บททั้งหมดของ 聖衣の召喚魔法剣士: บทที่ 61 - บทที่ 70

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59  召喚対決

 翌日の正午過ぎ。太陽が真上に昇り、演習場の砂埃を照らす頃、カリナはルナフレアを伴って騎士団演習場の門をくぐった。 門番の兵士達は、昨日カリナが見せた伝説級の精霊との戦いを目の当たりにしているため、最敬礼でカリナを出迎える。その瞳には畏敬の念が宿っていた。 演習場に入ると、円形の闘技場を見下ろす観覧席には、昨日の今日だというのに、またしても主要なメンバーが勢揃いしていた。   中央の貴賓席には、面白そうに身を乗り出すカシューと、その隣で扇子を片手に優雅に微笑む、完璧な美女の振りをしたエクリア。その後ろには、胃薬でも欲しそうな顔をしたアステリオンと、エクリアの代行であるレミリアが控えている。   騎士団席には、近衛騎士団長のクラウス、王国騎士団副団長のライアンをはじめとする騎士達。そして、戦車隊隊長のガレウスまでもが、「また凄いもんが見れるかもしれん」と最前列に陣取っていた。「やれやれ、暇人が多いなあ」 カリナが苦笑すると、隣を歩くルナフレアがくすりと笑った。「それだけカリナ様の力が注目されているということですよ。……では、私はあちらへ」 ルナフレアは演習場の端、関係者用の席へ向かう前に足を止め、カリナに向かって深々と頭を下げた。「カリナ様、あの世間知らずのエルフに、本物の召喚術というものをご教示なさって下さい。御武運を」「ああ、任せておけ。見ていてくれ」 ルナフレアの言葉に軽く手を振って応え、カリナは演習場の中央へと歩みを進める。そこには既に、対戦相手であるエルフの召喚士、リーサが待ち構えていた。   召喚士特有のローブを風になびかせ、手には身の丈ほどの樫の木の杖を握りしめている。その表情は硬いが、瞳には決して折れない強い意志と、カリナに対する侮りにも似た対抗心が燃えていた。「お待ちしておりました。逃げずに来たことだけは褒めて差し上げます」 リーサは杖の先をカリナに向け、挑発的な視線を送る。「陛下やアステリオン様が何を考えているのかは分かりませんが、召喚術とは長い修練と精霊との対話によってのみ成される神聖な儀式。あなたのような子供に務まるような軽いものではありません」 彼女の言葉に、観客席の騎士達がざわつく。「おいおい、死んだわあいつ……」「昨日のあれを見てないからって……」といった同情の声が漏れ聞こえてくるが、リーサの耳には届いて
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60  世界樹への誘いと学園への使命

 演習場での模擬戦は、カリナの圧倒的な勝利に終わった。リーサは完膚なきまでに叩きのめされたが、その表情は晴れやかだった。目の当たりにした召喚術の神髄に、彼女は心の底から感動していたのだ。 その後、一行は玉座の間へと移動した。カシュー王が玉座に腰を下ろし、エクリア、アステリオン、レミリア、そしてカリナとリーサがその前に並ぶ。騎士団の面々やルナフレアは、少し離れた場所で見守っていた。 カシュー王が威厳のある声で告げる。「これより、エルフの召喚士リーサを、エデン王国筆頭召喚術士カリナの代行として任命する」リーサは緊張した面持ちで、カシュー王の言葉に耳を傾ける。「リーサよ、カリナはエデンの特記戦力であり、その力は我が国の要である。しかし、彼女は多忙な身であり、常にこの地に留まることはできない。其方には、彼女の不在時にその力を代行し、エデンを守る重要な役割を担ってもらいたい」「ははっ、身に余る光栄にございます」 リーサは深く頭を下げ、カシュー王の言葉を承諾した。「カリナ、其方からも言葉をかけてやってくれ」 カシュー王に促され、カリナが前に出る。彼女はリーサを見つめ、静かに語りかけた。「リーサ、お前の実力は認める。だが、召喚術の道は険しい。決して慢心せず、精進を怠るなよ」「はい! 肝に銘じます、師匠!」「だから師匠はやめろと言っただろう」 カリナは苦笑しながらも、リーサの熱意を嬉しく思っていた。「リーサ、お前には期待している。エデンを、そして民を守るために、力を貸してくれ」「はい! この命に代えても、エデンをお守りします!」 リーサは力強く宣言し、カリナに忠誠を誓った。その瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。 カシュー王は満足げに頷き、玉座から立ち上がった。「うむ。これにて任命式を終了する。皆の者、これからもエデンのために力を尽くしてくれ!」「はっ!」 玉座の間に、騎士達の力強い声が響き渡る。 こうして、エデンに新たな優秀な召喚士が加わった。リーサはカリナの代行として、そして一番弟子として、召喚術の道を歩み始めることとなる。 その後、カシュー王は皆を労い、祝宴が開かれることとなった。宴の席では、騎士達がカリナの武勇伝を語り合い、リーサも熱心に耳を傾けていた。 カリナはルナフレアにジュースのグラスを傾けながら、静かに呟いた。「これ
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61  緑の戦乙女

