全ての授業が終わった私は、スマホを確認しながら歩いていた。 「……連絡無いな。本当に拗ねちゃったのかな」 正門に向かいつつ、奏斗にもう1度連絡をしてみようと思い、スマホを操作しながら歩いていると、ふと影がかかった。 「──香月ちゃん、スマホ見ながら歩いてると危ないよ?」 「わ……っ、遠藤くん!?」 「驚かせてごめんね。だけど、人にぶつかったら危ないかな、と思って」 「ううん、むしろありがとう遠藤くん」 「香月ちゃんはもう今日の授業は全部終わり?」 「うん、そうだよ。だからこれから帰るつもり」 「そうなんだ……。俺はまだ午後も講義があってさ……」 遠藤くんと話しながら歩いていると、構内を出て正門近くまでやって来た。 もしかしたら、奏斗が予定通り迎えに来ているかもしれない──。 遠藤くんと一緒に居る所を見たら、奏斗が嫌な気持ちになるかもしれない。 そう考えた私は、途中で足を止めた。 「えっと……遠藤くん、何か用事があった?」 「あー……っと、ごめん。香月ちゃんと話すの楽しくて……ついついこんな所まで」 遠藤くんは気まずそうに頬をかくと、ちらりと私に視線を向ける。 そして、意を決したように私に向かって口を開いた。 「香月ちゃん、この後帰宅するだけだろう?もし良かったら、一緒に昼ごはんでも食べに行かない?」 まさか、お昼を誘われるとは思わなかった。 それを言いたくてずっと一緒に歩いて来たのだろう。 お昼のお誘いは嬉しいけど、私にはもう奏斗って言う付き合っている人が居る。 このお誘いが、遠藤くんだけじゃなくて美緒や、他の友人達も一緒であれば。 それに、この後奏斗と予定が無ければ。
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