「コア戦闘だよ」 大したことでもないように御影先生はさらっと言ったけど、内容はとんでもなかった。 だって、入試の時に渡良瀬さんの担当教員阿古屋先生が言ったように、法律でコアは職業上必要な場合及び自分の身を守るため以外に他人に攻撃的な使い方をしてはならないとされているのに。「何事にも例外はある。例えば、コア戦闘による対応策を練習するとか、対人コア能力を試す場合とか」「自分の持つ対人コア能力を試す?」 何だか詐欺師の言い分のようだけど。「この学園はコア研究のためにある。コア戦闘もごくごく当たり前だ。それに、社会に出た時に、戦闘能力を必要とされることも多々ある」「そりゃあそうですけど」「研究員同士でもあるのさ。今のコア研究は思った方向に進んでいるかという疑問がね。だから、コア研究の進展状況を調べるために、互いに合意の下模擬戦闘を行うことが許可されている」「それって言い訳ですよね」「ああ言い訳さ。だが、言い訳でもコア研究は進む。コア同士のぶつかり合いはまだまだ研究の余地があるからね。それに、君だってどうせ教わるなら強い教員に教わりたいだろう?」「それは……まあ」「と、言うわけで」 ぱん、と手を叩いて、御影先生は僕の前の椅子に座った。「まず、君のコアが現在何をどこまでコピーできるかを見てみよう」「楽しそうですね」「ああ楽しいとも。コア研究者として、コア能力の研究が楽しくないわけがない。それもこんな前例のない色を前にして」 透明、か。 肌の上に埋め込まれているから淡いベージュだとばかり思ってたよ。透明だって気付いたらもうちょっと早くコア能力に辿り着けていたかもしれない。「さあ、まずは君の現在のコア能力を試そうか」 先生は嬉しそうに言った。
Last Updated : 2025-11-21 Read more