 エデンを飛び立ち、ペガサスに乗って北西へ。眼下には雄大な景色が広がる。高度が上がるにつれ風は冷たくなり始めていたが、ペガサスの発する魔力の加護と、ルナフレアから渡された厚手のコートのおかげで、空の旅は快適そのものだった。 やがて右手遠くに、堅牢な城壁に囲まれた巨大な都市が見えてきた。無数の塔と城壁が幾重にも連なる、武骨ながらも美しい石造りの国。「あれが初期五大国の一つ、今の騎士国アレキサンドか……」 かつてゲーム時代、メインキャラであるカーズも、そしてこのサブキャラであるカリナも、冒険のスタート地点として選んだのがこの国だった。騎士や剣士など、物理防御と攻撃に特化した兵科を多く輩出する国。兄設定であるカーズがカシュー達とエデンを建国するずっと前、初心者時代に剣の腕を磨いた場所でもある。懐かしい景色に目を細めつつ、カリナはそこを通過し、さらに西へと進路を取った。 何度か地上に降りてペガサスを休ませ、隊員と軽食をとりながら進むうちに、太陽は西の地平線へと沈みかけ、空が紫と茜色のグラデーションに染まり始めた。「隊長、そろそろ日が暮れますにゃ。お腹も空いたにゃ」「そうだな。夜間の飛行は視界も悪いし、今日はこの辺りで宿をとろう」 カリナは眼下に見えてきた街の近くにペガサスを降ろした。労いの言葉と共に送還し、隊員を連れて徒歩で街の南門へと向かう。 見えてきたのは、高い石壁に囲まれた街。近づくにつれ、カリナは違和感を覚えた。記憶にあるここ「ザラーの街」は、ゲーム開始直後のプレイヤーが集まる、のどかで開放的な初心者用の街だったはずだ。 だが、目の前にあるのは、無数の傷跡が刻まれた分厚い城壁と、物々しいバリケード。100年という時は、平和だった始まりの街を、魔物の脅威に晒される最前線の拠点へと変貌させていたのだ。 石造りの門の前には、二人の兵士が立っていた。槍を持ち、アレキサンドの紋章が入った鎧を着ているが、その眼差しは鋭く、妙に殺気立っている。「止まれ。これより先はアレキサンド領ザラーの街だ。身分証の提示を」「ああ、冒険者だ」 カリナは首に掛けていたギルドカードを外し、兵士に手渡した。兵士は事務的な手つきでカードを受け取り、そこに刻まれたランクと名前を確認する。そして次の瞬間、その目が驚愕に見開かれた。「えっ……Aランク!? それに、名前はカリナ……
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62  戦場の女神

