悪魔が炎によって燃え尽きたのを見届けると、カリナは左耳の魔法イヤホンに手を当て、カシューに連絡を取った。「聞こえていたか、カシュー?」「うん、どうやら色々と考察する余地がありそうだね」 イヤホンの向こうから、冷静だが真剣味を帯びたカシューの声が聞こえる。「先ずは奴の言っていたことが気にかかる。近くの街はチェスターだ。情報通りならそこに悪魔が向かっていることになる。私は急いで戻る。そっちからも援軍を出してくれないか?」「わかった、戦車部隊に戦力を乗せて全速力で向かわせるよ。それなりの距離だから間に合うか微妙だけどね」「頼んだ。とりあえず一旦切るぞ」「了解、また何かあればよろしく」 カシューの返答を聞いてから、左耳のイヤホンに注いでいた魔力を切った。急いで街に戻らなければならない。意識を切り替えて、真眼と魔眼の効果を解除した。 眩い光が収束し、黄金の獅子の聖衣が光の粒子となって解け、カイザーの姿へと戻る。「お見事でした、我が主よ」「いや、お前の力がなければ危なかったよ。ありがとう、また喚んだときは頼んだぞ。ゆっくり休んでくれ」 光の粒子になってカイザーは消えていった。そして湖の中から自動回復した黒騎士達が、水飛沫を上げながら無言で戻って来た。ヤコフの両親を運ぶのはこの騎士達に任せるとするかと考えていたとき、背後からシルバーウイングの面々が雪崩れ込んできた。「やったな! まさか本当に悪魔を斃してしまうとは!」「ああ、すげーぜ! こっちまで興奮してきた! あの黄金の鎧、なんだありゃ!?」 アベルとロックは興奮を隠せない様子で、単独で悪魔を撃破した少女に称賛の言葉を贈る。「ええ、召喚術ってすごいのね。しかもあの召喚獣を身に纏う戦い方なんて初めて目にしたわ」「結局格闘術だけで押し切ってしまいましたね。魔法剣を使うまでもなかったということでしょうか? あんな小さな身体のどこにそんな力が……」 エリアとセレナも、畏敬の念を含んだ眼差しで矢継ぎ早に話しかけて来る。「あれは聖衣という、召喚獣の力をその身に纏う鉄壁の鎧だ。あらゆる能力が著しく向上する私の奥の手だよ。召喚獣との信頼関係がないと身に纏うことはできないけどな」 カリナはさらりと答えたが、心の中では冷や汗をかいていた。剣を使わなかったのは、格闘術だけでどこまでやれ
Last Updated : 2025-11-24 Read more