「ご安心なさい。わたくしはいけませんが、娘がお供いたしましょう。当年とって十四歳とまだ年若い娘ですが、この人類の試練のために神が使わした聖女です。きっとあなたたちの力になることでしょう」「ありがとうございます」 礼拝室に案内してくれた僧侶が、最高司祭の意を汲んで連れてきたのは幼い顔立ちの美少女だった。 十四歳といえばレイトの世界では中学二年生。 現代でもそれなりに大人びてくる年頃だ。 ましてやここは文明レベルが二つばかり未熟な世界で人々は早熟のきらいがあり、総じて大人びて落ち着いた雰囲気を漂わせている。 そんな中にあってともすれば小学生にも見える目の前の少女はそれだけでも異質かもしれない。 それにしても本当にこのふっくら美人から生まれてきたのか? と、疑問に思うくらい顔が小さく背は高くないのに手足の長い華奢な少女は、目をキラッキラと輝かせて錫杖を両手で胸の前に握りしめている。「お母様、ついにその日が来たのですね」 小さな鈴がシャリシャリと鳴るような快活な声はレイトの聖女イメージとはちょっと遠い。「ビルヒルティス。あなたにはこの国の、ひいては人類の存亡がかかっているのです。そのことだけは忘れないでくださいね」「もちろんです! お母様」 聖女を仲間に加えた一行は、一路北東に進路をとる。「まだ仲間を募るのか?」 馬車の御者席に座るレイトはその先を行く騎馬のソフィアに声をかける。「当然だ。このパーティはバランスが悪すぎる。お前は魔法も使えるらしいが、基本は剣士だろう?」「ああ」「ヴァネッサも剣士、私も騎士だ」「なるほど、魔法使いが必要ってことだな」 うん、話が早くていいね、レイト。 RPG的に考えればそうなるさ。「アテがあるのか?」「うむ、これから行くのは大賢者バガナス様のお住まいだ」「お、いいね。すげー魔法をバシバシ使ってくれそうだ」「そうだといいんですけどね」
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