 ヒースの部屋を出てロビーに戻ると、そこは殺気立った空気に包まれていた。 負傷している者、装備を点検して飛び出していく者。怒号と悲鳴が飛び交う中、数人の冒険者が地図を囲んで深刻な顔で話し合っているのが耳に入った。「南西の防衛線が危ない! 急造の砦を築いて凌いでいるが、魔物の数が多すぎる!」 「正規軍の騎士団も限界だ。このままじゃザラーまで雪崩れ込んでくるぞ!」 彼らの会話を聞いたカリナは、迷わず彼らの元へと歩み寄った。「その南西の砦、私が加勢に行こう」 凛とした声に、冒険者達が振り返る。だが、彼らの目に映ったのは、フリルたっぷりの緑のドレスコートを着た、深窓の令嬢のような美少女と、二足歩行の猫だった。「はぁ? なんだお嬢ちゃん、迷子か?」 「悪いが今は遊んでる場合じゃねぇんだ。お人形さんごっこなら他所でやってくれ」 男達は呆れたように手を振って追い払おうとする。無理もない。この血生臭い状況に、カリナの姿はあまりにも不釣り合いだった。「遊びじゃない。私は冒険者だ。その砦に向かうと言っているんだ」 カリナが出口へ向かおうとすると、男達が慌てて立ちはだかった。「おい待て待て! 死にに行く気か!?」 「そこはピクニックに行く場所じゃねぇんだぞ! そんなフリフリの恰好で戦場に行ってみろ、魔物の餌になるだけだ!」 「悪いことは言わねぇ、家に帰ってママのミルクでも飲んでな!」「隊長は凄いのにゃ! お前達こそ控えおろうなのにゃ!」 彼らは本気で心配し、必死に止めようとしている。根は良い奴らなのだろう。だが、今は一刻を争う。カリナは懐からAランクのギルドカードを取り出し、彼らの目の前に提示した。「忠告は感謝する。だが、心配は無用だ。私はAランク冒険者のカリナ。組合長ヒースからも直々に討伐の許可を得ている」 黄金色に輝くカードを見た瞬間、男達の顔色が変わり、ロビー中がどよめいた。「え、Aランク……!? この歳でか!?」 「ま、待てよ、カリナって……あのルミナス聖光国を救ったっていう、エデンの凄腕召喚士か!?」 噂はここまで届いていたらしい。彼らの表情が、驚愕から縋るような希望へと変わる。「あんたがあの英雄なのか……?! 俺達じゃどうにもなんねぇ数なんだ! 頼む、仲間達を助けてやってくれ!」「ああ、任された。吉報を待っていてくれ」「任せておくにゃ」
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63  凱旋とランチ

「うおおおおおおっ!! 勝ったぞぉぉぉぉ!!」 「我々の勝利だ! アレキサンド万歳! 緑の戦女神、万歳!」 総裁バズズが燃え尽き、残った魔物の群れが霧散したのを見届けた瞬間、砦に詰めていた騎士達や冒険者達から、大地を揺るがすような歓声が爆発した。彼らは武器を放り出し、兜を脱ぎ捨てて、戦場の中心で悪魔の素材を回収していたカリナの元へと駆け寄ってくる。「すげえ……本当に一人で、軍勢ごと悪魔を倒しちまったぞ……!」 「なんて強さだ、それに近くで見ると本当にお人形さんのように可愛らしい……!」 「あの細い腕のどこにあんな力が……。まさに戦場に降り立った女神だ!」 血と土埃にまみれたむさ苦しい男達が、キラキラした尊敬の眼差しでカリナを取り囲み、口々に称賛を浴びせる。その中心で、カリナの肩に乗ったケット・シー隊員は、ふんぞり返るように胸を張り、これ以上ないほどのドヤ顔を晒していた。「ふっふーん! 見たのにゃお前達! これが隊長の実力にゃ! もっと褒めて、もっと崇めるにゃ!」 まるで自分が倒したかのような態度だが、誰もそれを咎めない。むしろ「何だこの猫可愛いな」と頭を撫でられ、満更でもなさそうだ。 一方、当のカリナは居心地が悪そうに頬を掻いた。「いや、戦乙女とか女神とか、そういうのは止めてくれ。私はただの冒険者だよ」「ご謙遜を! 貴女様は今日、間違いなくこのザラーの街を、いや、アレキサンドの危機を救って下さったのです!」 指揮官を務めていたアレキサンドの騎士団長らしき男が、カリナの前に進み出て最敬礼をした。「この武功、必ずや本国のアレキサンド国王陛下にご報告致します。貴女様のような英雄が訪れてくれたとなれば、陛下も大層お喜びになるでしょう。是非いつか、王都へもお越しください。国を挙げて歓迎致します!」「あ、ああ……機会があればな」 熱烈な歓迎ぶりに、カリナはタジタジだ。このままでは胴上げでもされかねない雰囲気を感じ取り、カリナは素早く空を見上げた。「では、私は報告があるから戻る。後は任せるよ」「はっ! この御恩は忘れません! 緑の戦乙女に栄光あれ!」「戦乙女に栄光あれ!!」 数百人の兵士達が一斉に剣を掲げ、勝鬨を上げる。その熱狂的な声を背に受けて、カリナは再びペガサスを召喚し、隊員と共に空へと舞い上がった。 太陽はまだ高く、まぶしい日差しが照り
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-09
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64  世界樹の下へ

