「もう、すぐそうやって茶化しちゃって」紬は苦笑しながら、カナの頭を押し返した。「やだぁ、私ずっと先輩にくっついてるんですぅ」紬もそのまま、カナに抱きつかれるがままに任せた。ネット上の販売データを見つめながらも、彼女の心は未だに落ち着きを取り戻せずにいた。このペースなら、売上2億円突破も夢ではない。雅乃がドアをノックして入ってくると、ちょうどカナが紬に抱きついて甘えているところだった。彼女の瞳に笑みが浮かぶ。「どうしたんですか?仕事中なのにそんなにイチャイチャして」紬は切れ長の目を輝かせ、雅乃に向かって言った。「雅乃、ちょうどいいところに来たわね。ネットのニュース、もうチェックした?」雅乃は首を横に振った。「いいえ、まだです。最近はショッピングモールへの出店の件で忙しくて、ネットのデータを見る暇がなくて」そう言い終わるか終わらないかのうちに、カナは紬から手を離し、早足で雅乃の前にやって来た。そして、手に持っていたタブレットを掲げて言った。「雅乃、これ見てよ!売上データが1億円を突破したの!」雅乃はそのデータに目を落とし、驚きで目を見開いた。そして、得意げな顔をしているカナを見て、彼女も大いに褒め称えた。「カナちゃん、やりますね!本当にすごい。まだ半月も経ってないのに、ここまでやり遂げるなんて。尊敬しちゃいます!」カナは雅乃に褒められ、すっかり天狗になっていた。「いやいや、大したことないよ。通常運転、通常運転」そう言いながら、わざとらしく手を振ってみせる。そんなカナの調子に乗った様子を見て、紬は笑いながらたしなめた。「はいはい、あなたがすごいのはもう分かったから」「そうだ、雅乃。何か用事があって来たのよね?」雅乃はそこでポンと手を打った。「そうです、報告があったんです。危なく忘れるところでした」そして、一部の契約書を取り出して紬に見せた。「紬さん、これ、私が海原の高級ショッピングモールとまとめてきた出店契約書です。あと数日もすれば、モール内に私たちの宣伝ポスターが貼り出されますし、服を販売するための専用店舗も用意してもらえます」紬は驚きと喜びに顔をほころばせた。「雅乃、素晴らしいわ。あなたの仕事ぶり、どんどん優秀になっていくわね」「すべて紬さんのご指導
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