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18.お願い。

Penulis: 朝比奈未涼
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-18 10:26:42

「おはよ、先輩」

私の声を流れるように遮った千晴は、何故かそのまま私を後ろから抱きしめてきた。

生徒たちの視線が一斉にこちらに注がれている気がする。

…何だ、これ。

「…おはよう、千晴。離してくれない?」

「俺のお願い聞いてくれたら離す」

「…お願いぃ?」

気怠げな千晴の声に眉間にシワを寄せる。

一体お願いとは何なのか。

「うん。俺、今回のテストヤバそうでさ。だから先輩に勉強教えてもらいたいんだよね。ダメ?」

「なんだ、そんなこと?」

未だに私を自身の腕の中へと閉じ込め続ける千晴に、私は思わず苦笑する。

お願いだと言うからもっと難しいことでも言われるのかと、身構えてしまったではないか。

「勉強くらいいくらでも教えるよ。はい、わかったら離す」

千晴のお願いをさっさと聞き入れ、私は自分を離すようにと、後ろに振り向き、グッと千晴の胸を押す。

だが、何故か千晴は私を離そうとせず、「もうちょっとだけ」と、私の頭に自分の頭をぐりぐりと押し付けてきた。千晴のせいで私の綺麗な一つ結びがボサボサだ。

「やめろバカ!髪がボサボサになっちゃうじゃん!」

「そしたら俺がまた結んであげる」

「そういう問題じゃない!」

先ほどよりももっと力を入れて千晴の胸を押すのだが、びくともせず、私は千晴にされるがままだ。

力では敵わないと思い、私は一度千晴から逃れることを諦め、どうすれば自由になれるのか考えることにした。

やはりここはみぞおちに一発、私の肘を喰らわせるしか…。

「嫌がってるだろ、離れろよ」

今まさに千晴のみぞおちを狙いかけたところで、沢村くんがどこか面白くなさそうに私たちを見て、千晴の肩を掴む。

「は?何、お前?」

「鉄崎さんの彼氏だけど」

「…」

「…」

それから2人は、私を挟んで、千晴がにこやかに、沢村くんが怖い顔で、静かに互いを睨んだ。

間に挟まれた私はとんでもない空気に1人晒される。

…居心地が悪すぎる。

「…千晴、私を離しなさい。あと沢村くんを睨むな」

もう我慢の限界だと、できるだけ怖い顔で千晴の頬を掴んで横に引っ張る。

私の推しを睨むだなんて言語道断。許されるものではない。

私に頬を引っ張られた千晴は何故か嬉しそうに「はぁい」と間の抜けた返事をし、やっと私から離れた。

千晴から解放された私はそのまま自由になった体で、千晴の方へと振り向き、千晴を見据える。

「…それでいつ勉強教
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