 一夜明け、ザラーの街に清々しい朝が訪れた。窓から差し込む陽光に目を細めながら、カリナはベッド脇の例の「メイド隊からの衣装」セットの二つ目を取り出した。「……さて、今日の『着せ替え』はなんだ?」 恐る恐る広げたその衣装を見て、カリナは天を仰いだ。「あいつら……本当に森に行く気があるのか?」 そこに入っていたのは、白を基調とし、鮮やかな黄緑と黄色のリボンやフリルがあしらわれた、体のラインが出るタイトなローブ。しかもフードには、ふっくらとした「猫耳」がついている。インナーは紫に白と黒のデザインが施されたシックなワンピースだが、足元はガーターベルト付きの白いニーハイソックスに、黒地に白いラインが入ったショートブーツという、絶対領域を強調するような組み合わせだ。「防御力と動きやすさは最高級の素材らしいが……この猫耳は必要なのか? 完全にコスプレじゃないか」 ブツブツ文句を言いつつも着替えて鏡の前に立つと、そこにはあざといほどに可愛い「猫耳魔法少女」が完成していた。悔しいが、サイズも完璧だ。「ま、誰も見てない森の中だ。我慢するか」 フードを被って猫耳をピコピコさせながら、身だしなみを整えて隊員と共に階下へ降りる。「おはようございますにゃ、隊長。今日もバッチリ可愛いですにゃ」 「うるさい。行くぞ」 食堂に降りると、女将さんが満面の笑みで駆け寄ってきた。「おはよう、英雄さん! 昨日はあんたのおかげで、夜遅くまで祝杯を挙げる客で大忙しだったよ! 街を救ってくれて本当にありがとうねぇ」「いや、私はただのきっかけだ。皆が頑張ったからだよ」「謙虚だねぇ。さあ、今日はサービスで特盛にしておいたよ! しっかりおあがり!」 出された朝食は、厚切りのベーコンエッグに、山盛りのサラダ、そして焼きたてのパンと具沢山のスープ。カリナと隊員は感謝してそれを平らげ、エネルギーを充填した。 宿を出て、人目が少ない場所でペガサスを召喚する。カリナは猫耳フードを抑えながら天馬に跨り、北西の空へと舞い上がった。 ◆◆◆ ザラーの街を離れ、しばらく飛ぶと、眼下の景色は荒野から深い緑へと変わっていった。  『世界樹の森』。   その名の通り、視界の果てまで続く樹海だ。そしてその遥か彼方には、雲を突き抜けるほど巨大な一本の樹――世界樹が鎮座している。「でかいな……。遠近感がお
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-10
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65  怪しい遭遇

「うわぁ、凄い流れですにゃ。落ちたら溺れるにゃ」「泳いでいくしかなさそうだな。だが……」 カリナは自身の服――メイド隊が丹精込めて作った猫耳フードのローブを見た。この激流に服を着たまま飛び込めば、水の抵抗で動きが鈍るし、何よりこの服が台無しになってしまう。ルナフレアは「側付き」としてカリナに尽くしてくれているが、その愛が重い分、服を粗末に扱うと後が怖い気がする。「脱ぐぞ、隊員」「へ? ここでですかにゃ?」「ああ。濡れた服は重りになる。それに服をダメにしたらルナフレアに何を言われるか分からん」 カリナは躊躇なくローブとインナーを脱ぎ捨て、全裸になると、それらを素早く畳んでアイテムボックスに放り込んだ。隊員も自分の装備をしまう。「しっかり掴まってろよ!」「はいにゃ!」 カリナは裸のまま隊員を胸に抱くと、助走をつけて暗い水面へと躍り出た。 バッシャァァンッ!! 突き刺すような冷たさが全身を包む。流れは速いが、カリナの身体能力ならば制御不能というほどではない。彼女は水流に身を任せつつ、出口を目指して激流に流され続けた。  ◆◆◆ 数十分後。暗い水路の先に光が見え、カリナ達は勢いよく外の世界へと吐き出された。 ザバァァァッ! 顔を出したのは、世界樹の森の一角にある静かな泉だった。結界の外に出たようだ。カリナは浅瀬に上がり、濡れた髪をかき上げた。太陽の光が濡れた肢体を照らし、水滴が真珠のように白い肌を滑り落ちる。「ぷはぁ、冷たかったな。風邪を引く前に拭かないと」 アイテムボックスからバスタオルを取り出し、隊員と自分の水気を拭き取っていると――不意に背後の茂みが揺れ、人の気配がした。「……誰だ」 カリナはタオルで身体を拭きつつ、鋭い視線を向ける。そこに立っていたのは、深緑のローブを目深に被り、顔を隠した男だった。男は一瞬息を呑み、呆然とカリナを見つめていたが、やがて低い声で尋ねてきた。「……お前は、精霊か?」 森の奥深く、清らかな泉に佇む全裸の美少女。その神秘的な光景に、男は人ならざるものを見たような錯覚を覚えたようだった。だが、カリナは冷静に首を横に振る。「いや、私は冒険者だ」「隊長は最強の召喚士にゃ、控えおろうにゃ」「……そうか。すまない、あまりにも精霊のように美しかったもので、見間違えたようだ」 男はフードの下でバツが悪
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-11
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66  カナミ

