でも、……なんで渡良瀬さんと同じ顔? 僕の問いに、コア監視員はニコニコ顔で答えた。「私たちコア監視員は、対象者にしか見えませーん。そして、二十四時間三百六十五日お傍にいまーす。なので、対象者が好意を持てる姿に見えるようになっていまーす。要するにー、好みのタイプか、好きな子の姿に見えちゃうわけでーす!」 ……え。 それって、僕は、渡良瀬さんのことが好き……ってこと? いやいやいや! 確かに渡良瀬さんは可愛いし、優しい子だったけど! 彼女に迷惑だろ、僕なんかが好意を持ったら! 僕の混乱を無視して、コア監視員は僕の顔の真ん前に来た。「では早速ですが、入学を申請しますか?」 …………え。 さっきまでのテンションとはえらく違う真面目な声と顔で聞いてきた監視員に、僕は面食らってその顔をまじまじと見てしまった。「これより二十四時間以内に入学申請をしないと、入学許可が取り消されます。速やかに保護者と連絡を取って、入学申請するか否かをご回答下さい。なお、コア監視員の存在は保護者にも秘密にしてください」 そこまで言い終わって、また監視員はにっこり笑顔。「さーあ、最初の訓練。親御さんを説得して学校に入学するべし! 急げ急げ!」 僕は合格通知を持って、部屋を飛び出した。 両親とおばあちゃんは相当驚いていたけど、封筒と合格通知を見て、泣いて喜んでくれた。だって、小学校の時から僕の第一志望は弧亜学園だったから。淡いベージュと言うコアの力を何とかして引き出そうと一緒に頑張ってくれたもんね。今までコアの力に目覚めたのを言わなくてごめん、と謝った。 そして二十四時間以内に入学するかどうか決定しなければならない、と説明する前に、心配するな、胸張って入学しろ! と言ってくれた。 ので、話し合いを見ていたコア監視員に頷きかけると、彼女は頷いて、それが入学届となった。 あっさりと終わった届出に呆然としている間に、僕が弧亜学園に合格したという話は、ご近所と学校にものすごい勢いで広まっていた。「え、マジ?
Last Updated : 2025-11-21 Read more