ライブ本編の終了を告げる劇的なアウトロが鳴り止み、ステージ上のまばゆい照明がふっと落とされた。 暗転した巨大なドーム空間に、数秒の静寂が落ちる。しかしそれは、さらなる熱狂への短い助走に過ぎなかった。『アンコール! アンコール! アンコール!』 地鳴りのような5万5000人の声が、波のようにうねりながら会場全体を揺るがし始めた。 客席で揺れる何万本ものペンライトの光が、暗闇の中で生き物のように明滅を繰り返している。 ステージの袖、無数の機材と黒いケーブルが這う暗がりに、私は立っていた。 すぐ隣には、本番用の煌びやかな衣装に着替えた伊織と茉莉がいる。 2人が身にまとっているのは、Noixのメンバーとお揃いの純白を基調としたジャケットとパンツスタイルだ。 襟元や袖口には銀色のスパンコールがふんだんにあしらわれており、暗いステージ袖のわずかな明かりを反射してキラキラと輝いている。「すごい音だね、ママ。みんな、すっごく大きな声でパパたちのこと呼んでる」「うん。あの光、星空みたいでとってもきれい 」 伊織と茉莉の顔に、数時間前のリハーサルで見せていた怯えは完全に残っていなかった。 2人の目は、5万5000人の熱気にあてられるどころか、そのエネルギーを吸収するかのように期待と興奮でキラキラと輝いている。 小さな両手で自分専用のワイヤレスマイクをしっかりと握りしめて、ステージへ上がる階段をじっと見つめていた。 その階段を駆け下りる、複数の激しい足音が聞こえた。「お疲れ様です! 水、水をお願いします!」「タオルここです!」 暗がりの中で待機していたスタッフたちが、一斉に動き出す。 ステージから降りてきたレンくん、セナさん、ハルくんの3人は、頭から水をかぶったように全身汗だくだった。 息を荒く切らせて、肩で大きく息をしている。「ははっ、今日のお客さん、最高に熱いね! 俺も汗で前が見えないや!」 ハルくんが、スタッフからスポーツドリンクのペットボトルを受け取る。一気に
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