 テントの中には重苦しい沈黙が流れていた。   支部長のノードが、椅子に縛り付けられた『ヴォイド・リチュアル・サンクトゥム』の兵士を見下ろし、低い声で問い詰める。「さて、単刀直入に聞くぞ。お前達の目的は何だ? なぜ精霊を狙う?」「……フン、殺せ。喋ることはない」 男は頑なに口を閉ざす。その瞳には狂信的な光が宿っていた。カリナはその様子を少し離れた場所から観察しながら、通信機越しにカシューと小声で話す。(カシュー、聞こえるか? 今、敵の兵を捕らえて尋問中だ。音声はそっちにも流す)(了解。それにしても、随分と口が堅そうな相手だね) 通信機越しにカシューの声が響く。カリナは小さく頷くと、尋問に行き詰っているノードの横に進み出た。「代わろう。私が聞く」「カリナ嬢ちゃん? しかしこいつは……」 ノードが戸惑うのを手で制し、カリナは捕虜の男の前に立った。そして、冷徹な視線で男を射抜く。「お前は、自分達の組織が悪魔と繋がっていることを知っているのか?」 その言葉が放たれた瞬間、男の表情が凍り付いた。「あ……悪魔、だと……?」「そうだ。以前、私が半殺しにした影霊子爵ヴァル・ノクタリスが言っていたぞ。お前達の組織のトップは、『災禍伯メリグッシュ・ロバス』だとな」 カリナがその名を告げると、男は顔を真っ赤にして激昂した。「貴様! 気安くあのお方の名を呼ぶな! メリグッシュ・ロバス様は、この腐った世界を『虚無の儀式』によって浄化し、あるべき姿に戻してくださる崇高な指導者だ! 悪魔などという穢れた存在と一緒にするな!」 男の反応を見て、カリナは確信した。やはり末端の構成員には、トップの正体は伏せられているのだ。「崇高な指導者、か。滑稽だな」 カリナは冷ややかに鼻で笑った。「教えてやろう。お前が崇拝しているそのメリグッシュ・ロバスの『災禍伯』という称号は、ただの飾りじゃない。魔界における爵位だ。そいつは正真正銘の悪魔なんだよ」「う、嘘だ! デタラメを言うな!」「嘘かどうかは、あの世で確かめればいい。もっとも、悪魔に魂を売ったお前が行ける場所があるかは知らないがな」 カリナは冷酷に言い放つと、隊員に合図を送った。「隊員、拘束しろ」「了解にゃ! 影よ、鎖となりて縛り上げるにゃ! アストラル・バインド!」 隊員が発動した魔法により
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-12
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67  霧の街とゴシックドール

