沢村くんも合流して本格的に始まった勉強会。最初は話を全く聞いていない千晴にどうなることやら、と思っていた。しかし、そんな私の不安とは裏腹に、案外千晴は真面目に勉強に取り組み、わからないところがあれば、何度も何度も私に質問してきた。……ただ「わからない」と言う割には、説明を聞けばすぐに理解し、問題を解いていたので、本当にわからなかったのかは少々疑わしいところもある。わざとわからないフリをしていた可能性もあるが、そこには目をつむることにした。真面目に勉強に取り組む姿勢、それが大事なのだ。そして一緒に勉強していた沢村くんも千晴と同じく数学のテスト勉強をしていた。真剣な表情で机に向かう初めて見る推しの横顔。クラスが違うので普段なら絶対見られない貴重な一面に、何度も表情が緩みそうになったことは言うまでもない。沢村くんにときめく胸を抑えつつも、千晴に勉強を教えながら、その合間を縫って、私も自分の勉強を進めた。そんな中、沢村くんはしばしば手を止めて、私にわからない箇所を尋ねてきた。それに答えるたびに「ありがとう、鉄崎さん」と照れくさそうに笑う沢村くんに、何度心臓が爆発しかけたことか。推しの照れ笑いでこの命を散らせるなんて本望すぎる。千晴と沢村くんの勉強を見ながら私も勉強をする。この流れで勉強すること約2時間。あっという間に下校時刻となったので、私たちは一旦勉強を中断し、帰路につくこととなった。校庭の奥、街の向こう側に太陽がゆっくりと沈んでいく。ほんの数時間前までは青かった空も、いつの間にかオレンジ色に染められており、確かに時が流れたことを告げていた。そんな中、私たち3人は、私を挟んで、沢村くん、千晴で横に並び、共に校門を目指して歩いていた。「鉄崎さん、今日はありがとう。すごく捗ったよ」先ほどまでしていた勉強会を思い返していると、私の右隣にいた沢村くんが笑顔で私に話しかけてきた。夕日のオレンジ色を浴びる推しはなんて眩しいのだろう。物理的な意味でも、存在的な意味でも、どちらでも眩しい。「いや、こちらこそありがとう。教えることって自分の復習にもなるし、沢村くんのおかげでいい復習ができたよ」推しが二つの意味で眩しすぎて、私は思わず目を細めながらも、にっこりと笑った。「俺も先輩のおかげで勉強捗ったよ?明日もお願いね、先輩」気怠げに、だが、
آخر تحديث : 2025-12-21 اقرأ المزيد