうやるの? 言っておくけど、コア戦闘は校則違反よ」「そんなことはしない。複数のコア周波数を流し込んで、丸岡のコア周波数を乱すだけだ。コアに反応が出たのは、俺と片場、二人のコア周波数をコピーした時だったろ。あれと同じだ。幸い俺と渡良瀬がいるから、条件は揃っている」「でも、丸岡くんに影響は」「丸岡のコピーは他人のコア周波数を読み取ることによって同じ力を得るんだろ。同じだ。ただ、丸岡がコピーした時はコアは反応したがコア生物は反応しなかった。だから、今度は丸岡がコピーするんじゃなくて、俺と渡良瀬でコア周波数を送り込む」「つまり、僕をコア攻撃するってこと?」「違うな、周波数を送り込むんだ。コアを直接接触させて、周波数を直に送り込む。これなら周波数を写し取る能力の丸岡に問題はなく、コアの中にいるコア生物だけが飛び起きる可能性がある」「……やってみる?」 回答は任せる、と渡良瀬さんは僕を見る。「やってみよう」 僕は頷いた。 渡良瀬さんの左ひじの桜色のコアに、彼方くんの左掌の白藍色のコア。 これが触れると一体どうなるかは……分からない。 だけど、このままナナが溶けていくのも放っておくわけにも行かないし。 僕は右手の甲を突き出した。 渡良瀬さんの左ひじと、彼方くんの左掌が迫る。「いいか、合図したら同時に触れるぞ」「分かってる」「せーの」  カツッ! コアにはあり得ないはずの固い音がして、慌ててコアを離した渡良瀬さんと彼方くん、そして僕の目の前で、コアが白藍色と桜色がマーブルのように渦を巻く。 その渦から光が溢れ、黄色い光となって、コアの上に浮き上がってきた。「……ナナ」 コア監視員とよく似た姿に誰にも似ていない顔。トンボのような半透明の翅。 彼方くんが目を細めてそっちを見ている。「見えてるの?」「微かに」 彼方くんはぶっきらぼうに返した。
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第116話・分かりません

「お前がナナか」 いきなり初対面の彼方くんに言われて、右手の甲の上に立っているナナは明らかに怯えた。「大丈夫、悪い人じゃないから。いい人……かなあ」 渡良瀬さんがフォローしようとしてフォローになっていない。「俺がいいヤツだろうと悪いヤツだろうと今は関係ないだろ」 彼方くんはぶすっとしたまま言った。「聞きたいのは、お前が何者か、って言う話だ」 いきなり本題を突き付けられて、ナナは僕と渡良瀬さんを交互に見る。「え、えっと、何者って、どういう、意味でしょう」「何のために生まれたコア生物か。どんな能力を持っているのか。どうしてコア監視員とかに見えないのか」 指折り数えて、とりあえず今はこの三つ、と彼方くんは言った。「わたしの生まれた理由は、分かりません……」 ナナは落ち込んだ顔で言った。「何のために、何を思ってわたしを創ったのか、創造主は一言も仰ってくれませんでした……。わたしを調整する時も、わたしには説明もなく、力の使い方も教えてくれませんでした……。だから、わたしが答えられるたった一つの答えは、何故コア監視員に見つからないかだけです」 ナナは一瞬僕を見上げた。「仁さんに以前言った通り、創造主はわたしとコア監視員のコア的位相をずらしたと言っていました。同じ位置にいないから、見えない。また、創造主はわたしの周波数にコア監視員が知らないうちに離れたくなってしまうというパターンを組み込みましたので、こうしてコア主に二十四時間付き従うコア監視員をそれらしい理由をつけて引き離すことができます。コア主に見えなくする方法は透明化するだけなので、簡単なんですけど」「つまり、今お前は薄く見せているわけか?」「あ! 申し訳ありません、すぐ見えるようにします!」 すっとナナの輪郭がはっきりしたものになった。 僕たちにも見えてたけど、今よりしっかり見えた。「一度わたしの姿を見たコア主は、コア周波数がわたしとリンクするように
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第117話・透明