 世界樹の森を後にしたカリナは、ペガサスで休憩をはさみながら北上を続けた。   日が傾き、空が茜色から群青色へと変わる頃、眼下に霧に包まれた幻想的な街並みが見えてきた。目的の街、リシオノールだ。 街から少し離れた街道沿いにペガサスを降ろし、労いの言葉と共に送還する。そこからは隊員を連れて徒歩で南門へと向かった。 リシオノールは「霧の街」の異名を持つ。五大国の一つである陰陽国ヨルシカの和風の文化圏に近い影響を受けており、夕刻になると立ち込める白い霧の中に、瓦屋根や木造の格子戸といった和の風情を感じさせる建物が浮かび上がる。  石畳の道もしっとりと濡れ、軒先に吊るされた提灯の淡い光が、幻想的な静寂を演出していた。 南門には松明が焚かれ、数人の衛兵が警備に当たっていた。「止まれ。これより先はリシオノールだ。身分証の提示を願う」 槍を持った中年の衛兵が、怪訝そうにカリナを見る。無理もない。霧の中から現れたのは、フリル付きの緑の衣装を纏ったあどけない少女と、二足歩行の猫なのだから。観光客にしては軽装過ぎ、冒険者にしては可憐過ぎる。「冒険者だよ。通ってもいいかな」 カリナは懐からギルドカードを取り出し、衛兵に手渡した。衛兵は事務的にカードを受け取り、ランタンの光にかざして確認する。そして次の瞬間、目を丸くして二度見、三度見と繰り返した。「なっ……ええっ!? Aランク……!? こ、この歳でか!?」 衛兵の声が裏返る。詰所にいた他の衛兵達も何事かと顔を出した。「おい、どうした?」「こ、これを見ろ! 本物のAランクだ! しかも名前は……カリナ。ああ、あの噂の『緑の戦乙女』か」 ざわめきが広がる中、衛兵達の視線が尊敬と畏怖、そして驚愕の入り混じったものに変わる。「し、失礼しました! どうぞお通りください!」 衛兵は慌てて最敬礼し、道を開ける。カリナはカードを受け取りながら、ふと足を止めた。「すまない、ついでに聞きたいんだけど」「は、はいっ! なんでしょうか! 何でもお答えします!」「この街で飯が美味くて、静かに休めるお勧めの宿はあるかな? できれば浴場が広いところがいいんだけど」 カリナの問いに、衛兵は少し考えてから、自信ありげに答えた。「それでしたら、『樹霧の庵亭』が良いでしょう。大通りから少し外れた静かな場所にありましてね。ここの文化を取り
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-13
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68  カチコミ

 冒険者組合での作戦会議を終え、カリナとエレナ組合長、そして招集された三十名近い衛兵隊と精鋭冒険者達がギルドの前に整列した。   外はまだ朝の白い霧が立ち込め、視界は悪い。「カリナさん、場所は特定済みとのことですが、案内をお願いできますか?」 エレナの問いかけに、カリナは足元の隊員を見下ろした。「ああ。ここからは私の相棒が先導する。……隊員、やれるか?」「任せるにゃ! 風に乗って、微かに『臭い』が漂ってきてるにゃ」 隊員が鼻を空中に向け、ヒクヒクと動かした。   彼はただの愛玩動物などではない。召喚体としての鋭敏な感覚に加え、魔力の澱みや悪意の痕跡、そして特定の薬品臭すらも嗅ぎ分ける特殊な探知能力を持っている。「こっちだにゃ。……うえぇ、鼻が曲がりそうな薬品の臭いと、腐った魔力の臭いがプンプンするにゃ」 隊員が顔をしかめながら、二本足でトコトコと歩き出した。その愛らしい姿と、後ろに続く完全武装の衛兵隊や強面の冒険者達という異様な光景に、街の人々が何事かと道を空ける。「おい、あの猫が先導してるのか?」 「Aランク冒険者の召喚体だぞ。邪魔するなよ」 一行は隊員の鼻を頼りに、リシオノールの石畳の道を北へと進んでいく。   賑やかな大通りを抜け、住宅街を過ぎると、次第に人通りが少なくなっていった。霧が濃くなり、周囲の建物も古びていく。「臭いが強くなってきたにゃ。この先にゃ」 隊員が指差した先には、街外れの古い倉庫街が広がっていた。かつては物流の拠点として栄えた場所だが、今は廃墟同然の建物が並び、湿った苔とカビの臭いが漂う寂れた区画だ。 隊員は迷うことなく、瓦礫が散乱する路地裏へと入っていく。そして、一見すると他の廃屋と変わらない、朽ちかけた木造の小屋の前でピタリと足を止めた。「ここにゃ。間違いないにゃ。この壁の向こう……地下から強烈な反応があるにゃ」「……ここか」 カリナは小屋を見上げた。窓は板で打ち付けられ、入口の扉も錆びついている。だが、「生体探知」を集中させると、確かに地下深くに複数の生命反応が蠢いているのが感じ取れた。街の喧騒から離れたこの場所なら、多少の騒ぎを起こしても気付かれにくい。敵ながら良い隠れ家を選んだものだ。「エレナ組合長」「はい!」「この小屋が入口だ。周囲を完全に包囲してくれ。裏口や通気口らしき場所も全てだ。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-14
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