盗撮犯を無事、送り出した後、私たちはシアター内へと戻った。しかし、かなり揉めていたこともあり、戻った時には、もう映画はクライマックスを迎えていた。その為、結局映画はあまり見られなかったのだが、映画館のスタッフの方が、盗撮犯を見つけ、対応してくれたお礼にと、また好きな映画を一本観られるチケットをくれたので、あまり悲しい気持ちにはならなかった。むしろ、それでも盗撮犯を捕まえられたことの方が嬉しく思えた。映画はまた見に行けばいいだけだ。もう日が暮れ始め、街に灯りがつき始めた頃。私たちは映画館から出て、帰る為に駅へと向かっていた。悠里くんと並んで、街の中をゆっくりと歩く。幸せな時間の中で、私は今日という最高の一日に思いを馳せた。今日はとても楽しかった。運命diaryに登場した神社で、たくさん風景や推しの写真を撮り、映画にまで行って…。推しの素晴らしすぎるところをたくさん見れたり、改めて知れたり。推しとたくさんの時間を過ごすことができた今日という日を、きっと私はキラキラと輝く宝物のように大事にし、忘れられないだろう。今日は私にとって人生最高の一日だった。しかしきっと沢村くんにとっては違っただろう。私のせいで。「…沢村くん。さっきはごめんね。私のせいでほぼ映画、見られなくて…」申し訳ない気持ちでいっぱいになり、ぎゅっと両手に握り拳を作る。もっと私が盗撮犯の対応をきちんとできていれば、沢村くんの手を煩わせることなどなかった。動画の保存場所に気づけなかった私のせいで、沢村くんは映画を見られなかったのだ。「え?何で謝るの?鉄崎さんのせいじゃないじゃん」眉間にシワを寄せ、深く反省していると、そんな私に沢村くんの不思議そうな声が届いた。あまりにもあっけらかんとしている沢村くんに、私は驚いて、無言のまま、目を大きくぱちくりさせる。悠里くんはそんな私に優しく続けた。「悪いのはどう考えても盗撮していた人だよ。鉄崎さんは何も悪くない」夕日に照らされる私の推しはなんて眩しい存在なのだろうか。この輝きとかっこよさはきっと世界を救う。「俺、今日、鉄崎さんと一緒にいられてめっちゃ楽しかったよ。鉄崎さんの知らないところとか、知っていたけど改めて知れたところとかも知れて、良かったって思った。本当に楽しかった。ありがとう」夕日を背に、はにかむ沢村くんには
آخر تحديث : 2025-12-11 اقرأ المزيد