夏の陽射しが、ペントハウスの広いリビングにたっぷりと降り注いでいる。 窓の外には抜けるような青空が広がっていた。 ダイニングテーブルの上には、分厚い企画書が広げられている。 完璧に着こなしたスーツ姿のセナさんが、タブレット端末を操作しながら口を開いた。「数週間後に迫った、Noixの全国ドームツアー最終公演。その総合演出家から、我々に一つの大きな提案が持ち込まれました」 セナさんは中指で眼鏡を押し上げると、私とレンくん、ハルくんを順番に見回した。「先日放送されたドラマの大ヒットにより、伊織と茉莉の人気は現在最高潮に達しています。そこで、最終日のアンコールにて、双子をシークレットゲストとしてステージに呼び込みたいとのことです。つまり、Noixと双子の親子共演パフォーマンスの企画です」「まじか! それ、最高じゃん!」 ハルくんが身を乗り出して目を輝かせた。「俺たちと伊織、茉莉が同じステージに立つなんて、ファンも絶対に喜ぶよ。話題性も抜群だし、何よりすっごく楽しそうだ」「ええ。事務所としても、このオファーを断る理由はありません。ですが最終的な判断は保護者であるレンと紬、そして何より本人たちの意思に委ねられます」 セナさんの視線を受けて、レンくんは腕を組んで目を閉じた。 数秒の沈黙の後、静かに目を開く。「俺は構わない。あいつらがやりたいと言うなら、ステージに上げるだけだ」「紬さんはどうですか。専属管理官として、双子のスケジュールや体力的な懸念はありますか」 尋ねられたので、手元のスケジュール帳をめくって確認する。「ドラマの撮影は全て終わっていますし、現在のところ大きな仕事は入れていません。体力的な問題はないと思います。ただ、ドームという場所は……」 私が言い淀んだちょうどその時、リビングのドアが開いた。「ママ、ただいまー!」「パパ、ハルお兄ちゃん、セナお兄ちゃん、こんにちは!」 幼稚園の制服を着た伊織と茉莉が、元気な声を上げて部屋に入って
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