結婚が早かろうが遅かろうが、結局は同じことだ。成哉は心の中でそう割り切っていた。心に決めた相手はもういる。それが望美であることは、何があっても変わらない。成哉は望美を優しく見つめた。「安心して。日にちは君が決めてくれればいい。あとは俺が手配して、全部そろえておくから」望美は成哉の横顔にそっと口づけた。「成哉、本当に優しいのね!」成哉は望美の布団を掛け直すと、身支度を整えて会社へ向かった。オフィスチェアに座ったまま、成哉はぼんやりとしていた。こんなに早く、記憶の中の女の子と結婚することになるのだろうか。記憶にぽっかりと空白があるせいか、どうにも現実味が湧かない。それでも、望美や母の言葉が、ここ数日ずっと頭から離れなかった。舞絵の言葉も重なり、成哉の心は揺れ続けていた。ほどなくして、成哉はアシスタントの健一を呼び出した。健一が来ると、成哉はさっそく指示を出した。「俺は今週の日曜日に結婚する。招待状の準備と会場の手配を頼む。それから、海外の鉱山を当たって最高級のピンクダイヤを見つけ、指輪を作らせろ」健一はその言葉に目を見張った。まさか、望美がこんなに早く結婚までこぎつけるとは。「かしこまりました」出ていこうとした健一を、成哉が再び呼び止めた。「そうだ。舞絵の連絡先を教えろ。少し用がある」「ご用件でしたら、直接私にお申し付けください」健一は思わずそう口にしていた。しかし、成哉の目つきが急に鋭くなった。「何だ、俺のやることをいちいちお前に報告しなければならないのか?」「そういう意味ではありません。会社の業務なら、舞絵さんより私のほうが把握していると申し上げたかったのです。それに、彼女はすでに解雇されておりますので、引き継ぎに不備でもあったのかと思いまして」健一は慌てて弁解した。成哉は少し口調を和らげた。「いや、以前あいつに任せていた件について聞きたいだけだ。結果の報告を忘れているようだから、はっきりさせておこうと思ってな」「かしこまりました。すぐに人事部から連絡先を取り寄せ、後ほどLINEでお送りいたします」成哉は「ああ」とだけ返事をした。健一はようやく空気を読み、社長室を後にした。まもなく、舞絵のLINEアカウントが成哉のスマホに送られてきた。成哉は画面をスクロー
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