しゅうっ。「な……に……? 消えた……?」 学園長が呆然とする。 透明なコアが染めるのは何色? 即ち……透明。 透明になってしまったコアは、能力を失う。色を素に力を発揮するコアは、色を失ったその時、存在理由を失う。 それが、羽根さんが出した結論だった。 だから、ナナを創った。透明なコアの情報は嫌でも手に入るから、そのコア周波数を読み取り、それに合わせた透明なコア生物を。染まりたい、染めたいという相反する意識が傾いた時、人間がそれを操れるように。 そして、ナナも意識していない本能の部分で透明コアを求めるようにして、僕の下に送り出し、役に立たないと言って追い返し、僕のコアと同化させた。 すべては、この一瞬の時。「透明……透明になったら……ダメよ、私たちの力は色から生み出されているのに……」 こうなったらと、学園長は吠えた。「貴方を殺して、旧人類を全て入れ替える!」 ◇ ◇ ◇ ◇ 金の光が仁に襲い掛かっては消える様を見て、海馬は呆然としていた。 あれが、妹が送り出した、人類の希望。 透明なコアの持ち主で、恐らく妹を名乗る学園長が狙っている彼が自分の所に来た時、自分は彼を試した。 実直なまでについてきた仁。 彼は自信も度胸もなかったけど、妹と正反対の存在だった。 羽根は、何かの為に誰かを犠牲にできた。 仁は、誰かの為に何かをしたかった。 そんな彼の訓練をするうち、彼が何となく嵐の中心間際にいる存在だと分かってきた。 しかし本人は気付いてない様子で、一生懸命頑張って……壮の考え方を変え、風紀委員として活動し、精一杯前へ進もうとしていた。 まさか、鍵だとは思わなかったけれど。 異形の自分にしか、鍵の仕事は回って来ないと思ってたのに。 考えて、海馬は苦笑した。 馬鹿なことを。 人類の未来を変えるのは、人類しかいないというのに。 自分はもはや、あちら側の人間だというのに。「へっ、決まったな」 小さな声に、海馬が問いかけた。「何が、だい? 彼方君」「勝負の行方さ」 壮は、笑っていた。「ケンカは、笑った方が勝ちなんだ」 そう、仁は微笑みながら救世主に向かって行き、救世主は怒り狂いながら力を発揮して仁を殺そうとしている。「学園長は笑えてない。丸岡は笑って
Last Updated : 2025-12-02 Read more