 小さくなるナナを前に、彼方くんはしばらく考え込んで、そして口を開いた。「お前の色は、もしかして、透明か?」 え、と渡良瀬さんが目を丸くし、僕はその意味が分からず、ナナだけが大きく頷いた。「は、はい! わたしのコア色は透明です!」「やっぱりか」「どういう意味?」「知らないのか」 呆れたように彼方くんは言った。「コアに固有色があるように、コアから生み出されたコア生物にも固有色があるんだよ。基本的にコア監視員が黄色いようにな。そしてこいつには色がない」「でも、黄色いよ?」 黄色い服に黒い髪、トンボのような翅……。「俺たちがコア監視員から連想したからその色になっただけで、本来はどんな色にもなれるんだ、そうだな?」「はい、その通りです!」 ナナは喉元で拳二つ作って頷いた。「だから、創造主は言っていました。お前は何色にもなれるのだから、だからこそ他の色に染まってはいけないって」 確かに、僕たちは空から何か落ちてきた時、コア監視員だと思った。 だから、黄色く見えたのか?「透明だから、透明コアの丸岡の所に来たのか?」「いえ、初対面は偶然です。空を飛んでいて、体力が急激に低下して……」 チラリと彼方くんが僕を見たので、僕は頷いた。「お前の固有色はとりあえず後回しだ。お前はどうしてコアに同化できる? コア生物はコア周波数を同調させてエネルギーを得るのに、どうしてお前は同化しないといられない?」「分かりません」「部分的に分かることは」「創造主のコアに同化していた時は、わたしは色をまとっていました。緋色です」 緋色のコアを持つ創造主?「創造主は、わたしに相応しいコア主はいないと言っておられました。わたしも創造主のコアの中にいる時は、何だか……そうですね、人間っぽく言うと、知らない人の家にいるような感じ
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第118話・僕の為のコア生物?

「このまま異物じゃなくて同化できればいい……そう思っていましたが、時折色が入ってくることがありました」「担当授業とかのコアコピーの時?」「おそらく、そうです。その時はわたしも素直に色を変えて、また透明に戻るのを待っていました。でも、違うことが起きました」 ナナはふ、と小さく息をついて、続きを話す。「染まっているのに、もう一つの色が入り込んでこようとしたんです。このままじゃ濁ってしまう、そう思ったわたしは、最初にあった色をわたしの外に溶け込ませ、もう一つの色をわたしの中に入れました。色が混ざることなく、透明に戻ったので、もう安心だと思って、また、眠りました」「この間の不法侵入の一件か」 彼方くんは少し考えた。「つまり、お前は、丸岡のコアと同じような能力を持っている、そう判断していいのか?」「多分……ですけど。ただ、仁さんのように、コアの力を発揮することはできません。わたしが染まった色の力を放出するのは、コア主である仁さんしかできないんです」 彼方くんはしばらく考え込んでいたけど、ポツリと呟いた。「まるで、丸岡の為に創造したようなコア生物だな」「え?」「分かってないのか? 本気で?」 彼方くんは呆れたように僕を見た。「コア色が透明ってのは、世界広しコア歴史長しと言えども、多分お前だけだ。何色にもなるけど何色にもならない。コピーって能力もお前一人だ。そのコピーをコントロールして二つ以上の能力の同時使用をできるようにする、なんて、お前専用に創造されたコア生物としか思えないんだよ」「確かに……透明って、色じゃないわよね。コア色が力の方向性を決めるなら、透明って力の方向性がないって意味だもの」「ナナが……僕専用に?」「チッ、厄介ごとに巻き込まれたな」「彼方くん、それは」「分かってる。俺は自分からこの話に加えろと言い出した。だから今更知らんぷりはしない。だけどな丸岡、お前、自分がどんな状況にあるか分かってんのか?」「分かってんのか、って、言われても」
last updateLast Updated : 2025-11-27
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