目が覚めた瞬間、世界が熱かった。熱い空気がまとわりつくようだし、視界は蜃気楼の中のようにふわふわとしていた。頭が、痛い。熱い後頭部から、ガンガンとした痛みが押し寄せてくる。喉が、ひりついた。水を飲みたい。「ん……」体を起こそうとして、ついた右腕がプルプルと震えて無理だと悟る。それと同時に、自分がベッドに寝ていることにようやく気付いた。いつの間に?なんで……あ。最後の、記憶が……押し寄せてきた。……忘れてしまいたい。喚き散らしたこと。蓮司さんのこと、叩いた。そして泣き叫んで……抱きしめられた。―― 大好きだよ。蓮司さんの、どろんっと甘い声。胸の奥がきゅっと縮んで、体の熱が一段階上がったのか、視界がぐわんっと揺れた。顔から火が出るとはよく言ったものだ。比喩じゃなかった。恥ずかしくて、それで熱出して……なにそれ、もっと恥ずかしい。恥ずかしい。とりあえず、布団の中に隠れよ……。「桔梗」 !想像じゃない。耳から聞こえた、蓮司さんの声。「……っ」額にひんやりとした感触が触れた。蓮司さんの手だ。「……熱が、高いな」蓮司さんの低い声。距離が近い。何だろう、なんか、今までにない近さ?声も、手も、呼吸の気配も。いつもと同じ蓮司さんのもののはず
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