「心配しないで、紬。剛はそんなことしないって言ってるわ」レイはほっと息をついた。「たった今、彼に写真を五十枚送ってあげたところよ」紬は眉をひそめた。「レイ、馬鹿な真似はやめて」てっきり彼女の惚れっぽさがまた災いしたのかと思ったが、電話の向こうから忍び笑いが聞こえてきた。「全部、私が大切にしまっていた秘蔵の美ショットよ!人に見せるのがもったいないくらいなんだから。紬、あんたにも送ったから、早く見て」スマホの通知音が鳴り響く。紬は怪訝に思いながらトーク画面を開いた。そこには確かに、レイの思春期の写真が並んでいる。かつての望美が撮らせていた、計算されたポーズの写真とはまるで違う。一切メスの入っていない天然の顔立ちは、清らかで、どこか浮世離れした美しさを湛えていた。紬はようやく胸をなで下ろし、素直な称賛を口にした。「……さすがね」――剛はレイから承諾を得ると、送られてきた写真を急いで望美へと転送した。「望美、写真を手に入れたぞ。使えるものがないか確認してくれ。あんなクソみたいなゴシップ、全部握りつぶしてやるから!」望美はメッセージ欄に並ぶレイの美貌の数々を見つめ、奥歯をきつく噛み締めた。泣き出しそうな声で、いかにも心外だと言わんばかりに言う。「剛……助ける気がないなら、もういいわ。私なんて叩かれればいいのよ。明日にも引退するわ」そう言い残すと、一方的に通話を切った。剛は、自分が転送した写真を改めて見返し、完全に呆然とする。それにしても、十七歳のレイ、めちゃくちゃ綺麗だな。望美が「黒歴史」と言い張っていたような、不自然な瞬間は一枚もなかった。一方その頃、望美は怒りに任せてスマホを投げつけていた。ーー紬がよこした動画が、まさか自分の高校時代の整形記録だったとは。あの女、絶対にわざとやったに違いない。整形の事実は、望美の心の奥深くに突き刺さった棘だった。あれはあくまで「微調整」に過ぎず、美しさを整えただけのこと。ネットで騒がれているような大げさなものではない。それでも、怒りで顔は醜く歪んでいた。「この役立たずども!どうして中身も確認せずに動画をばら撒いたのよ!長年私のそばにいて、脳みそは犬にでも食わせたの!?」アシスタントは生きた心地がせず、今にも泣き出しそうだった。投
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