「怪我しても知らねーぞ!」 全力解放なら僕が勝てるはずがない。 何を考えてるんだろうか。 でも、ラジオ体操で上がった息を整え、空気を動かす。彼方も同じように空気を練る。「では、一、二、三、で放出。一、二」「三っ!」 僕と彼方の空気圧殺は、ものすごい勢いで放たれた。 でも。「え?」 彼方の空気圧殺は先生にぶつかって消えたのに、僕の空気圧殺は先生にぶつかってなお風圧を保ったまま体育館の壁に当たった。 彼方が呆然とする。「分かりましたか?」 先生はぬぼーっとした顔で、彼方に言った。「どんな機械でも、いやだからこそ、突然全力運動をすれば壊れます、はい。人体も一緒です、はい。激しい運動をする前に、身体にこれから動くよという合図をしなければ、はい、全力は出せません。はい、準備運動の大切さ、お判りいただけたでしょうか」 彼方は項垂れてそっとそこを離れた。「皆さんも。コアを全力で使いたければ、はい、まず基礎である肉体を鍛える必要があります。そうでなければ全開の力は出せません、はい。たかがラジオ体操、されどラジオ体操。それを真面目にやるだけで、随分違った結果が出るのが、お判りいただけたでしょうか、はい」 手を抜いた分もう一度始めから、と始まった二回目のラジオ体操第一に、みんなそれぞれ少し真剣な顔をしていた。 だけど、彼方は。 全力で動いていた。 準備体操一つで差がつくと知ったから。 だから、僕も、本日七回目のラジオ体操第一を全力でやっていた。
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-24 อ่านเพิ่มเติม